俺がTS属性の二重人格者であるのは間違いないんですけど? 作:春の雪舞い散る
気のせいかな?遠くから犬の哭き声が聞こえてきてアタシ達に近付いてきてるような…
雪乃の顔が青ざめ震えてる…
犬、苦手なのかな?雪乃…えっ?
お腹に軽い衝撃が走り驚いてその衝撃の元を見たら
「ミニチュアダックスフント?」
そう思ってたら飼い主らしき女の子の声がした
「す、すいません…リードを離しちゃって……え、八重ちゃんと雪乃ん?」
そう呟く結衣に
「気ぃ付けろよ?でなきゃどんな事故に遭うのか知れたもんじゃないからな」
犬の頭を撫でながらそう言うと
「あ、うん…二人で来てたんだ…あたしは何も聞いてないのに…」
そう呟く結衣に
「そりゃそうだろ?アタシは小町と来てたし雪乃は一人で結衣も今あった
ここにそんな事情を知らん彩加が来たらやっぱり
『奉仕部の三人って仲良いねっ♪』
ってゆーぞ?」
アタシにそう言われ苦笑いしながら
「確かに彩ちゃんの言いそうなことだし端から見たらそう見えるんだね…
ところで今は何してたの?」
そう聞かれたから
「少し前まで本屋で雪乃に参考書の相談してたんだよ、進路希望を国公立大学も視野に入れようかって迷ってるからな?」
雪乃にはまだそこまでは話してないけど結衣があまり突っ込んでこない話題だからそう振ってみたら案の定
「あははははっ、八重ちゃん…もうそんなことを考えてるんだ?早いね…」
なんて呑気な事を言うから
「早いヤツはそれこそ物心つく頃から考えてる…身近なとこじゃ隼人
アイツの希望は知らないけど周囲は弁護士か医者のどっちかを期待すんじゃないの?」
そうアタシが言うと
「あ~っ…うん、隼人君はずっと前から考えてたんだよね…」
そう話題がそれてホッとして
「そんな事を話しながら小腹が空いたな…あっ、カマクラのエサってあんま残ってないよな?
そんな事を思い出して買いに来てたわけ」
そう言って買ってきたばかりのキャットフードを見せ
「で、結衣はの方はどうしたの?」
そう話し掛けると
「あたしはサブレ…その子の名前なんだけどトリミングが終わる頃だからお迎えに来てたんたよ」
そんな事を話してる時だったなんとも形容しがたい気配とともに
「ふ~ん…貴女達が奉仕部の二人なんだ?」
そう知らない声がして
「ね、姉さん…」
そんな戸惑うような雪乃の声を聞いて顔をあげると雪乃によく似たセミロングの美少女?が居てその人の身体の一部を睨み付けてる
「あらあら、お姉さんて貴女になにかしちゃったのかしら?」
そう言われたけどその言葉はアタシの耳には届かない
仕方無い…そんな表情を浮かべた雪乃がアタシの耳元で
「そんなに睨んでも貴女のは大きくならないわよ?」
そう言われて溜め息を吐き
「あ~っ、悪い…持病が出たみたいだな?え~っと雪乃のお姉さんですね?その節は大変お世話になりまして感謝してます」
そう尋常に挨拶すると
「ちゃんとお礼が言えて偉いわね?そんな貴女にご褒美よっ♪」
そう言って棒着きキャンデーを一袋くれたから結衣と食べてる
そんなアタシの頭を撫でるその人に向かい雪乃は
「そんな事より今度はいったいなんの用なのかしら?」
そう苛立ち気味に言う雪乃に
「雪乃ちゃんがいつまでたっても八重ちゃんに会わせてくれないからに決まってるじゃないの?」
そう言われた雪乃が苛立ち紛れに叫ぼうとするのを
「雪乃、これでも舐めて落ち着いて…でなきゃ勝てる戦も勝てないよ?」
そう言ってにかっ、と笑うと
「口の中に物を入れて話をするのは行儀悪いって言ってるはずよ?」
そう言って溜め息を吐く雪乃