ハイスクールフリート 希望への水平線へ   作:夢の防人

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第6話 気づかれぬ思い

真霜さんの告白を無理やり断った僕は、宗谷家の庭でタバコをふかしていた。成人になったのと回りにあわせようと思って買ったはいいけれど、まったくつかってなかったもの。肺にいれるのは、まだ少しつらい。

 

「けほっ、けほっ。林檎のやつ、何が一番吸いやすいやつなのさ・・・」

 

煙をくゆらせ月を見上げる。そして思い出す。過去のこと。

 

過去の沈没事故での出来事。友人を失った。自分の弱さが憎たらしかった。

 

夏の甲子園の後の海洋実習中の事故。小型潜水艇の事故。共に甲子園で戦った、その数時間前までは馬鹿を言い合ったあいつの顔が頭に浮かぶ。

 

「お前がタバコ吸うなんてなぁ。ぐれたか?」

 

「別に20は過ぎてるし。吸うなら一本だけね。」

 

「吸ったら母さんがうるさいからパース。」

 

真冬がいつの間にかに縁側に座っていた。気配を感じなかった・・・いつから同期は忍者になったんだろう。というか酒臭い。

 

「明日仕事なのに飲んでるのかい・・・」

 

「明日から非番なんだよー!弁天が定期検査とやらでな。後有給たまりまくってるんだと。」

 

「あっ、そういえば僕もたまってるんだった。早く使わないと・・・またどやされる。」

 

そんなたわいのない話。高校入学時から変わらないこの関係。友人というより親友だ。僕にとっては。

 

「んで、真霜姉の告白を断ったのはどうしてだ?日向のことだ。断らないと思ってたが・・・」

 

・・・

 

「今は、まだ無理ってだけだよ。正直、自分の心の準備もまだなのにさ。」

 

「あのなぁ・・・姉さんの気が変わっちまったら台無しだぞ?」

 

「・・・そうなったら、旅にでも出ようかな。」

 

「しゃれにならんから本気でやめろ。」

 

・・・そんなたわいない?話をしていると時間も忘れる。時計を見れば既に3時。今日は学校に挨拶に行かないといけないのに、気がついたらかなり夜更かししてしまってたみたいだ。

 

「まぁ、悔いはすんなよ。姉さんはそう簡単にそんな心変わりはしないと思うが。」

 

「だといいけどね。女心は難しいっていうだろ。」

 

女性の扱いなんて学校で習わなかったしね。しょうがないね。

 

そういえば、買ったプレゼント・・・まだ渡してなかった。後でそっと置いておこう。かなり早いクリスマスプレゼントかな。

 

喜んでくれればいいけど、そうじゃなかったらまぁ・・・しょうがないか。

 

そういえば、もう少しでミケともえかの誕生日だっけ。入学祝も出来てなかったし、今度の夏休みにどこかに連れて行こうか。

 

なんてことを考えながら、タバコの火を消して部屋に戻った。

 

翌日、タバコが見つかり真雪さんに怒られたのは言うまでもない。

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