将来自宅警備員に彼女ができる話 完結   作:sinnsia

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11話

あー…寝ちまったのか…。

まだやることあるのになぁ…。

 

意識だけが夢の中に居た。

どうやら相当深く眠ってるらしい。

 

そういえばここって瀬良の声が聞こえたところだった気がするな。

でもどうしてまたここにいるんだろう。

瀬良は治したはず。

 

カ「英助」

 

ん?

なんだか聞き覚えのある…。

 

カ「英助、こっちです」

 

声のするほうへ振り返ると、ちょっと大き目のタブレットが落ちていた。

その画面の中にはカナ。

 

英「あれ? お前をまだ治してないはずだけど…」

 

カ「そうですね。 私も気がついたらこれでしたし」

 

ではどうしてだろう。

夢だから?

いや、それにしてははっきりしすぎている。

 

英「俺らって寝てるのか?」

 

カ「少なくとも私は崩壊寸前のはずですが…」

 

不思議に思っているとそのタブレットにメッセージが届いた。

 

犯人からだろう。

 

 

お前、賞賛に値するよ。

まさかこんなに早く解かれるとは…。

俺が見込んだだけあるよ。

 

そうそう。

お前にプレゼントをやろう。

ちょっと悲しいけど。

 

じゃ、ゆっくり休め

 

 

 

英「は?」

 

文面からして少なくともこの俺 鏑木 英助を知っている人物。

ただ俺の友達はそんなことをするやつはいないと思う。

訂正。

俺に友達はいないと思う。

 

誰だろう。

 

カ「…そろそろ英助は起きる時間ですね。 でも、起こすのは私ではないようです」

 

英「どういうことだ?」

 

カ「おきてからのお楽しみです」

 

 

カナに何かを問いかけようとしたが、いきなり意識が遠くなり、目を閉じてしまった。

 

 

英「はっ!?」

 

?「おお。起きたのか」

 

ん…??

なんだろう。

凄く暖かくて懐かしい声がする。

 

?「いきなり倒れたと聞いたから飛んできたんだぞ」

 

声の主を見ると、奥底に眠っていた思い出が蘇る。

 

英「父…さん?」

 

父「なんだ? 顔を忘れたのか? とは言っても10年は会ってなかったか」

 

確か物心ついたくらいに外国に行ってたんだっけか…?

でもなんで今になって…

 

英「…どうしているんだ?アンタは家を出て外国で生きるんじゃなかったのかよ」

 

父「そんな言い方は無いだろう。 息子が倒れたら心配なんだよ」

 

英「母さんのことは気にも留めてないのか…。 クソが」

 

俺が倒れたことで心配でも、母さんが苦労してることには何も心配しない。

とんだクソ親父である。

 

父「母さんが気にしなくて良いと言ったからそうしたんだ」

 

母さんはそういう性格だが、男としてそれを鵜呑みにするというのはいけないと思うのは俺だけなのか。

 

あれ…?

そういえば…

 

英「雛と瀬良はどうしたんだ? 俺は瀬良の病室にいたはずだが」

 

見知らぬ部屋だ。

病院という感じがしない。

強いて言うなら…よく事件の犯人が隠れてそうなコンクリート作りの部屋。

 

父「ちょっとはずしてもらってるんだ。 すこし理由があってね」

 

英「お前と話すことなんてねぇよ。 俺は犯人をさが…」

 

…。

 

犯人…?

 

ベッドから立って入り口のほうへ歩いていく途中、自分の言った言葉に疑問を感じる。

まさか…

 

今の自分が今までで一番怖い顔をしているという実感がある。

そしてその顔で自分の父である人のほうへ向く。

 

英「おい…」

 

椅子に座っている父の姿は悲しみがにじみ出ていて、どうあがいても人生が終わったような雰囲気を出している。

 

父「……」

 

英「おい…聞いてるのか…。 犯罪者」

 

その言葉が口から自然にこぼれる。

自分の周りで機械を弄れるようなやつは居ないはず。

ただ、自分自身が引き篭る前に聞いたことがある。

 

父は、世界一の技術力を持った偉大な人間だと。

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