まだだいぶ先になりますが、オリIS(チートではない、ISV的な機体)が出るかもしれません。タグ追加しておきます。
――じゃあ、試合開始
束の言葉に、まず反応したのはゴーレムの方だった。
胴体に対して異様に長い手を動かし、ゼロに向けて構え、ビームを放つ。
「ゴーレム……か」
ゼロの紅い輪郭がぶれ、ゴーレムとの距離を一瞬にして詰める。
ビームはゼロの頭部を狙ったものだったが、ダッシュのために姿勢を低くしたゼロの頭上を通り過ぎるだけになった。
ゴーレムの懐にもぐりこんだゼロは愛用の光剣を構え、振るう。
――横薙ぎ、袈裟懸け、大上段
続く戦いの中で、あきれ返るほどに繰り返され、神速とも呼べる域に達した三段斬りがゴーレムの胴体を捉える。
が、その剣撃はゴーレムの表面のエネルギーシールドのようなものを貫通するにはいたらなかった。
実質スーパーアーマー状態といっても過言ではないゴーレムが反撃に出る。長大な腕部を使ってのダブルラリアットだ。
横への回避は意味を成さないため、ゼロはすぐさま背後へ跳躍、目の前に大質量の物が通り過ぎたための風圧を感じながら、彼は自分が目覚めてから最初の戦闘を思い出していた。
……あの時はゼットセイバーで一刀の元に切り伏せたが、今回はそううまくはいかないようだ。
かつてとの違いを再認識しながら、跳躍中に、これまた愛用の銃を構えて連続で発砲、最初の一発だけ、色と威力が少々異なる撃ち方をした。
ゴーレムはよっぽど自身の装甲に自信があるのか、腕でボクサーのガードのような格好を取り、すべての弾丸を受け止めてしまった、当然、ダメージはかけらも無い。
そして再びビームの発射体制に入り、今度はゼロの胴体の辺りの高さを広範囲に凪ぐようにビームを放った。
「……ッ!!」
ビームがくぐれない高さにあると認識したゼロは、ダッシュで接近しつつ跳躍し、ダッシュによって生じた横方向の運動エネルギーでゴーレムの頭上に位置どり、再び光剣を構える。
――ツイバンゲキ(墜盤撃)
ラクレツザン(落烈斬)とも、ラクサイガ(落砕牙)とも呼ばれた、ゼットセイバーを真下に向けて落下の勢いで突き刺す技を使い、ゴーレムに向かって落下した。
光剣がエネルギーシールドと拮抗し、ゼロは空中で一瞬動きを止めた。
ゴーレムがその隙を逃すはずも無く、頭上のゼロをなぎ払った。
だが、ゴーレムにはゼロを殴り飛ばしたであろう手ごたえを感じることは出来なかった。
「エネルギーシールドが尽きたか、攻撃が通るようになったな」
呟くような声が頭上から聞こえ、ゴーレムは自らの腕が斬り飛ばされたことを認識、もう片方の腕のビーム砲でゼロを狙い撃とうとした。
「……遅い」
ゼロが構えたのは剣でも銃でもなく、拳
今までエネルギーをチャージしていたゼロナックルがゴーレムの顔面を捉えて、殴り飛ばした。
―――バゴン!!
飛んでいった巨体が、束のいるであろう観測室のガラスに激突し、強化ガラスにヒビを入れる。
不気味に光っていたゴーレムの目の灯が消え、機能停止した。
『……さすが、伝説のエイユウは伊達じゃないね。第二ラウンドと行こうか』
機能停止を見計らったような束の皮肉を交えたアナウンス。
それと同時に、また、別の無人ISがせり上がってくる。
『ゴーレム』とは異なる、曲線を多用した女性的なフォルムの全身装甲(フル・スキン)の黒いボディに、一振りの刀を持っていた。
その武人然とした出で立ちに、ゼロは警戒を強める。
『なんかどっかのイカれたドイツ人が作った『VTシステム』積んだ名も無きISだよ。って言うのはちょっとかっこ悪いから名前付けようか……そうだね、
――頭が無い(無人の)戦乙女(ブリュンヒルデ)で『デュラハン』って言うのはどうかな』
「知らん」
「あははっ、そうだよね、君にとっては『VTシステム』も、ましてや『ドイツ』もわかんないんだもんね♪」
一蹴したゼロに、さもおかしそうに答える束。
「戦うに当たって、一つアドバイスしとこっか。あのISはブレード一本で世界を制した女性の動きを忠実にトレースするように作られてる。さっきと同じだと思うと痛い目を見るよ」
――じゃあ、試合開始
ゼロはバスターショットを撃ちつつダッシュで直進、対するデュラハンは上下左右にジグザグ機動と取って距離を詰める。
刹那、紅と黒が交錯する。
ゼロは、ダッシュの勢いのまま光剣を前に突き出す。
