主人公:山崎日向「やまさきひなた」23歳。
ホワイトドルフィン安全監督室所属。役職は指令補佐。周りからは優秀な人材と思われているが、本人は運が良かったからとしか思っておらず謙遜している面が見られる。一人称は僕。
交友関係はそれなりだが、先輩後輩わけでなく顔は広い。同期との仲も良好。
実家は広島県の呉で両親が孤児院を開いており、岬明乃や知名もえかからは兄と妹のような関係。晴風の事件の時は表立って行動できなかったものの、真冬・真霜の協力に動き、当時RATsの感染拡大が広がった島にいなかったはずの潜水艦がなぜ晴風を攻撃したかを調査している。
誰かを守りたいという一心でホワイトドルフィンを志し、横須賀男子海洋高校へ入学。家族ぐるみで交流があったため、中学からは宗谷家に居候していた。明乃やもえかとは二人が引き取られてからも交流が続いており、明乃の海洋学校への入学試験対策をもえかと行っていたこともある。同級生の宗谷真冬ら、女子海洋学校のOGとの関係も良好。真霜が気になる存在。そして真霜の世話役。
入学時は航海課に所属し、1年次に伊411、二年次には大型直接教育潜水艦「緋色」の艦長を務め、首席で卒業後は学校在籍時の活動が認められ陸上勤務につきながら大学へ通い教員免許を獲得する。その後、とある事件がきっかけとなり安全監督室に籍を置いた。
趣味は家で料理を作ることなど家庭的な一面を見せるものの、横浜ブルースターズの熱狂的ファンで、非番の日はもちろん仕事の時も中継を見ているほど。
横須賀男子海洋高校初甲子園出場メンバーの一人で、歴代史上最高のユーティリティプレイヤーとして一時県内の野球ファンをにぎわせ、プロ入りが期待されていた。ポジションは投手から外野、のすべてをそつなくこなし、打撃も一発長打、小技と目標を絞りにくいため、いつしか「隠密歯車(アサルト・プレイヤー)」として恐れられたものの、甲子園決勝でサヨナラにつながるプレーをしてしまい野球からは離れる。
さて、設定ですがホワイトドルフィンは潜水艦を中心に配備されており、一部は艦艇も所有しており、主に沈没船などの除去や機雷の撤去を行っています。
さて、見切り発車になりましたが、どうぞよろしくお付き合いください。
教育艦武蔵を初めとした、ウィルス感染による大規模事件から早数ヶ月。東京湾に浮かぶ海上安全整備局の一室。事件は静かに収束の一途をたどっていた。・・・とりあえず、例のねずみに関しては全て回収。処分されたそうで、ウィルスに感染していた船も消毒が完了し、整備中らしい。
「・・・晴風、か。」
幼馴染の岬明乃と知名もえか。2人の年下の幼馴染が巻き込まれたこの事件は少なからず自分自身歯がゆい思いしかしなかった。ホワイトドルフィンとブルーマーメイド。同じ海に生き、海を守る者として。
しかし、僕たちに出動命令は出なかった。感染拡大の阻止、という名目だったが。それでも、見てるだけというのはやっぱり辛い。
「・・・もうこんな時間か。当直勤務だし、そろそろ戻るとしますかね。」
さて、女性が多くクローズアップされたこの世界。僕たちホワイトドルフィンも主に潜水艦への搭乗任務などを行っている。そんな僕は、そのホワイトドルフィンの安全監督室に所属している。名札には、安全監督室 山崎日向の文字が光る。ホワイトドルフィンに所属して早6年。青春時代は全部海。山に行った記憶なんて実家に帰ったときぐらい。そんなことを思い浮かべながら廊下を歩いて自室へ向かう途中に部下から報告が。
「先輩。監督室にお客さんです。ブルーマーメイドの・・・」
「うん、何もいわなくてもわかってる。ありがと。」
はぁ・・・あの人は本当に。来るなら一言声をかけろと何回言ったことか。確か100を超えてから数えてないんだよね。一日に一回は絶対いってたし。
そんなため息をつきながら自室へ向かうのだった。・・・せっかくだし何か買っていくか。お茶受けなかったし。
「・・・なんで僕はあいつのためにこんな買ってきたんだか。」
当直だったはずだが、何を勘違いしたか部下達に交代させられた。うん、これはないね。
「遅い!」
「真冬。いいことを教えてあげるよ。・・・頼むから一言連絡いれてよ!?」
部屋にはいるなり遅いとは。しかもブルーマーメイドの制服じゃないクロのマント・・・遅れてきたあの病気か?
「だってこっちだって忙しかったんだぜ?ほら、お茶!」
「客人のくせにさ。というか何のよう?」
宗谷真冬。高校の同級生にして代々ブルーマーメイドの家系に生まれた次女。今は・・・弁天の艦長か。
「まあ、RATsの一軒に関してはなんとかなってよかったよ。こっちも公に動けなかったからね。」
「お役所がうるさいしなぁ。それに今は色々世間の海上安全整備局への風向きも悪くなってるし。」
なるほど。少しは大人っぽくなってるみたいで安心。
「それで、今日来たのは?まさか雑談しにきたわけじゃないでしょ?」
コーヒーを一口すすりながらたずねる。雑談ならスマホを使えばいい話。わざわざ来たということは、おそらく何かしらの以来で間違いはないだろう。」
「・・・お前、今それなりに自由な状態なんだってな?」
「おかげさまでね。・・わかった。横須賀?」
「察しが良くて助かるよ。今被害にあった船は全て工廠で修復中。沈没した晴風のサルベージも済んでるが、生徒達にカリキュラムにかなり遅れが出てるんだ。んで、教員免許を持ってるお前に来て欲しくてな。」
「ふむ・・・」
なるほど。確かに僕にその連絡が来るはずだね。
「けど、ま・・・宗谷校長はなんて?」
「大歓迎だそうだ。なんなら家に住んでもいいってさ。」
「それはゴメン無理。」
「真霜姉さんか?」
・・・大正解。
「まぁとりあえず考えておいてくれ。俺もしばらくこっちだからさ。」
「はいはい。今日は泊まるんだよね?」
「おう!」
・・・本当に客人なんだよね?とため息をつきながら僕は書類に目を通すのだった。