俺がTS属性の二重人格者であるのは間違いないんですけど? 作:春の雪舞い散る
② 雪乃は猫を追い掛ける
放課後になり雪乃達の川崎沙希更正計画を聞いてがっかりしたアタシは
「 大志、アタシは予定通りにけーちゃんのお迎えに行くから任せなよ
けーちゃんと蒼空にクッキー焼いてきてるしね
じゃあ雪乃と結衣は後の事よろしく、小町は今日も大志と来なよ?」
そう言ってらけーちゃんのお迎えに向かう事にしたんだ
だってね… 勝手に不良化してる、って決めつけて問題の根本見ないで解決できるわけ無いでしょ?
川崎沙希もボッチなんだから、簡単に心を開くわけ無いっしょ?
うん、ボッチであることと大きなアレのせいで無意識のうちに視界から外してたのが全く認識してなかった理由
ボッチ不干渉で八の敵に回る可能性がないから警戒してなかったのだ
今日の晩ご飯はハンバーグだけどさすが川崎沙希、けーちゃんや蒼空に食育を実践してるのな
小町が文句たらたらの野菜ハンバーグをきれいに食べてくれた上に笑顔で 「 美味しいっ♪ 」 って言ってくれたんだからアタシだってうれしいね
そして翌日になり、昨日の雪乃達の作戦もあってアタシの意図にナニやら勘づいた沙希が 「 今日はあたしがお迎えに行く 』 と、言い張り
「 八重殿、ご報告いたしたきことが… 「 ウザいっ!簡潔に言え 」」
そう言い捨てられ落ち込む材木座に
「 厨二、なんかわかったん? 」
結衣がそう声を掛けると
「 ウム、八重殿に頼まれた深夜営業してなおかつエンジェルが名前の付く店を検索した結果この二軒だけと判明、所在地も確認済だ 」
そう言って渡されたメモを受け取り
「 報酬の一部だ、受けとれ 」
そう言って渡した包みを見て顔をひきつらせる材木座に
「 心配するな、それはアタシが焼いたココアクッキーだからしかと味わえ 」
そう言ってやったら涙を流しながら食べる姿に訳のわからない大志と小町が首を捻り、雪乃は白い目で材木座を睨み… 結衣は笑顔がひきつってる
クッキーを食べ終えた材木座が落ち着くのを待ち
「 取り敢えず材木に案内させこのエンジェルってメイド喫茶から探りに行くつもりだけど皆はどうする? 」
そう聞くと
「 勿論そんないかがわしいところに八重さんを材木君と二人きりでいかせリ訳にはいかないわ 」
「 アタシもゆきのんに賛成 」
「 材木?厨二? 「 丸太でも角材でも… ベニヤ板でも好きに呼べば良い 」 じゃあ厨二先輩、私も一緒に行きます 」
「 材木先輩、よろしくお願いします 」
と、誰一人マトモに名前を呼んでくれない現実にOrzの材木座に唯一
「 材木座君、時間が勿体ないからそろそろ案内してもらえるかな? 」
そう、ちゃんと名前を呼んだ彩加だけどフォローは一切しなかった
雑居ビル二階に在るそのお店は、結構賑わってて席に案内されたアタシは案内してくれたメイドさんに
「 アイスティーと猫耳カチューシャ体験コース、勿論尻に眼鏡付で 」
と、言うと彩加が
「 えーっと… 言ってる意味が全くわからないんだけどな? 八重ちゃん、僕にちゃんとわかるように説明してくれると助かるんだけどね 」
彩加に怖い笑顔で言われて、やっと気付いたおバカなアタシは腸が煮えくり返っていたけど… 今、ここで暴れるのは野暮だから材木座への仕置きは又いつかと言う事にして
「 カワイイメイドさんの格好したら戸塚が喜んでくるかなって思って… ダメかな?」
ってお願いしたらメイドさんが
「 当店自慢のメニューで体験された女性のお客様はドリンクサービスなど色々な得点があるんですよ
皆さんみたいなレベルの高い美少女の方達には是非とも体験していただきたいです 」
そんな事を言われて興味津々の由比ヶ浜が
「 ゆきのぉん、八重ちゃんもやるみたいだしアタシ達も一緒にやろうよぉ~っ♪ 」
と、場所柄もわきまえずいつものユリユリしくジャレ合う二人はかなり注目を集めている
「 あ、小町は中学生だからダメで彩加もちょっと… 」
アタシがそーゆーと
「 さすがにボクはちょっとね… 」
そう言って苦笑いする彩加に
「 お客様も似合い 「 彩加はアタシの彼氏だもん 」 え、彼氏? 」
そう言われて驚いてアタシと彩加の顔を見比べるメイドさんに
「 ごめんなさい… 僕、僕男の子です 」
そう言って申し訳なさそうに生徒手帳を見せる彩加と見せられたメイドさんの驚いた顔は見物だった
さすがに猫耳カチューシャに尻尾、眼鏡付は調子に乗りすぎたらしくあちこちのテーブルから声を掛けられ彩加が頬を膨らませて抗議してる
どうやら激おこの様だ、激オコプンプン丸らしい
その混乱をうまく利用した雪乃がスタッフルームで川崎沙希が在籍してないのを確認したそうでその後暴走した
猫耳カチューシャのアタシをメイド姿の雪乃が追い掛け回すからもう店内はフラッシュの嵐
店長さんもだけどお客さんの中にもアタシのホームページの閲覧者… フォロワーも居たみたいでその人が
ー 飴色の髪のアカツキ、angel Filler に降臨、純白の髪に猫耳カチューシャが萌えてマジにヤバイ ー
って呟いちゃったからアタシのホームページも有り難くも嬉しくないんだけど小町が店長の許可を得てアップしちゃってくれてるからアクセス数がスゴい…
もちろん、追い掛けっこや捕まったアタシが雪乃に撫でくり回されてる様子は材木座が撮影して陽乃さんに送られ夜には動画も公開されるのだが
まぁ、そんなわけでアタシ達の来店中は注文がじゃんじゃんは入り厨房は大パニック
帰るときにはかなり店長さんの引き留め工作を受けたけど今日はこの後エンジェルラダーにも行かなきゃいけないので今日のところは断った
因みに八重の髪は白髪ではなく雪乃曰く、シロネコのように美しい
つまり、犬や猫の白い体毛なような感じをイメージしています