俺がTS属性の二重人格者であるのは間違いないんですけど?   作:春の雪舞い散る

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アタシと沙希のローテーション

(月)/沙希バイト/けーちゃんお迎えしてから川崎家に

(火)/沙希バイト/奉仕部に顔を出してから川崎家に

(水)/沙希バイト/けーちゃんお迎えして川崎家

(木)/沙希休み /バイト

(金)/沙希バイト/けーちゃんお迎えして川崎家

(土)/沙希バイト/バイトして川崎家

(日)/沙希バイト/彩加とテニスの後川崎家


結衣の誕生日と魔王降臨

 

① 雪乃は方向音痴だった

 

 大志の依頼以降社蓄街道まっしぐらなアタシはよくよく考えるまでもなく休みがない

 

 そんなある土曜日の事… この日は沙希が休みでバイトの後がフリーになったアタシは小町と東京ワンにゃんショーに行くべくバイトを昼過ぎまでにして現在待ち合わせ場所にいる

 

 すると見慣れた人物が一人パンフレットを片手にぶつぶつ言いながら歩いているのが見えたが如何せん待ち合わせの時間が近い今この場を離れるのは具合が悪い…

 

 そう考えてたら小町に気付けずにびっくり

 

 「 お姉ちゃん、何やら難しい顔をしてますがどうしましたか? 」

 

 そうよそ行きの口調で話しかけられ

 

 「 あそこに居るのは雪乃だよな? さっきからあの辺りをうろうろしてるのが気になってたから声かけてきても良いか?」

 

 アタシがそう言うと

 

 「 それならアタシも行きますよ、小町が来るまでは我慢して待っていたのでしょ? 」

 

 そう言われて図星なアタシが苦笑いすると

 

 「 それならレッツゴーです 」

 

 そう元気よく言って雪乃に話し掛けに行った

 

 「 うす 」

 

 アタシがそう声をかけると

 

 「 全くもう少しきちんと挨拶しなさいと言ってるでしょうに… 」

 

 そう言われたから

 

 「 それならあの頭が痛くなるような結衣の挨拶を何とかしてくれ

 

 少なくともアタシ達にまであれを言わせようとするのは諦めて欲しい 」

 

 そう言ったら

 

 「 え~っ、なんでですか?結衣さんのやっハローっ♪可愛いじゃないの、お姉ちゃん 」

 

 そう小町に言われたアタシは

 

 「 純真な彩加がつられていってるがこれに関しては譲れない線だ

 

 アタシはこれ以上アホのレッテルを張られるのは勘弁だからな 」

 

 そう言って嫌な顔をすると

 

 「 全く…お姉ちゃんは可愛いげがなく困りますね… 」

 

 って、なんでアタシが悪いみたいな流れになっちゃってるの?理不尽だ

 

 「 そう言えば雪乃は探し物?十分位前からこの辺りをうろうろしてたよね? 」

 

 そう当たり障りのない聞き方をしたら

 

 「 えぇ、心配してくれて有難う、何とか見付かったわ」

 

 と、何事もなかったように振る舞ってるけどね…

 

 「 そっか、ならアタシ等もワンにゃんショーに来たから雪乃が嫌じゃなきゃ一緒に回らないか? 」

 

 アタシのその誘いに一瞬安堵の表情を浮かべ

 

 「 そうね、せっかくここで出合えたのですもの…無下にお断りするのも野暮ね? 」

 

 そう言ったかと思ったらアタシの左手を握り右手を小町が握ってる

 

 「 え~っとこの構図だとアタシが末妹みたく見えるんですけど? 」

 

 そうアタシが唇をとがらせ抗議すると

 

 「 お姉ちゃんが無意識にしてるその子供っぽい仕草を何とかしなきゃ見た目通りにしか見られないよ? 」

 

 そう小町に言われ

 

 「 そうね、気を引くものに吸い寄せられて暴走する貴女は困ったちゃんだったけど可愛かったわよ? 」

 

 そう言われ何て返せば良いのか迷っていたら

 

 「 パパ、あの子良いなぁー、優しいお姉ちゃん達と一緒に来てるねっ♪ 」

 

