将来自宅警備員に彼女ができる話 完結   作:sinnsia

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9話

窓から朝日が差し込んでいる。

すずめの鳴き声が聞こえるということは屋根にでもいるのだろうか。

 

英「ふぁぁ~…。 今何時だ…?」

 

携帯をつけると、『何時』よりも先に『何日』と表示されている部分に目が行った。

あの日寝たあとから3日たっている。

 

英「…何かの夢じゃないのか?」

 

ためしに頬をつねるが痛い。

 

ってことは…

 

英「やべぇっ!? いそいで作らねぇと!!」

 

まとめたメモを手に取り、パソコンの前に座る。

デスクトップの右端にある以前カナを作った時に利用したパーツ作成ソフトを開く。

 

最近開いた覚えが無いのにすぐ起動した。

不思議に思っていざ作ろうとすると、すでになんらかのファイルが作られていた。

 

英「…?」

 

ケ「マスター。 起きていただけたでしょうか?」

 

英「ケイ! どうしたんだ?」

 

ケ「カナ様が最後の力を振り絞って基礎となる部分を作って消えてしまいました」

 

どうやら眠っていた3日間の間にカナは体にバグが生じている状態で

俺自身が解いた暗号を理解し、治療用のデータを作ったのだ。

 

英「カナは消えたのか?」

 

ケ「おそらくごみ箱フォルダの中かと…」

 

マウスを走らせ、すぐにフォルダを開く。

するとそこにはもう手足が消失してところどころ壊れているカナの姿。

 

英「カナ!」

 

カ「英助…見られてしまいましたか…。」

 

英「…悪い。 終わったら治してやるからそれまで消えるんじゃないぞ!」

 

カ「分かりました。 約束しましょう」

 

フォルダをしまって、基礎データを基に作り始める。

 

くそっ…カナまであんな目にあわせるなんて…。

俺は人として本当に最下層だな…。

 

後悔と自責の念に駆られながらデータを作り上げる。

必要なパーツは一から作り上げ、それを組み立て、そしてそれをつなげる。

プラモデルのような工程だが天と地の差がある作業を黙々とこなす。

 

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あれから打ち込み続けること5日。

飲むことも食べることも寝ることもせず、ただただパソコンの前に座り続ける。

 

そして、完成の時が近づく。

 

英「……」

 

もはや喋ることも忘れ、目の前にある作業を終わらせることだけに専念する。

 

この5日でマウスの右と左クリックは押すたびにぎこちない音が鳴るし

キーボードもしっかり押さないと反応しなくなった。

 

パーツを選択し、最後の部分へ取り付ける。

 

英「…きた」

 

英「できたああああああああああああああ!!!!」

 

それは完成した。

一見普通のMP3。

ただその中身は脳を完璧に修復する音楽。

 

そう。

十年単位かかる作業を5日でやってのけたのだ。

 

英「あとはこれを携帯に…」

 

パソコンと携帯をつなげ、MP3を取り込む。

 

睡眠と栄養不足でふらつく足を無理矢理動かし、雛の家に向かう。

 

英「まってろ…絶対待ってろよ!!」

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