例えばこんな篠ノ之箒 作:々々
キャラ微崩壊注意です。
箒が教室に行くとまず最初に一夏とセシリアが話しているのが見えた。二人も箒が来たことに気付き手を降って手招きする。荷物を持ったまま一夏の先に歩いて行く。食堂で一度会っているので挨拶は無い。
「どうしたのだ二人とも?」
「セシリアの事も誘ったんだけど、箒も一緒に屋上で昼飯を食わないか?」
箒は眉をひそめる。そしてそれはセシリアが昨日言った事であり、鈴は二人きりのつもりで誘ったのではないかと考える。チラリとセシリアの方を見る。昨日会った時よりも安堵しているように見える。仕方ないとため息を吐く。
「ちょうど私もお弁当だから一緒に食べることにしよう」
「それじゃ、午前の実習が終わったら屋上に集合な」
セシリアと共に一夏の席を離れる。
「良かったなセシリア。一夏の朴念仁っぷりに感謝するのだな」
「嬉しいような、嬉しくないような……」
「それでも良かったではないか」
そう言いセシリアとも別れて自分の席につく。今日はいつもより遅れての登校だった為、朝のHRが始まるまで予習するにしても知り合いに声をかけ話をするにも時間が微妙であった。朝の鍛錬での疲れを少しでも取るために、一先ずは目を瞑ることにした。
「「「きゃぁぁあーーーーー!!!!!」」」
教室全体を揺らす程の黄色い歓声でビクリとし目を覚ます。教室の前真ん中に設置されている時計を見ると朝のHR時間を少し過ぎていた。そして何があってここまでの歓声が湧いたのか知る為に視線を下に下げると、金髪と銀髪の初めて見る二人がいた。
(転校生が来ただけでここまでの事になるか?)
目覚めたばかりであまりはっきりしない頭で考える。どちらも顔立ちが綺麗である、髪の艶が素晴らしい。銀髪の方は何かのスポーツをやっているような綺麗な筋肉のつき方をしている。
(違うだろうな。となると……)
そうして金髪の方、シャルルが一夏と同じ男子用の制服を着ている事に気がつく。しかしその姿に違和感しか感じなかった。服の上からでも分かる筋肉や骨格が男子のそれではなく女子のそれだった。
噂の男子操縦士としてIS学園にやって来ることに何かの狙いのある事は容易に想像できるが、箒の知っている限りそのような事に気づいていそうな人は三人いるので、そこまで危険は無いのでないかと結論付ける。
箒が一通り考え終わる頃、教室も落ち着き次に銀髪の彼女の番となった。
「ラウラ、自己紹介をしろ」
「はいッ教官。ラウラ・ボーティヴィッヒだ」
流れる雰囲気は一夏が自己紹介をした時と同じで、みんなが皆つぎの言葉が来るのを待っている。
「そ、それだけですか?」
「……」
真耶がラウラに尋ねるが答えは帰ってこなかった。何とも言えない雰囲気の中、この雰囲気を作り出したラウラ本人が動き始めた。
向かう先は一夏の席。当の本人は未だ自分と同じ境遇の人が現れたことに対する嬉しさから気付いていない。ラウラが声をかけると腑抜けた声の返答が帰ってきた。少し顔をしかめる。
「右手を出せ織斑一夏。きちんと握り締めてだ」
「お、おう」
状況がわからないまま、威圧的な態度のラウラに気圧され言われたまま右手を差し出す。それにラウラも握り締めた右手を出し、一夏の拳とぶつける。
「フフフ。これで貴様と私はライバルだ。怖じけて逃げるなよ」
既に教室内派ラウラの独壇場となってしまっている。誰もラウラの行動を止められる者は教室に居ない。それは千冬だって困難である。
やりたい事をやりきったラウラは不敵な笑みを浮かべ次のターゲットへと足を向ける。皆が自分のところに来ないように祈っている中ラウラが向かったのは箒だった。
「貴様が篠ノ之箒だな」
「そうだが。何のようだ?」
「そうか、やはり貴様か……」
腕を組み何かを思案している様子である。箒も箒でどうして私のところに来たのかを考えるが何一つとして、思い浮かばなかった。
「こいつが……のよ……になるのか。それだけの価値があるのか?」
最初の方は小さな声だったため一番近くにいる箒でさえ聞き取れなかった。
「それで、私になんのようなのだ?」
埒が明かない為箒の方から聞くと、待ってましてたとでも言わんばかりににやりと笑う。
「篠ノ之箒っ!私は貴様のことを