 そう少女が言うとその子の父親らしき男が

 

 「 そうだね、三人仲良く手を繋いでたのしそうだね 」

 

 その悪意なき言葉に落ち込んだアタシは雪乃と小町の二人に大人しく連行された

 

 

 

 

 ②  ワンにゃんショー

 

 

 「そう言えば貴女達もよく来てたのかしら? 」

 

 雪乃にそう聞かれたアタシは

 

 「 いや、アタシは始めてだ…八と小町は毎年来てたがな…カマクラと出会ったのもワンにゃんショーだったしな」

 

 アタシの言葉に少し寂しそうに笑う小町

 

 「ペンギン…か、ラテン語で肥満を意味するんだよな…」

 

 アタシがボソッと呟くと

 

 「 お姉ちゃん、せっかくのシリアスムードが台無しだよ? 」

 

 そう言って呆れる小町だが

 

 ( どうにもならない事を悩んでも仕方ねぇんだぞ?小町… 俺が… 俺達が元の俺に戻ることはないしそれを望むってことは八重を否定することなんだからな… )

 

 そんなアタシのモノではない思考… 心の声に気をとられていたら

 

 「 全く… 八重さん、貴女と言う人は空気を読まないわね? 」

 

 そんな事を言われて

 

 「 空気を読めない貴女には言われたくないよ… 」

 

 そう思ったアタシだった

 

 アタシが適当に猫を構うなか一心不乱に猫と戯れる雪乃

 

 それを見てたら

 

 ( 焦る必要はねぇし誰かと自分を比較する必要もない )

 

 再び声が聞こえてきたから周囲を見回しだけど当然該当者は見当たらない

 

 「 …… ?、?、? 」

 

 無言で周囲を見回し首をコテンと倒すのを不審そうに見ていた小町が

 

 「 お姉ちゃん、あたしは六時にアマゾンの荷物が届きますから先に帰るのです 」

 

 敬礼をしながらそんな変な口調で言う小町に

 

 「 晩ご飯はどうするの? 」

 

 そうアタシが聞いたら

 

 「 冷凍庫の作りおき解凍したら結構なんでもあるからそれ食べておくからあたしの事は心配しなくても良いからね? 」

 

 そんな事を言われて

 

 「 ん、あまり遅くならないようにするから気を付けて帰りなよ 」

 

 取り敢えず心の中にわき起こった疑問は横においてそう言って小町を見送った

 

 それから暫くして猫を堪能したらしい雪乃が

 

 「 もうすぐ由比ヶ浜さんの誕生日らしいのよ…だから私達もプレゼントでもって思ったのだけど… 」

 

 そう言われて驚いたアタシは

 

 「 誕生日って友達もプレゼントを贈るものなか? 」

 

 そう雪乃に聞いたら

 

 「 八重さん、それはなんの冗談のつもりなのかしら? 」

 

 そう言って冷ややかな目でアタシを見る雪乃に

 

 「 そうなんだ、知らなかったな… そんな事すらもアタシはね… 八にはプレゼントを贈る相手も送ってくれる相手も居なかったんだよな…

 

 そもそも誕生日自体教えてもらえてないし誰も覚えてないんだろうからな… 」

 

 そう最後の一文は口の中だけで呟き

 

 「 だから友達へのプレゼントって何を送ったらいいんだよ?アタシなんにも知らないぞ?その手の常識なんてモノはな 」

 

 そう投げやりに言うと

 

 「 それなら二人で一緒に買いにいかないこと? 」

 

 そう言われて黙って頷き買い物にいくことにした

 

 

 「 なぁ、こういった場合ってなんかタブーとかってあるのか? 」

 

 邪気のないアタシの問い掛けに

 

 「 特なにか決まっているわけではないけど八重さんの場合だと料理が趣味だからと言ってスパイスセットを貰ってもあまり喜べないのではないかしら? 」

 

 そう言われて

 

 「 あぁ、確かに… 鷹の爪や胡椒は自分が食べる分以外は普通に使うから要らない訳じゃないけど… うん、確かに貰って微妙だよね 」

 


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