レップウゲキ(烈風撃)、センガトツ(旋牙突)またはブライトツ(武雷突)と呼ばれるゼットセイバーの中でも有数の攻撃力を持つEXスキルだったが、デュラハンは身をひねるように剣線から体をそらし、そのまま回転を加えてゼロの肩を切りつけた。
「……?」
ゼロは腕を切り飛ばされるぐらいには思っていたものの、訪れた衝撃はそれには全く足りなかった。
いぶかしげに思いながらも、デュラハンに向き直り、神速の三段を見舞う。
一、二段目は捌かれたものの、三段目はヒットし、シールドエネルギーを削った。
そこでゼロは武器をバスターショットに代え、連射しながら後退しようとして、できなかった。
――瞬時加速(イグニッション・ブースト)
多少の被弾をものともせずに突っ込んできたデュラハンにゼロは対応しきれず、腰溜めに構えられたブレードの一閃を喰らう。
とっさに腕で胴体を庇ったゼロだったが、やはり、剣閃はゼロの腕を切り飛ばすことは無く、アーマーに切れ込みを入れるに留まった。
わけが分からない現象に一層戸惑いを強めながら、後退は無理だ、と判断したゼロは、デュラハンの刀を返した振り下ろしをかわし、懐に飛び込んで腹部にゼロナックルを叩き込む。
ゴーレムの巨体を吹き飛ばしたほどの威力で、同じように吹っ飛ばされたデュラハンだったが、空中で体制を建て直し、再び瞬時加速(イグニッション・ブースト)でインファイトに持ち込もうとする。
対して、ゼロは一発の弾丸を放っただけであった。
デュラハンは、なんだそんなもんか、といわんばかりに弾丸を一閃、だが、デュラハンの動きはそこで停止した。
――タイムストッパー
バスターショットのEXスキルが発動、電磁フィールドが形成され、数秒の間、対象の動きが拘束される。
ゼロは動けないデュラハンにダッシュで迫り、
ブライトツ(武雷突)で胸を突いた。
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限りなく実戦に近い模擬戦を終え、ゼロと束はメンテナンスルームに戻ってきていた。
「いやぁ、見事見事、シールドエネルギーなんてどこ吹く風で二機とも撃破されちゃったね♪」
ゼロは切れ込みの入ったアーマーの修復とほかに異常が無いかの検査のため、メンテナンス用のベッドに寝かされていた。
「二機目の……デュラハンといったか? あいつの攻撃はなんだ。手加減しているように思えたんだが」
「それは、仕方ないことだよ。彼女の武器の性質上、ね」
その後束が語ったのは今のISの状況と、世界最強の女性の話だった。
曰く、ISは現在、本来の宇宙開発分野を離れ、もっぱら軍事用(アラスカ条約で禁止されているが)または競技用としてしか研究、開発がなされていないこと。
デュラハンはISの『競技』としての側面において世界一を決める戦い『モンド・グロッソ』で優勝し、『ブリュンヒルデ』と呼ばれた女性の動きをトレースした物であるということ。
彼女の武器の特性として、ゼロがてこずったエネルギーシールドを無効化した一撃を放つことが出来るということ。
「つまり、彼女(ブリュンヒルデ)は相手に怪我をさせないように手加減していて、そこも忠実にトレースされていた。ということか」
「一応『絶対防御』っていうセーフティがついてるから、殺されることは絶対に無いんだけど……頑固だよね、ちーちゃんも」
「……?」
最後のほうの呟くような声が聞き取れなかったゼロは首を傾げる。
「いや、こっちの話……それよりも、君にPKOとしてやってもらうことが決まったよ」
「何だ?」
―――ブリュンヒルデの、護衛♪
その声を最後に、ゼロの意識は唐突に断たれた。
こっちのツイバンゲキは多段ヒットする。という若干の仕様変更、
あと三段切りの構成は多分あってると思います。
飯屋乱舞の構成知ってる人がいたら教えてください!!切実に!!
(動画を数件見たのですが、いかんせんPCが悪いのかフレームレートが低すぎて判別できなかったので)
・デュラハン
束がドイツのVTシステム研究所をふるぼっこにしたときに拝借してきたISの無人改修機
その後軍事バランスの関係で、めんどくさいなぁと思いながらも代わりの一つ新品のコアがタバネからドイツに秘密裏に提供されたが、懲りずにVTシステムを搭載した『シュバルツェア・レーゲン』になる。