ビシッと人差し指を箒に向け不敵な笑みを漏らす。周りは呆然としている。そして極めつけに、ラウラが言い終わるとともにチャイムがなったのだ。
箒は思った。今日はここ最近でもっとも厄日なのではないかと。こうして箒の転校生二人にむけての印象は『男装系転校生』と『
「はぁ……朝から疲れた」
「しののん大変だったねー」
その日は午前中からISの実習がある為、朝のHRはラウラの決めポーズで終わった。現在、一夏とシャルルが教室から出て行ったため各々がISスーツに着替えている。と言っても殆どが制服の内側に既に着ているため制服を脱ぎ畳むだけである。箒も同様に制服を脱ぐだけであった。
「これからやっていけるのだろうか……」
「しののんよしよーし」
アリーナへと向かう中も箒は愚痴をこぼす。そんな箒を慰める為に少し駆け足で放棄の前に移動し、背伸びをして頭を撫でようとするが如何せん身長が足りなかった。箒はそれを微笑ましそうに見て、少しながら癒やされる。
「ありがとう本音」
「これくらい、私にかかればどうってことないのー」
このような光景を見て共に来ていた女子たちは皆二人の胸元に自然に目線をつけてしまう。
「やっぱりあの二人は凄いわね。本音はロリロリなのに胸とお尻のアンバランスさが味を出してるし、箒は言わずもがなね」
「二人を見てるといっぱい食べたほうがいいと思うけど、それが他のところについちゃいそうで……」
自分の胸を見てため息をつく。初めて全員でISスーツを着ての授業のため、ピチっと体に張り付き体のラインが見えるISスーツが目に毒な人も多いのだ。
「しののんってあんまりムキムキって感じじゃないんだね。あんなに早く竹刀振れるし、いつも練習してるからムキムキかと思ってたのに」
「ちょっと本音さんっ」
ぺたぺた放棄の体を触りながら言ったことに対して鷹月が少し声を大きくして注意する。
「だってー」
「剣を振るだけならそこまで筋肉はいらないらしい。私も最初の頃は筋トレもしなければならないのかと思っていたが、必要最低限なものは既にあるからいらないと言われた」
「なーるーほどー」
皆はそれでどうやってあれ程の破壊力が生まれるのか疑問には思ったものの、口に出すものまでは居なかった。
移動を終えアリーナに着くとセシリアと鈴が箒のことを呼んだ。きっと今日の朝のことだろうなと軽い予想を立て、ここまで一緒に来たクラスメートに一言断って二人の元へと行く。
「セシリアから聞いたわよ。朝から大変だったわね」
「すみません箒さん。鈴さんにどうしてもと言われまして。今日のお昼のこともありますし……」
「どうせその日限りの笑い話のような物だから気にしてはいないさ。それに、今だってそれとそんなに状況は変わらないからな」
「それってどういうこと?」
「入り口からこちらを見てるだろ?私が見たらバレるから確認することは出来ないが」
二人が言われたようにアリーナの入り口を見る。そこにはアリーナにやって来る一組二組の生徒や準備を終えた千冬と真耶が見うけられるが、肝心のラウラの姿ははなかった。
「居ませんわよ?」
「視線は感じるのだがな……」
「視線ってアンタね」
という所で間もなく授業が始まる時間となり、千冬が整列を指示する。その後、受業のベルと共にやって来た一夏とシャルルがやって来て一夏はいつものそしてシャルルは洗礼として出席簿チョップ(そこまで痛くない)を受けた。
事前説明が終わりいくつかのグループに分かれ、専用機持ちが指導をすることになる。案の定一夏とシャルルが人気がある。箒はいつも一緒にいる三人の中からあまり練習のした事ない鈴を選んだのだが、男子に集まり過ぎた為千冬が名簿順に並ぶよう言う。
箒が改めて入ったグループはなんのイタズラか、既に訓練用のISを持ってきて仁王立ちで立つラウラのグループだった。
「今日入ってきたばかりだが、貴様らに操縦の仕方を教えるラウラ・ボーティヴィッヒだ」
一通り言い終わって所属する人を確認する。ある一人、言わずもがなだが箒、を見つけてにやりと笑う。
「取り敢えず私から見て左から順に乗り込め。初心者の貴様らに優しく教えてやろう」
私は何かしたのだろか。箒は訳も分からず、取り敢えず流れに身を任せる。
