それとも雷と同じで、周囲の空気が熱せられて瞬間的に膨張して衝撃波になってるのかな……でもそしたら撃つたんびにすごくうるさそうな。
最近、こんなくそめんどくさくてメタなことばっかり考えてる私。
試験勉強
S学園の第一アリーナ
開けた天井に、広大な空間、そこには三人の人間が対峙していた。
一人は、緑の髪の乙女。
「ええっと……IS学園教師、山田真耶です。搭乗機体は『R-リヴァイヴ』」
一人は武人然とした少女。
「堂々と名乗れるほど立派な名前はない……しいていうなら中華人民共和国代表候補生兼IS学園三年生、搭乗機体は『丙龍(ビンロン)』……いざ、参る」
最後は紅いISの女。
「……ゼロだ。機体は――」
――三人が名乗りを上げたところで、試合開始のブザーが鳴った。
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…………時は遡り、数ヶ月前。
「ゼロくんには、IS学園に行ってもらおうと思うんだ」
「あぁ」
「……ねぇ、IS学園がどういう場所か知ってるの?」
「知らん」
束は額に手を当ててうなだれた。
ゼロは基本、頼まれたことを断らない。断れない。というのが正しい。
彼がレジスタンスにいたときは、彼の任務はどれも組織の存続がかかっているものであったために、そう身についてしまっている。
「あのさぁ……そんなに簡単にほいほい安請合いしてると、体がいくつあっても足りないよ?」
「……そうだな。次から気をつける」
素直過ぎるゼロの返事に、言い知れぬ徒労感を感じた束はふぅ、とため息をつき、話題をIS学園に変える。
IS学園とは、一口に言えばISを学ぶための学校といえばよい。
だが、いかんせん、ISも学園も作られてまだ数年しか経っていない為、ISのことを詳しく教えられる人材などが不足していた。
「ぶっちゃけ、高校と一緒くたにする必要はないと思うんだけどね。日本政府は何がしたいのかわからないよ」
ISは宇宙工学、ロボット工学、機械・情報工学といった分野の技術がふんだんに使用されている。
本来、それらは大学で習う分野だ。
なぜなら上記の学問を理解するには、高校物理学・数学・化学・生物学等の理解が前提となる。
いくら、競争率激高の受験戦争を勝ち抜いたとはいえ、新入生の基本的な知識は中学生レベルだ。三年間で、一般的な高校のカリキュラムとISの仕組みや扱い方などを叩き込まねばならない。
……この場に一夏がいれば「それなんて無理ゲー?」とツッコミを入れていただろう。
だが、考えてみて欲しい。
真に絶望すべきは、生徒ではなく教師なのだ。
「やることが多いから、授業は駆け足になるし。高校だから、あんまり落第者は出せないんだ。ま、束さんには関係ないけど?」
束は、他人事のように言い放ち、ゼロも、他人事のように聞いていた。
「……で、オレはそこで何をすればいい?」
「ISで生徒を叩きのめすだけの簡単なお仕事だよ♪」
「……なるほど、襲撃すればいいのか」
ゼロの発言に、束が面食らう。
エックスはというと、驚きもそこそこに、束の驚いた顔に大爆笑をはじめ、事態は一気にカオスになった。
「ばかやろー!! そんなわけないでしょー!! 教師だよ、きょ・う・し!!」
立ち直った束が、ぷんすかと擬音でも出そうな雰囲気で訂正した。
『一般教養を学び、戦技を教える。だから、教師とは少し違うけどね』
「株式会社『世界名作劇場(World Masterpeace company)』のテストパイロット兼、IS学園戦闘講師っていうところに強引にねじ込んだんだ。給料は出るし、授業も受けられる、まぁ、席はないけど……あと、新商品を試したりもしてもらう。そろそろZシリーズの新作出す予定だし、宣伝もかねてるんだ」
これが、束の金策だった。
この計画の通りにことが運べば、
IS学園教師の収入+テストパイロットの収入+宣伝効果で会社の売上増
といった形で束に金銭が転がり込む。
「ゼロくんの修理代もそうだけど、箒ちゃんのためのIS作りたいから、そのための費用集めも兼ねてるんだよね~」
束の脳内では、
箒「ふえぇ~ん。私も専用機欲しいよぉ。お姉ちゃん」
↓
束「はっはっは。こんなこともあろうかと!!」
↓
即日配送(束付き)
↓
箒「キャー。お姉ちゃん素敵!! 抱いて!!」
