魔法少女リリカルなのは リンカーコアが無い者 作:運命の担い手
では、どうぞ。
「相変わらず良い所だな」
転送ポートを使って海鳴に戻ってきた。ここ、海鳴は海と山に囲まれて良い場所です。
「まあ、戻ってきたのは1年と半年過ぎか。よく見ると新しい店やリニューアルされた所もあるな」
そんなに長く離れていたわけではないが所々、見慣れない店がちらほら見える。
「時間は余裕を持ってくるようにしたから、時間にはまだまだだな」
腹はそんなに空いていないしな。来る前に食べてきたし。さて、どうしたら良いのやら。
「土産は持ってきてないし、何か買っていった方がいいな」
だとしたら、あそこしかないか。
「久々に行くかな。翠屋に」
少し胸を躍らせながら向かった。
「いらっしゃいませー!」
店内にはピークを過ぎているから人はそんなにいなかった。適当なところに座りメニューを見た。
「ご注文がお決まりですか?」
「えっと……シュークリームとオレンジジュースでお願いします」
「ご注文を確認いたします。シュークリームがお1つとオレンジジュースがお1つでよろしいでしょうか?」
「はい」
「では、少々お待ちください」
店員さんに注文して、店の中をよく見ると見知った人はいなかった。
「タイミングが悪かったかな」
この翠屋の店長、高町士郎さんやその奥さん、高町桃子さんの姿がいなかった。普段は店内にいるのだが今はいないようだ。ちなみに2人は見かけは大学生に見える。
あと、高町家の長男、高町恭弥さんと長女、高町美由紀さんの姿もなかった。恭弥さんには月村忍さんという彼女がいる。それに次女のなのはとは同級生でクラスメイトだった。なのはも見かけなかった。
「ご注文のです。ごゆっくりどうぞ」
考えていたら、シュークリームとオレンジジュースがきた。
「さっそく食べるか」
久しぶりだから楽しみだ。
「うん。このシュークリームはいつもおいしいな」
シュークリームはこの翠屋の看板のようなものだ。海鳴では知る人ぞ知る一品だ。
「あ、これを持って行けばいいか。喜ぶだろうな」
古菲さんもこれ好きだしな。何個買っていけばいいかな?
「まあそれは会計の時に考えるか」
今はこのシュークリームを堪能しよう。
「すいません。会計お願いします」
食べ終えて、店員さんを呼んで会計を済ました。
「あとすいません。土産でシュークリームを12個お願いします」
このくらいでいいかな?まあ、大丈夫だろう。
「ありがとうございました!」
翠屋を出たがまだ時間には1時間もあった。
「さてどうするかな?どこかでぶらつくか…」
どうしようかと考えていると少し先の歩道で大きいブレーキ音がした。
「おい!ガキ共を早く中に入れろ!」
「な、なんなのあなたたち!離しなさいよ!」
「いや、離して!?」
「いいから、乗れ!」
黒い車に女の子2人が強引に乗せられて連れ去られた。
……うん。状況を整理しよう。まず、周りを見て撮影かじゃないか確認しよう。カメラなんて何もない。周りの人はみんなポカーンとしている。うんこれは間違いなく誘拐されたで間違いないな。
「あれ?そういえば、あの声に聞き覚えがあるな。それに金髪に青紫の髪はまさかあいつらか」
あの2人は家デカいからな。それに結構お金持ちだしな。
「多分、士郎さんたちが対処すると思うけど目の前で友達を誘拐されたんだ。黙って見過ごすわけは出来ない」
すぐに後を追った。シュークリームを崩さないように。
「なんともここはベタな場所だな」
着いたのは港の廃倉庫だった。近くには黒い車が止めてあった。
「入り口には2人いるな。中には何人いるか分からないが入るしかないか」
他にも2台ほど黒いワゴン車があった。おそらく、中には少なくとも8人はいると考えられる。
「さて、まずは入り口の2人の無効化しますか」
音を立てずに忍び寄って近づいた。
「あー暇だな」
「まあそういうな。これが終わったら、俺たちは大金が手に入るんだぜ。がんばろうや」
「へへ。そうだな」
なんともこれはベタな会話だな。これもうやられフラグ立ったようなもんだぞ。もういい、はやくやるか。
「はあ~あ。まだかな「ドカ!」うっ!?」
「ん?どうした?…っ!?このガ「ふっ!」ぐっ!?」
1人を腹に思いっきりパンチをして気絶させ、もう1人は大声を出しそうになったので口を塞ぎ、またパンチをして気絶させた。
「悪いけど、縛っておくからな」
気絶させた男2人を車にあったロープで縛った。ついでに懐に銃があったので弾を取り外して、銃をそこら辺に捨てた。
「それじゃ、気付かれないように中に入るか」
入り口からではまずいので倉庫に穴が出来ていたところから入った。
「思った以上にうまくいきましたね、親分!」
「そうだな!まさかこんなにうまくいくとは思わなかったさ!」
中に入ると男の声がした。物陰に隠れて周りを見回す。
「数は14か……武器は銃が3、刃物が5か。これなら行ける」
全員が銃を所持していたら、やばかったが銃が3つなら大丈夫だな。しかし、刃物を持っているのが5人は少しばかり使い慣れたやつだな。ま、それでも優先的に叩いておけば問題はない。
「それよりもあいつらは……あそこか」
男たちよりも少し離れたところにいた。ロープで手足を縛られて、口にはガムテープが張られていた。よく見ると、眠っていた。おそらく、騒がせないために薬で眠らせられたんだろう。
「さて、さっさと終わらせるか。時間もそんなにないし」
