俺がTS属性の二重人格者であるのは間違いないんですけど?   作:春の雪舞い散る

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さぁ、お前達の罪を数えろ

 ① 雪乃に水と頭痛薬を

 

 

 今日は雨が降っているのでテニス部もお休みだから奉仕部の部室で一緒に勉強してる

 

 まぁアタシはいつもの事だが彩加も部活で遅れがちな勉強を取り戻そうと懸命なのに結衣…

 

 やる気無いなら優美子達とカラオケ行きゃよかったじゃん?

 

 「彩加、依頼が来たらごめんだけど今日の練習無いから部室で一緒に勉強する?」

 

 そう誘ったら

 

 「わからないところは教えてくれると助かるな…」

 

 そんな話してたんだから勉強一色のこの空気は当然だけど

 

 「結衣…夏休み要らんのか?補習で夏休みがつぶれても知らないからな」

 

 無慈悲だがそうならない為雪乃が勉強教えてくれてるのに本人がヤル気無いんじゃ仕方ない

 

 「優美子達とのテニス旅行も結衣だけ補習で不参加か…残念だけど補習じゃ仕方ないよな?」

 

 そう棒読みでアタシが言うと

 

 「そうね、補習サボって進級できなくなったら一緒に卒業できなくなったら寂しいですものね」

 

 と、棒読みで雪乃が返すと

 

 「何かあたしの補習決定してるみたいに聞こえるんだけど?」

 

 等と他人事みたく言うから

 

 「「中間テストが赤点とスレスレばかりだったのはダレっ!」」

 

 ステレオ放送で警告するアタシと雪乃

 

 「この夏はアタシには特別なんだよ?アタシはこの比企谷八重として初めて過ごす夏を彩加と目一杯楽しみたい

 

 一緒に勉強したりテニスしたり花火見たりしたいよ

 

 けどな、結衣…その周りには優美子達や川崎、もちろん蒼空やけーちゃんも一緒な

 

 そして何よりも雪乃や結衣と笑って過ごしたいんだよっ、その中に彩加も加えた四人でさっ!」

 

 アタシがそう叫ぶと

 

 「そうね、八重さんと今は亡き比企谷君の誕生日も補習で不参加なんて事態にはなってほしくないわね?」

 

 そう言って雪乃に手を取られた結衣が瞳を潤ませ

 

 「雪乃ん、八重ちゃんそんなに…あたし頑張って勉強するよ、あたし一人だけ補習で皆と遊べないなんてやだもんっ!」

 

 そう結衣も叫んだから

 

 「よし、言質は取った…プロフエッサー雪乃、あとはよろしくお願いします」

 

 そう言って恭しく頭を下げるとニッと笑って

 

 「えぇ、由比ヶ浜さんは私に任せなさい…間違っても赤点なんか取らせないわ」

 

 と、言われて青い顔をした結衣が

 

 「補習以前にあたし…ちゃんと夏休み迎えられるのかな?」

 

 そう呟く結衣だったけど

 

 「結局のところは結衣が頑張らなきゃ某乙女ゲームのバットエンドになるんだよね…

 

 無事にハッピーエンドを迎えないとヒロインは補習で夏休みを過ごすって結衣の有り得る未来像がさ…見えちゃうんだよねぇ~っ…」

 

 そう言って肩を竦めると彩加も

 

 「由比ヶ浜さん…期末テスト…クリアできたら良いね」

 

 そう彩加も呟いたがホントその通りだと思うよ…

 

 その後、クッキーをつまみながら紅茶で休憩したけど

 

 「あれ?なんで?なんで八重ちゃんのクッキーが市販されてるの?」

 

 そう言って騒ぐ結衣を見て例の如くアタマイタポーズの雪乃

 

 「違うよ、由比ヶ浜さん、袋が百円ショップも売ってるし、シーラーって道具があれば密閉も出きるからみんな八重ちゃんによる手作り、手作業なんだよ?」

 

 そう彩加に説明され

 