という、鮮やか(?)な仲直り計画が始動していた。
そのために、お金がいる束であった。
「うぇひひひ……箒ちゃん。やさしくしてあげるねぇ……」
『というわけでゼロ、君には採用試験を受けるために、数ヵ月後にニホンに行く必要があるらしいよ』
妄想の世界に入って使い物にならなくなった束に代わってエックスが説明した。
「なら、その数ヶ月の間は何をすればいいんだ?」
ゼロの疑問はもっともだったが、エックスと束の二人にとっては愚問だった。
「『……勉強だよ』」
とりあえず、常識から学びなおそうか。と束が付け加えた。
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……結論から言おう。一般常識の勉強はすぐに終わった。
人間っぽく振舞う訓練も一応(・・)終了した。
ゼロはレプリロイド故、人間で言うところの『暗記』に相当するプロセスに時間がかからないからである。
「よし。じゃあ次はISについて学んでもらおうか」
「……? 『クロワール』は問題なく扱えているが?」
疑問のこもった視線で、束を見返すゼロ。
束は得意げになって、「ちっちっちっ」と指を振って返答する。
「甘いよゼロくん。あれ(クロワール)は君専用のISだ。問題なく扱えてくれなければこっちが困るんだよ。技術者としてね」
「……」
「私が言ってるのはさ。量産型のISにも問題なく乗れるように、ってことなんだ」
IS学園の授業では、教員も、量産型のISに乗ることがままある。むしろ専用機など持っているほうがおかしい。
「そこで……」
ジャジャーン!! とセルフで効果音を鳴らして、束の後ろにあったカーテンを取り払った。
そこには、駐機状態の一機のIS。
それは、日本の国産第二世代型IS『打鉄(うちがね)』に似ているが、ガード型本来の追加装甲はなく、全体的にスマートなフォルムをしていた。
「ちょっと古いけど、今はこれしか無かったんだよね。ちょっと乗ってみてよ」
「……あぁ」
第1.5世代型IS『玉鋼(たまはがね)』
当時の日本政府が威信をかけて開発した第一世代IS『鉄(くろがね)』から『打鉄(うちがね)』を製作するに当たって、データ収集のために作られたワンオフの量産型であった。
このISが役目を終えた際に、コア以外の外装が競売にかけられたのを、密かに束が回収して未登録コアを使ってこのISを作り上げた。
「量産型だから、自己学習プログラムはロックされてる。普通なら、適正Cあれば感覚で乗り回せるんだけど……どうかな?」
第一世代型ISのコンセプトは「とにかくISとして動くものを作ろう」というもので、武装などは少なく外付け式で、対する第二世代は、「豊富な『後付武装(イコライザ)』を使用し兵器として高い汎用性の実現する」であった。
その中間である1.5世代は、後付武装(イコライザ)は貧弱だが、各所に武器を装備できるハードポイントが儲けられていた。
「普通の動作は問題ないが、飛び方がわからん」
IS操縦における飛翔、というのはほぼ感覚に頼るしかない。だが、ゼロにはそれが難しかった。
クロワールの場合は、ジャンプすれば勝手に空中ジャンプしてくれるように、プログラムされていたからである。
「うーん、じゃあ発想を変えよう。飛んでる敵と戦ったことはあるよね。そいつらはどんな感じで飛んでた? そこを思い浮かべながら、ゼロくんも同じように飛ぼうとしてみて。そうすればあとはISが勝手に飛んでくれる。なんなら、ISの飛行訓練のデモンストレーションの映像でも見るかい?」
腐ってもIS開発者である束の的確なアドバイスにより、ゼロは一般IS操縦をマスターしていった。
・・
・・
・
そして、時は動き出す。
「……ゼロだ。機体は――『玉鋼』」
採用試験開始である。
じわ(今話):「書くの遅すぎないか? 作者よ」
作者:「誠に申し訳ない。リアルがちょっとね」
じわ(今話):「この小説がエタったと思われでもしたらどうするんだ。バカモン」
作者:(´・ω・`)o0(『エタる』ってどういう意味なんだろう……なんていまさら聞けない)
私の脳内では、じわちゃんは美少女キャラです(キリッ
……あぁ、引かないで!!
丙龍と玉鋼、鉄は作者のオリISです。
次回:束&エックス「ポロリもあるよ」
では、じわまで気長にお待ちください。