古菲さんと打ち合う前に腕ならしと行きますか。
あ、シュークリームはここに置いてっと。
「はっ!」
「ぐは!」
「な、なんだ!?」
まず、刃物を持った男を1人気絶させた。
「黙って寝ていろ」
「ぐふ!」
「ぶは!」
続いて刃物を持った男2人を気絶させて、縮地で残りの刃物を持った男2人に近づき寸勁(すんけい)で気絶させた。これで残り9人。
「な、なにやっている!相手はたった一人のガキだ。さっさとやっちまえ!」
「「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」
親玉のような男の号令で一斉に襲ってきた。
「さーて。ぼうずはさっさと眠ってもらおうか」
「断る。そちらが眠ってもらおう」
1人の大男がパンチを放つが右手で叩き落とし、そこから左手で強力な突きを繰り出す―――八極拳 八大招式(はちだいしょうしき) 絶招通天砲(ぜっしょうつうてんほう)
「うほっ?」
盛大に飛び、周りの3人を巻き込んで気絶した。残り5人。
「おいおい嘘だろ?」
「組で一番デカいあいつを吹っ飛ばしやがった……!」
「あのガキなにもんなんだ……」
周りは唖然としているな。まあ、あんな単発、古菲さんには通用しないがこいつらには効くだろうな。
「銃を使え!そのガキを殺しても構わねぇ!」
親玉の一声で男たちは正気を取り戻して銃を持った男2人がこちらに放つが俺はすぐに動いて柱やタンクを盾にして弾を避けた。
「くっ!すばしっこい!」
「当たらねぇ!」
狙いが甘いんだよ。どうせ、そんなに使っていないんだろうな。
「しっ!」
「ぷはっ!」
「なっ!?ぐお!」
銃を持った男の1人を蹴り飛ばして、もう1人の銃を持った男を蹴った反動を利用して腹の溝に膝を食らわして沈んだ。残り3人。
「ちっくしょうが!」
男が1人殴りかかって来るがスッと避けて背中に蹴りをかまして壁にぶつかり、気絶した。
「ふふ…俺は他の奴とは違うぞ。俺は元剣道部、部長だったんだ。甘く見るなよ!」
いつの間にか男の1人だ木刀を構えていた。まったく、武器を持っている方が有利になると思ったんだろう。だが、全く問題ない。
「ぐべ!?」
木刀を拳で割り、そのまま腹に叩きこむからな。これで親玉を残して残り1。
「くそ!途中までうまくいっていたのに!」
「元々誘拐なんてするのが間違いなんだよ。地道に働けばいいのに」
「黙れ!」
親玉は銃を取り出し、こっちに向けた。
「これ以上近づくと撃つぞ!」
「撃てばいいさ。ほら、どうした?さっさと撃てばいいだろ」
「この、ガキが!」
引き金が引けば撃てるが……
「はっ!」
「なっ!?」
引く前に銃を蹴り飛ばせば撃てないだろ。
「なんなんだよ、お前は!」
親玉は後ずさりしながら言ってきた。
「なに、ただの中国拳法を使う小学生だよ」
右手に気を最大に溜め込んで腹にブチ当てる―――最大…桜花崩拳(おうかほうけん)!!!
「ぶへばら!」
思った以上に飛んで壁に当たり、気絶した。これで0っと。
「あ、思った以上に時間過ぎているな。それにそろそろ士郎さんたち来るだろうな」
ここを出る前にあいつらの所に行くか。
「さて、縄を外して、ガムテープを外すっと」
まだ眠っているがどこにもケガはないようだ。それにしても髪形変わってないな、アリサとすずかは。
「ん…あんたはだれ?」
「ここ…は?」
「起きたのか?いや、まだ寝ぼけているか」
アリサとすずかが起きたと思ったらよく見るとまだ目を完全に覚ましていないようだ。
「悪いな。今は急いでいるんだ。また今度な、ありさ、すずか」
時間がそんなにないのでシュークリームを持って廃倉庫から出て、待ち合わせの場所に行った。
アリサside
私とすずかは知らない男に捕まって誘拐された。誘拐されたときにハンカチで口と鼻をふさがれて眠らされた。前にもこんなことがあったのですぐに士郎さんたちが来ることを信じていた。
でも、助けられて目を覚まして話しを聞いていたら不思議な事を言われた。どうやら、士郎さんたちが助けに来たときは誘拐犯は全員気絶していたらしい。親玉に問い詰めて(脅して)聞いたら中国拳法を使う男の子やられたと言っていた。
中国拳法を使う人は古菲さんと引っ越したあいつしかいない。古菲さんは今日誰かと待ち合わせをしているので来なかったみたい。そうするとあいつしかいないんだけど、うーん……
「どうしたの、アリサちゃん?」
「あ、すずか」
今は鮫島が運転する車に乗っている。士郎さんたちは犯人を警察に引き渡すため残るので鮫島を呼んでくれた。
「なにか悩み?」
「違うわよ。けど、似たようなものかな」
「もしかして、私たちを助けてくれた人の事を考えていたの?」
「そうよ。古菲さんは来ていないし、結局誰か分からないし」
「ねえ、アリサちゃん。私ぼんやりだけど少し覚えているんだ」
「すずかも。実は私もよ」
ぼんやりだけど助けられた時の事を覚えている。
「私たちを助けてくれたのは暁君だよね?」
「多分そうね。けど、あいつは引っ越していないはずだけど……」
「こっそり海鳴に来ていたとか」
「こっそりって……」
「もしそうだったらお礼言いたかったな」
「私もよ」
結局誰かは分からなかったけど、私とすずかは暁だと信じていた。
この事が来年には暁だと分かることになる。
誤字脱字、感想などがありましたら、報告お願いします。
次回はついに古菲と再会だ。
では、お楽しみに。