ハイスクールフリート 希望への水平線へ   作:夢の防人

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新用語・キャラクター

・伊良子林檎 晴風乗員、伊良子美甘の兄。重度のシスコンで、同期からつっこまれるのが日常。元特殊救難隊所属、現潜水母艦「湘南」艦長。野球部では2番でライトを守っていたが、抜群の選球眼と小技を生かしクリーンナップに確実にチャンスをつなげる巧打者。だが、自分の前にランナーがいなかったり、カウントが悪くなると圧倒的に打率が悪くなる。性格はシスコンということを除けばいたってどこにでもいる青年。手先が器用なのでプラモデルを作るのが趣味。夢は妹と二人で住むためのマイホームを買うこと。晴風クラスへの評価は正直高いというわけではなく、たまたまうまくいったと考えているが、それはとある事故が原因で?

・特救隊 ブルーマーメイド・ホワイトドルフィンの精鋭が選ばれる救助のエキスパート。全隊員からの憧れの的でだが、日々厳しい訓練をつむため候補になるにも狭き門をくぐらなければならない。


第7話 原点に立ち

「・・・帰ってきた。」

 

あれから少しの睡眠をとると、ホワイトドルフィンの制服に着替えた僕は横須賀女子海洋学校の正門前にいた。時間は7時。学生のほとんどが寮生活なこの学校では、朝練に向かう学生がちらほらいるだけで数は少ない。

 

「さて、校長室はどこかなっと・・・んっ?あの後姿・・・」

 

校長室に向かおうとする僕の目には、とある学生の下駄箱を覗いている見覚えのある背中。さて、今日はどうしようか。

 

そう考えてたらどうやら気づいてニコニコ顔で近づいてくる。そんな彼を僕は・・・

 

 

股間を思い切りけってやった。予想通り悶絶する彼。

 

「な、なにすんのさ!?」

 

「こっちのせりふだわ!朝っぱらからなにしてんだよ!?」

 

「美甘の上履きのにおいかいでた!」

 

「おまわりさーん!もう世紀末な変態が!」

 

信じられますか?こいつ、これでも同期なんですよ?

 

そんなコント(林檎は股間を押さえながら)をしながら校長室へ。

 

「それで?林檎はなんでいるのさ。船は?」

 

「全体検査で一年近く俺らは陸上勤務。んで、宗谷校長から今日来てくれって話仮な。」

 

僕ら二人に同時に・・・そんなことを考えていたら校長室の前に。ノックをすると仲からどうぞと声が。一声かけて部屋の中に。

 

「あら、二人とも。」

 

「真雪さん。お疲れ様です。」

 

「日向ったら、お母さんでいいのよ?」

 

「いまだに呼びなれなくて・・・」

 

実の家族はまだ元気にしてるけど、第二の実家である宗谷家にももはや実の息子として扱ってもらっていた。

 

「それで宗谷校長、僕ら二人を呼んだ理由とは?」

 

「ええ。二人とも、晴風の事件では裏でいろいろ動いてくれてありがとう。・・・あなたたちの同期の妹たちが乗務していた船ということで、古庄教官から二人を副教官として採用してほしいとの申し出があったの。・・・現役だからこそ、あなたたちの目で厳しく、一人前のブルーマーメイドに育ててほしいそうよ。」

 

「古庄先輩はまだ現場復帰は・・・」

 

「快方には向かっているけれど、実技はまだ無理そうよ。とにかく、二人ともよろしく。」

 

そういわれても・・・と思いながら部屋を後にする。林檎がニヤニヤしていたのはきっと妹に会えるからだろう。半年近く会っていなかったらしいし。

 

「とりあえず古庄先輩に会いに行こう。」

 

顔を見合わせとりあえず職員室へ。中に入ると先輩がなにやら書類を見ていた。

 

「先輩。」

 

一声声をかけると、にこりと笑い自分の両隣に手招きしてくれた。どうやら僕らの席らしい。

 

「二人とも、元気にしてたみたいね。」

 

「先輩こそ、体はもういいんですか?」

 

「まぁただでは転ばない古庄さんならだいj・・・いだだっ!」

 

「伊良子君?先輩への口の聞き方、忘れちゃった?」

 

真顔でアイアンクローを林檎へ決める先輩。怖い。

 

「そ、それで僕らは何をすれば?」露骨に話題をそらしてみる。変態とはいえ、友人の顔がつぶれるのは見たくない。

 

「そうね・・・知ってのとおり、トラブルはあったけれど実習の成績を出さないといけないんだけど、その・・・ね。騒ぎを解決した功労者ではあるんだけど・・・」

 

「つまりは理想と現実がまだ混在してる、と?」

 

先輩の頷きを見て二人で顔を見合わせる。巡洋艦にはそれぞれ外洋航海での様子を逐一観察するための装置がある。悪用するやつはいないだろうけど。それを聞かせてもらったとき、あの伊良子ですらもこう言い放った。奇跡でここまできた。と。まじめなときはすっかりまじめになるんだけどなぁ。けど、それは僕自身も思い続けたこと。それらはすべて・・・

 

「艦長、副艦長を中心に。ってことになるんですかね。二人とも僕が言うのか。」

 

「いやなら俺が変わるけどな。日向は甘いんだよ。」

 

「わかってるさ。わかってはいるけど。特にあの二人には現実を見てもらう必要があるしね。」

 

現実は、理想のようにうまくはいかない。明乃には、艦長としての自覚が足りないし、ましろは不幸をすべての責任にして。黒木さんも崇拝という言葉が似合うほど前半はましろに対しての忠誠心が大きいところがあった。

 

「後、武蔵の乗員をすべてのクラスに分けることにしたの。武蔵もかなりのダメージがあるから・・・。晴風には、彼女を。」

 

「・・・また、新しい問題かな。」

 

とりあえず、僕の教官生活は甘いものではなかったようだ。

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