ラウラは軍人ということもあり、適切にそして周りのグループに比べて速く指導をしていた。初めに操縦の基本を教え、慣れ終えたら歩行のみを使用した軽めの実戦を行う。そして迎えた箒の番。
「では次の者乗り込めっ!」
言われたように乗り込む。今まで数回乗り込んだ時と違和感はない。と言うよりもこの前よりも自分の体に馴染む。恐らく日々あの鍛錬との一戦が影響しているのだろう。
「これまでISに乗ったことはあるか?」
「片手で数えられる位には」
「そうか。……それならこれはかわせるな?」
ラウラのIS、
「なんのつもりだ?」
「ほう。今のを避けるではなく、防ぐとはやるな」
「何故だと聞いている!」
「ある程度動けるならこっちの方がいいだろ?私も少し動きたいし、他の者たちは実際の動きを見れて為になるだろ?」
一応理にはかなっている。しかしほんの少しも箒のことを考えている様子はない。軽く舌打ちをして、この状況をどうにか出来ないか考える。
訓練用のISの為プライベートチャンネルは無い。それぞれが広いアリーナの中で訓練してるから、こちらの様子に気づくものもいない。山田先生はは気付いていないが、どうやら千冬さんは気づいているようだ。気付いているなら楽しそうに見てないで、助けて欲しいところである。
「どうした?何も言わないのであれば、時間まで続けるぞっ!」
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一人の呼吸と鎖の擦れる音が静まり返った、薄暗い廊下に響く。そこにまた別の呼吸とコツコツと足音が加わる。その足あとは、とある牢屋の前で止まった。
「ようやく来やがったか。随分あたしを待たせやがったな?あぁん!?」
「どうも初めまして。名も知らぬ侵入者さん」
見た目など気にせずに切られた真っ赤な髪の間から鋭い眼光を見せる少女が、牢屋の前に立つ笑顔の青年に邪悪な笑いを浮かべながら話しかける。
「ここでアンタが出てくるってことは何だ?私の処分でも決まったのかい?」
「一応はそう言う事になりますかね」
男は飄々とした雰囲気を崩すことなく答える。
「んで。あたしはどうなる」
「私達の手伝いをしていただきます」
「手伝いだぁ?クハハハハッ!!!!このわたしにかい?」
壁に繋がれている鎖を腕に食い込むほど強く引っ張り精一杯男に近づく。
「狙いは何だ?」
「強いて言うなら戦力が欲しいだけです。貴女だってアソコに1つや2つ文句はあると思うのですが。如何でしょう」
「面白そうだから乗ってやる」
「それはありがたいですね。体の調整はもうすぐ終わるらしいので、それが終わり次第ここで一緒に働いてもらいます」
「それは聞いてねぇ。ここで働く?」
「言ってませんでしたし。本当なら本拠地であれこれして欲しいんですけど、どうやら貴女は戦闘しか出来なさそうですしコチラにいたほうが良いと思ったのですが。余計なお世話でしたか?」
「いいや。流石ウチの兄さんだ。あたしのことをよく分かっている」
カラカラと楽しげに少女は笑う。
「そうでしたそうでした。それに伴ってあなたの名前を聞きたいのですが、アソコではどの様に呼ばれてましたか?」
「Bだよ。B!」
「
「それはどっかの国が使ってたらしくてわたしにはBが当てられたんだよ」
ほう。男はなにか考え込むように見える。
「その国家とかは?」
「欧州のどこかだったか。遺伝子強化の実験の際に付けられたとか。ちょっと待ってな、今思い出す」
「ふむ。ではその間に牢屋を開けて、その鎖を外しますよ」
鍵束を使って彼女を拘束するものを外していく。自由になった彼女は、数週間ぶりの自由を確認し今まで通りに動ける事を再確認する。
「おっ!思い出した思い出したよ兄さん。たしかあれは」
体を動かしたおかげか、思い出すことに成功した。
「それはドイツだ」
取りあえずはこんな感じで2巻始まりました。
ちょこちょこ伏線を張りつつ進めていきたいと思います。
2巻は1巻ほど長くならないとは思います。だって原作だと箒ちゃんの出番少ないし、ましてや私は日常会話を書くのが下手ですから……。
沢山のお気に入り登録ありがとうございます。今後もよろしくお願いします。
次回
VTシステムちゃん「はわわ!もう出番ですか!?」
ラウラ「くっ!鎮まれっ!」
箒ちゃん「どうした?私はまだまだ戦えるぞ?」
おたのしみにっ!