「…ぇ。 …ねぇ。 英助…」
誰かに呼ばれてる気がする…。
この声は…。
「英助っ。 晩御飯だよ!」
「いてっ」
頭を何か硬いもので軽く叩かれた。
「……夢?」
「どうしたの?」
確かにハッキリと見た。
あれは…子供の頃の自分?
「いや、15年くらい若い頃の夢を見た…」
「15年って…私が治してもらった位?」
「そうだな。 んで、今日のご飯は?」
「今日は英助の誕生日だから頑張ったんだよ? 見てからのお楽しみ!」
眠い目を擦りつつも階段を下りる。
ていうか本当に瞼と瞼がくっつきそう。
ドアを開けると、いいにおいがした。
それと同時に彼女からではない衝撃が腹部に突撃する。
「うごっ…」
「父さん! またねてたの?」
「悪い悪い。 仕事明けだし」
最愛の息子、悠一による体当たりをご飯前に喰らった。
今年で10だったか…。
「悠一。 父さんそこまで強くないんだから攻撃しないの!」
「はーい…」
「おい、瀬良。 今のは聞き捨てならんぞ」
一瞬沈黙する。
「今…瀬良って…」
「ん? …あれ?」
あれ??
いつもなら母さんと呼んだはずなのに…
やっぱり夢の影響か…?
「あぁ…悪い。 さっきみた夢のせいだわ。 そうだ、久しぶりにゲームしようぜ」
「ゲームするの? 混ぜて!」
「久しぶりにやろうか! その前に自信作のご飯食べてねー」
「「はーい(!)」」
ピンポーン。
「はい…って、雛?」
「遊びに来てあげたわ! 新しい格ゲーあるけど、やる?」
「…はははっ! オマエも前からかわらねーな!」
インターホンの向こうの雛は何を言ってるのか分かっていない様だった。
「ちょうどいいや。 オマエも飯食べてけ! んでゲームやるぞ!」
「お、それは嬉しい! じゃああがらせてもらうわ!」
居間に戻ると、料理たちが所狭しとテーブルの上に敷き詰められていた。
「おー…豪華だな」
「雛さんが来ることは想定してたからっ! なんせ誕生日だからねー」
「よくわかってるじゃない…」
「じゃあ、皆で食べるか!」
「「「「いただきまーす!!」」」」
美味い。
これまでの料理も凄く美味かったのだが今日のは格別に美味い気がする。
皆も箸が止まらないようだ…。
食後、皿を洗い終わり、そろそろゲームを始めようかと言う時に。
「そういえば15年前はニートみたいな生活してたのにえらい変わりようね…」
「そうだな」
「アンタそれでも一企業の社長なんでしょうね?」
「ソーデスヨー」
今、俺は新型ハードディスクを作り、今じゃ任○堂やSO○Yと並ぶほど売れている。
ただ、俺が会社に出ることは限りなく少なく、だいたい通話ソフトで会議をしている。
そのかわり、カナが社長室に座っているのだ。
「それよりもゲーオタだったオマエがゲーム開発してるのが異常じゃねぇか」
「ゲームが好きで何が悪いのよ!」
「しかもウチのハードディスクのソフト一番に作ったし…。 やっぱケイか?」
「そのとおり。 ケイがカナと話しているようね。 そっちの情報結構私にだけ漏れてるわ」
まったく…。
仲が良すぎるのはよくないな…。
まぁ悪用することはないだろうからいいか。
「でも瀬良さん…いや、鏑木さんこそ普通ね…普通の主婦って…」
「英助が凄すぎてやることがないんですよっ!」
「家事が出来る時点で人間性はオマエのほうが凄い」
と、3人で世間話のようなものをしていると、痺れを切らしたのか、悠一が飛び掛ってきた。
「皆ー! 早くゲームしようよ! しないとお父さんに攻撃する!」
「はいはい、じゃあ英助が死ぬ前に始めますか…」
「俺は子供の攻撃程度で死ぬ人ではな」
「えいっ」
「ごふっ」
台詞の途中で頭突きを喰らった。
っていうか案外痛い。
「こら! 手加減しなさい!」
「じゃあ早くゲーム!」
「いてて…。 じゃあ、やるか!」
「「「おー!!」」」
【将来自宅警備員に彼女が出来る話】
これで終わりになります。
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そして、今まで付き合ってくださった読者様。
本当にありがとうございました!