英「だぁー! もう…調子はいいはずなのに…」
現在、カナの性格プログラムを作っている英助。
ただ、一番肝心なところで詰まっている。
英「どんな性格が良いとか…。 ここは王道でツンデレか…? いや、でもツンデレなメイドはちょっとなぁ…」
この独り言だけ聞けば単なる変態そのものである。
この変態らしさはやはりネットでいろいろ彷徨った成果なのだろう。
英「うーん…ヤンデレは勘弁だしな…。 そうだっ!!」
何かをひらめき、すぐさま作業へと取り掛かる。
ケイを作った時よりも本当に調子が良い。
すぐに必要なデータを考え上げ、その一つ一つのパーツを構成していく。
これを紙に書いて表せなんていったら紙が何枚会っても足りない。
あ、そういえばメール解読の時のA4用紙まだ残ってるな…
英「…よしっ。 これでカナらしさは残るし、性格もできる。 俺ってやっぱスゲェ!」
完成した性格のプログラムにはこう書いてあった。
『遠慮知らずなメイド』
と。
英「さってと、これで追加すれば完成か…。 今何時だ?」
壁に掛けてある時計を見ると、1日経っていた。
英「嘘っ!? そんなに時間すぎてないはず…」
カ「英助…? どうしたのです…?」
英「お、カナ。 やっと治った…か?」
振り返ると、確かに1日前は機械の部品がいたるところから見えていた身体は、その場に鉄製の部品がないのにも関わらず、綺麗に治っていた。
英「…どんな体の仕組みしてんだよ…」
カ「自分にもよくわからないです。 ただ、いえることは一つ」
英「ん?」
カ「私が今、こうして英助と同じ世界にいるのは、紛れもなく、貴方の父親様のおかげです」
カナから出てきた父親と言う言葉。
それは英助にとって今一番腹立たしい言葉だった。
英「あんなの父親でもなんでもねぇ。 犯罪者だ」
カ「確かにそうです。 でもあの人は、自分が出頭する前に私を少しだけ治したあと」
「口が悪くなったのは私のせいだが、あれでも私の自慢の息子なんだ。 守ってくれ。 と」
英助の中で何かが消えていった。
カナから綴られる犯罪者である父からの伝言。
それを聞いた英助は、怒り苦しむわけでもなく、喜びわめき叫ぶわけでもなかった。
ただ、英助の目からは涙が零れ落ちていた。
カ「これほど貴方を思っているのです。 せめて…せめて父親と呼んであげてください…」
英「…バカ親父が…っ。 自分が捕まるって言うのに…テメェの心配しないでどうすんだ…」
英助の脚から力が抜ける。
その場に崩れ落ちてしまう。
カ「英助…」
英「…それ以上言うな…カナ。 くそっ…父親らしいこと言い残して何がしたいんだよ…っ」
カ「父親…だからこそだと思いますよ」
英「そんなこと知ってるっつうの…っ。 そんなことしなくても良いのによ…」
今まで爆発しそうだった父親への怒りはもうない。
涙は依然止まらないが、また同時に自分が笑っているのが分かる。
英「っ…。 ははっ…俺はバカなのか…?」
カ「どうしようもない、御馬鹿様です」
英「露骨に言うかっ!? 普通!」
カ「貴方がこの性格を作ったのでしょう?」
「そうだったなっ!」