ハイスクールフリート 希望への水平線へ   作:夢の防人

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今回は一話に二つの視点。日向・もえかと伊良子兄妹の二組のお話。


第10話 それぞれの思い

伊良子兄妹視点・・・

 

日向と別れた俺は、遅い昼食をとろうと学食へ歩いていた。男子海洋学校との違いが楽しみだ。向こうはノルマがあったから、元々小食だったのに無理やり食べさせられたのもいい思い出だ。

 

「お兄ちゃん。」

 

ふと後ろから声をかけられる。16年間聞きなれたその声に俺は・・・

 

「ディアマイしすt」飛びつこうとしたらおたまでフルスイングまるで現役のころの俺のようだ。さすが我が妹。

 

「そうじゃなくって!」「まぁ、そりゃそうだよな。おいで。」

 

今は使われていない空き教室に入り向かい合う。先に口を開いたのは美甘だった。

 

「どうしてあの4人が報告書なの?確かに最初はかみ合ってなかったけど、最後は・・・」

 

「終わりよければすべてよし、なんていうのは結果論だよ。俺の意見は全部たまたまうまくいったってことさ。」

 

まぁ、納得しろっていうのが難しい話だよな。彼女らにとっては死線をくぐってきた仲間なんだから。

 

「日向も本音は心苦しいだろうさ。あの事件のとき何回も同期を召集して会議開いてたのはあいつぐらいだし。それでも艦長と副艦長の降格は素直だった。・・・武蔵の艦長が転入したのは本当に偶然だったけど。」

 

「じゃあ、降格って・・・」

 

「岬艦長は副艦長へ。宗谷副艦長は航海長補佐へ。これは学校側の指示で俺たちは一切関与してないけど、岬艦長は今のままじゃだめだよ。少なくとも、自分から船を飛び出していく艦長は艦長じゃない。」

 

「・・・それはそうかもしれないけど、それでも私たちはこうやって・・・「生きてる。生きてるさ。運良く。」でも・・・」

 

「いいか美甘。俺も日向もあの4人に対してブルーマーメイドをあきらめろとは言ってない。けど、今のままじゃ救難活動の時とかどうする?無駄死にするだけになるんだ。気持ちはわからなくもないけど。これもひとつの課題さ。」

 

そういい残し俺は再び食堂へ向かうことに。・・・さて、日向は大丈夫だろうか。

 

 

日向視点・・・

 

「日向おにいちゃん・・・本当にいいの?」

 

後ろを歩くもえかからそんな言葉が漏れる。晴風への転入、ならびに艦長への就任をつい先ほど聞かされたもえかは、内心気が気でないだろう。幼いころからの親友の役割を奪い、そこに自分がついてしまったのだから。

 

「しょうがないよ。今回の件は僕は止めたんだけどね。・・・けど、明乃に関しては降格は同意だった。さすがに責任も感じてたしね。」

 

責任は少なからず感じていた。彼女らを海の世界に誘い込んだのは自分のようなものだったから。

 

「それに、晴風の命令違反のペナルティっていうのもあるみたいだしね。武蔵救出作戦は、本来時間を稼ぐための命令が先に出ていたのにも関わらず晴風が独断専行で行った・・・っていうのが僕らに降りてきた情報。実際の話は聞いてたけど、学生にすべてやられた挙句特救隊の出番すらなかったから、面子を守るためなんだろうけど。」

 

「・・・おにいちゃん。」ふと気を抜くともえかに抱きつかれた。誰もいない教室、ふと一緒に住んでいた時を思い出す。

 

「私もミケちゃんも、ずっとお兄ちゃんを目標にしてきた。ずっと後ろを歩いていたかったよ。けど、宗谷監察官が隣にいていつの間にか遠いところにいって。・・・これはチャンス?」

 

「チャンスって・・・」

 

「わかってるよ?ミケちゃんともさっき話した。・・・ただ、ショックは大きいみたい。」

 

「・・・ミケのこと頼むね。今の僕の立場じゃ、あまり私生活には関与できない。」

 

そういい残し次の用へ向かった。

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