「ほえーっ」

 

 と、ムンクの叫びのような声をあげる結衣に

 

 「コンプレックスの塊のアタシは人の何倍も努力しても同じ土俵に立ってると言える自信すらない」

 

 そうボソボソと言い勉強を再開した

 

 雲の色が黒みを帯びてきて

 

 「少し早いけど又誰かさんが濡れて帰って風でも引かれたら家族の方に申し訳ないから今日は終わりにして帰りましょう」

 

 「う~っ…」

 

 雪乃の言葉に返す言葉もないアタシが不承不承頷くと材木座の気配に気付き

 

 「雪乃、材木の気配がする…」

 

 そう伝えると

 

 「話は明日にしてもらいましょうと、言うよりこの時間帯、既に暗くなってきてるのに普段女子しか居ない奉仕部に相談に来ること自体が不謹慎だわ」

 

 雪乃のがそう言い結衣も曖昧な笑みを浮かべながら

 

 「厨二だからね」

 

 「アタシはむしろ、この鬱陶しい梅雨明けまで待たせても良いまでさえまでさえある

 

 どうせ『原稿読んでくれ』なんだろうけどこの雨の中持ち帰れと言われたら間違いなくその場で破り捨てる自信がある」

 

 アタシがそう言うと彩加だけが苦笑いしていた

 

 

 「材木、今何時だと思ってる?この天気で暗くなってきたから奉仕部はその活動を終了し戸締まりして帰るところだ

 

 依頼があるなら明日のもっと早い時間に来い」

 

 そう言ったら

 

 「ウム、それは済まぬことをした…」

 

 そう言って立ち去るとアタシ等も戸締まりをして解散となった

 

 

 その翌日アタシに言われた通りに放課後すぐに奉仕部に訪れた材木は

 

 「我のフライドを完全に踏みにじられた上に決闘を申し込まれた

 

 だが我は孤高の剣豪ゆえ背を預け闘う盟友を持たぬ

 

 済まぬが八重殿…我とタッグバトルを受けてもらう訳にはいくまいか?」

 

 そのざっくり過ぎる依頼に

 

 「原因と相手が誰でバトル方法を聞かずにそんなの受けれるかよっ、もっと具体的に説明しろっ、バカたれがっ!」

 

 アタシにそう言われた材木が言いにくそうに

 

 「我がゲーム仲間にゲームのシナリオライターになる夢を熱く語っていたら遊戯部なる聞き覚えのない部の一年坊主に「材木、なんで一個しか違わんのに坊主呼ばわりなんだ?

 

 お前は一年の時そう言われて腹は立たなかったのかよ?」」

 

 アタシがそう言うと

 

 「一年の二人組嘲笑われ屈辱を受け不快極まりない上に我の原稿を嘲笑い更には原稿用紙を足蹴にしょった」

 

 そう説明され

 

 (こいつにも原因はあるんだろうけどちょっと調子に乗りすぎだな)

 

 そう考えてから

 

 「つまり敵は遊戯部の一年生…で、対戦方法は?」

 

 そう材木に聞いたら

 

 「ウム、互いに提示したゲームで戦うだが我は未だなにも思い付かんし彼奴らがどんなゲームを思い付くのもわからぬ」

 

 そう言われて

 

 「はぁ~っ、使えん奴だな?で、勝負は明日の放課後で良いんだな?」

 

 

 

 「こっちのゲーム及び交渉はアタシに一任で良いな?嫌ならこの依頼は受けん

 

 それと今からけーちやんのお迎えだから今日のところはこれで帰れ」

 

 そう言って結衣と雪乃の二人の迷惑にならないように追い出した

 

 そして翌日の勝負の日、遊戯部の部室にて…

 

 「ゲーム内容及びはアタシが決めても良いんだな?

