ハイスクールフリート 希望への水平線へ   作:夢の防人

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第13話 一抹の不安

帰宅後、宗谷家へ帰った僕は風呂にゆっくり(途中真霜姉さんが乱入しそうになったことをのぞけば)浸かれた僕は自室でのんびりしていた。なんといっても明日は一日休暇。学校は林檎が何とかしてくれるらしい。大丈夫か。いや、大丈夫じゃないだろう。

 

「・・・あいつ厳しいところがあるくせにどこか抜けてるからなぁ・・・タケは・・・だめか。今北海道で教官やってるらしいし。」

 

人事権がないわけではないけれど、同期はそれぞれの場所で自分のなすべきことをしてる。もう何人かは除隊したけど。それぞれの輝く場所で働いて、何人かは結婚してる。

 

「はぁ・・・学生時代はカップル見つけるたびに別れろってつぶやいてたやつらとは本当に思えないや。」

 

だが、実は声がかけにくかったという理由でかなり校内で人気があったのを知ったのは、卒業間際だったという悲しい現実。

 

「日向ーいるかー?」

 

「いるよー」

 

「んじゃ失礼してっと。ほい、ビール。」

 

真冬がビールを手土産に部屋へ入ってきた。絶対これまた自分への贈り物なんだろうなぁ。自分の冷蔵庫で冷やせっての。

 

「それで?ただ暇をつぶしにきたのか。真霜姉さんから逃げてきたのか・・・」

 

「姉さんに決まってんだろー?ドック入りする前に不審船の追跡遣ってたんだけど、その報告書を船長室に忘れてきちまって。取りに行ってたんだよ。」

 

「うわっ、真霜姉さんせっかく上機嫌で帰ってきたのに、余計なことしたなー・・・」

 

「だろー?おかげで風呂入ってからお説教だよ。なぁ日向ー!報告書作成手伝ってくれよー!」

 

「その場にいなかったのにかけるわけないだろ!?」

 

そんなことが出来るとしたら今まで溜め込んでいた報告書を一気にかけるだろうね。

 

「それに溜め込んでた真冬が悪い。学生時代あれだけ付き合ったんだし、がんばって~」

 

「白状もの!」

 

真冬。世の中ではそれを負け犬の遠吠えっていうんだよ。そう真冬の背中に言い残した。

 

・・・真霜姉さんの部屋、行ってみようかな。そうだ。こんな時間だけどケーキもらってきたし二人で食べようかな。そう思いながら真霜姉さんの部屋の前へ。電気はまだついてる・・・けど返事がないから音楽でも聴いてるのかな?

 

「姉さん、入るよ?」

 

部屋に入ると寝間着姿で・・・なるほど。やっぱり音楽聴いてた。僕のこと気づいてない。・・・それはそれでなんかさみしい。

 

・・・ツンツン

 

「きゃっ!?」

 

きゃっ!きゃっだって!あんがいかわいいkいだいいだいいだいぃ!

 

「日向!それやめてって何回も言ってるでしょ!?」

 

「僕はちゃんとノックしたyいだい!めり込んでる!めりこんでる!」

 

ああ、意識が遠のく・・・ってケーキ!

 

「姉さん!ケーキつぶれる!」

 

ケーキを見せたらやめてくれました。どうやら僕より優先順位は高いそうで。

 

「ご、ごめん・・・」

 

「・・・」

 

さすがに少しムッとするよね。・・・はぁ。少し後悔。そりゃ、ケーキのほうが大切とか思われてるなら・・・

 

「・・・はぁ、まったく。」そんな言葉の後に抱きしめられる感覚と柑橘系のほのかな香り。

 

「ごめんねさい、日向。・・・少しからかいすぎちゃった。」

 

「別にすねてなんかないし。」

 

「・・・すねてるわよ。」そういってやさしく頭をなでる姉さん。・・・ほんと、姉さんはずるい人だ。

 

 

「大丈夫。私は日向の隣にいるから。」

 

その言葉に救われ。

 

「日向と。これから歩いていきたいから。」

 

その言葉に安心して。

 

「大好きだよ。日向。」

 

「・・・僕もだよ。真霜さん。」

 

その人の存在が狂おしいほどいとおしい。

 

「・・・日向。」その言葉の後、真霜さんはそっと瞳を閉じた。普段の現場では見せない、年相応の表情。

 

 

そんな彼女と僕の影が・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長く、重なった。

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