「ん・・・」おきてすぐ感じたのは、落ち着く香水のようなにおい。そして時計は・・・
「9・・・9時!?」
遅刻という目の前の現実を覆い隠してくれる。そんな現実。どうやら真霜姉さんはもういないらしい。なんていってる場合じゃない!は、早く制服!朝は・・・マックでいいや!
とりあえず制服に着替えて外に出ようとすると・・・
「あら?日向なにしてるの?」寝間着姿の真霜姉さん。・・・ん?姉さん!?
「姉さん時間!遅刻だよ!?」
「日向寝ぼけてるの?今日から休暇でしょう?林檎君から無理やりでも休めって言われてたじゃない。」
・・・あーっ、なんとなく思い出した。元々休暇どころか有給すらもここ数年一度もとっていないってばれて、林檎はじめ同期にかなり休めって連絡が一気に来たんだっけ。
「・・・思い出した。なーんだ、着替え損だよ。」
一息つくためにコーヒーを注いで向かいに座る。
「朝どうしようかな。姉さんは?」
「私もまだなの。作ろうとしたら真冬に止められちゃって。」真冬。ナイスプレー。
そう、真霜姉さんは・・・料理だけ壊滅的なのだ。少なくとも、一度取り調べのときカツ丼を作ってもらったけど・・・そのにおいだけで署内の人間の半分が倒れ、中身のカツもなぜかゼリー状になってる、そんな料理ともいえない生物兵器を作り出すのがこの人。ほかの家事はできるのに。
「じゃあ外で済まそうよ。今日買い物したいって言ってたし、どこかで済ませてからゆっくり買い物すればいいよ。」
「あら、そういえばそうだったっけ。なら・・・20分後玄関でいい?」頷くと一度部屋へ。スマホを見ると今日も30度近くまで上がるらしい。少し涼しい服装でいいかな。
さて、準備もできた。金も・・・うん、後で下ろしてこよう。そんなことを考えているとなんとまぁ、天使がいた。白いワンピースと小さなハンドバッグ。お嬢様のような服装。
「お待たせ姉さん。いこ?」
「ふふっ、久しぶりのデートしっかりエスコートしてね?」
エスコート、ね。苦手なんだよなぁ・・・学校で確かにマナーとか学んだけど寝てたし。
「さて、どこいく?」「いつものカフェ?」
いつもの・・・あそこってまず昼からしかやってなかった記憶。っていうか、まず放課後しかいってなかったから知らないだけかもしれないけど。
まぁ、とりあえず車を走らせてみた。考えるよりはとりあえず行動してみる。むしろ、やって後悔したほうがいいっていう人もいるぐらいだし。
とりあえず、この休暇は何事もなければいい。そう考えていた。