 

 ならロシアンルーレットだ」

 

 そう言って八個の一口サイズのチョコ見せて

 

 「この中にデスソースを練り込んだチョコ二個、ポイズンクッキングをコーティングしたチョコ三個にセーフのチョコが三個ある

 

 だが、ポイズンクッキングを食べれば間違いなく戦闘不能だから一回戦でパートナーが戦闘不能の場合パートナーの分も食べる

 

 ルールは至って簡単だろ?ならお前達から取り材木アタシの順で取り一斉に実食、さあ取れ」

 

 そう言って一回戦、順番に取り実食、秦野と材木はデスソース、相模ポイズンクッキングで撃沈でアタシだけセーフ

 

 二回戦、秦野一個目はセーフだけど二個目材木と共にポイズンクッキングの餌食となり撃沈…

 

 「アホ共が…」

 

 そう言い捨てメモを残し遊戯部の部室を後にするアタシ達だった

 

 「アホ共は放っておいて良いからさ、多分一時間もすりや目を覚ますんじゃね?

 

 んじゃ、アタシはバイト行くから二人は部室に戻って良いよ」

 

 そう言ってバイトに向かうことにした

  

 

 遊戯部との対戦後あのポイズンクッキングの製造元が結衣だと知った遊戯部の二人と材木が結衣と遭遇した時の反応ときたらもう…

 

 それはそれで笑えたがその事は一旦棚に置き

 

 「お前ら調子乗りすぎな、材木がどんながカスだろうが縦社会においては一個上の先輩なんだよ…不条理でもな

 

 だから最低限の敬意だけは払えよ?じゃないと逆にお前らの男を下げるぞ?

 

 それと材木が調子乗ってウザい時はアタシに言えばアタシが材木をシバクから遠慮無く言ってこい、いつでまた地獄見せてやるからよっ♪」

 

 そう言って黒笑みを浮かべるアタシを見て遊戯部の二人は理解した

 

 (こいつ、なんかしでかしてこの先輩怒らせた結果があのポイズンクッキングなのな)

 

 そう思って材木を見ると脂汗を流し青い顔をする姿を見て

 

 (あ、こいつやっぱアホだわ)

 

 そう二人は確信したが

 

 (アホすぎて関わりたくねえから鬱陶しい時は八重先輩にいや良いか)

 

 そう納得をして

 

 「はい、その際は遠慮無く先輩に言いに行きますよ」

 

 そう言って両者に和解させた…一応な?

 

 「あ、それと材木のアホのせいでお前らにも迷惑掛けたからアタシが働いてる店で飲み物一杯奢るから一度覗いてくれ」

 

 そう言って『ヤエにゃん』と、書かれた営業用の名刺を渡してからけーちゃんのお迎えに向かった

 

 梅雨は未だ明けてない頃の事だった

 

 

 小中学校もサマータイムに入り授業も午前中で終わり蒼空と大志と一緒に過ごす時間が増えてきている

 

 もう二人とも本当の弟の様に感じてきているアタシガイル

 

 もうすぐ夏休みが始まるんだな…そう感じていた

 

 

 「誰だよ?大志が兄貴の間違いじゃないのか?」

 

 って言ったヤツ、それ冗談になってないから二度とゆーんじゃねっ!

 

 アタシと沙希もそろそろ真剣に検討していた予備校をどこにするか結論を出すべき時が近付いてきているのを誤魔化すことはできない相談だった

 

 蒼空の勉強を見させつつ勉強する小町と大志におやつを出してからけーちゃんのお迎えにいく

 

 そんな一連の流れものもすっかり慣れた今はなんの違和感もないし園児達とも顔見知りだしな

 

 帰りに買い物を済ませ早めの晩ご飯

 

 アタシと沙希で夏の計画を話し合いした結果月、水、金の昼間沙希はバイトでアタシは夕方予備校に行き火、木、土は沙希が夕方予備校に行き木、土の昼間はアタシがバイトで土日は沙希はバイトすることにした

 

 取り敢えず夏休みにある程度稼いで貯めておくことにしたんだよね

 

 秋になったらどのみち土日以外は減らさざるを得ないんだからさ、沙希のバイト

 


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