例えばこんな篠ノ之箒   作:々々

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箒ちゃん可愛い可愛いする場面が無いので、今回文量少ないです。場面展開も多いです。






原作1巻 その参

「はぁはぁ。もう無理だー」

 

「今日はここまでにしよう。先ずは体力と筋力を付ける事を優先しなくてはな。しかしそれだとISを用いた練習が…」

 

 白夜との試合の翌日から一夏の扱きが始まった。

 

「何だかんだで体は覚えてる物なんだな。それに箒の教え方も上手かったしな」

 

「そう言ってもらえると助かる。私は感覚派だからな、どうしても擬音が多くなってしまうきらいがある」

 

「きちんと出来てたぜ?」

 

「父の物とは違うが、いずれ私も篠ノ之流を伝えねばならないからな。白夜の言葉を借りてみたのだ」

 

「白夜さんか。たしか箒の祖父から教わったんだよな。……あれ?それだとあの人一体何歳になるんだ?」

 

「たしか……、あれ?」

 

 思い出すと彼と会ってからその様な話題になった事は一度もなかった。

 

「もしかして箒も……」

 

「あぁ、私も知らない……」

 

 言いようの無い空気が漂っていた。

 

 

 

「轡木さん。今日の仕事は終わりました」

 

 このIS学園において最も男性がいる用務員室で、お茶を飲んで休憩していた轡木に報告する。

 

「分かりました。明日は私達も仕事が無いので、体の疲れを取ってください」

 

「私達と云っても、貴方は学園長としての仕事が有るのではないですか」

 

「なら、用務員の仕事は無い、と伝えておきましょうか」

 

「貴方の様な方がこの小さなIS学園に居る事が私にとっては不思議でなりませんが」

 

「それを言うなら雨宮さんの方が、ここに居る事自体不思議ですし。小さな島国に数年いつづけた事すら不思議ですよ。政府の者から、子供を育てるために滞在期間を延長したらしいじゃないでか。それを聞いた時は驚きましたよ」

 

「只の気まぐれですよ。少しばかりこの時代に飽きてしまった老人の戯れとでも思ってください。それでは先に帰らせてもらいますね」

 

 

 

 

 夕食を食べ終わった後、箒は鷹月にある事を相談していた。

 

「彼の年齢どころか、誕生日もしらない?何年も一緒だったのに?」

 

「その通りだ。我ながら不甲斐ない……」

 

「何かヒントになるものはないの?」

 

「小学五年生から今までの写真がある。それを見て何か分かればいいのだが」

 

 ベットの脇にある本棚からアルバムを取り出し、ベットの上に広げる。

 

「わぁ、篠ノ之さん可愛い!!でもちょっと不機嫌そう」

 

「白夜の家に行ってから数日後に撮った写真だ。まだ現状に慣れてなかったのだ」

 

 一番初めにあったのは家の前で二人並んだ写真だった。そして、次々とページを捲っていく。年度が変わると家の前での写真が必ずあり、徐々に箒の表情も柔らなくなっていた。その写真以外にも、運動会の写真や剣道の試合の写真、疲れて眠ってしまった箒の写真などがあった。

 

 一通り最後まで見終わって、初めのページに戻る。

 

「どうだ、何かヒントになるものはあったか?」

 

「ヒントって程じゃないけど、雨宮さんって外見何も変わってなくない?ほら、一番最初と最後で見た目も変わってないし、表情も笑顔で一緒だよ」

 

 最初のページと最後のページを往復する。

 

「確かに外見は何一つ変わってないな。しかし、表情は違っているぞ?」

 

「もしかして雨宮さんの笑顔を違いとか分かったりするの?」

 

「完璧にとは言えないがな。大抵の違いは分かっているつもりだが」

 

 鷹月はどうしてそれが分かるのに、誕生日も年齢知らないのかと思わずにはいられなかった。

 

 

 

 

 時間はあっという間に過ぎ、一夏とセシリアの対決の日となった。

 

「結局最後までISを使った練習はできなかったな。一度は装着して際の動きを練習したかったのだが」

 

「仕方ねえよ箒。既に予約で一杯になってたし、キャンセルすら出なかったんだからな。その分体の方はバッチリだからさ」

 

 IS学園の訓練機は予約制となっており、一週間前にいきなり借りようとしても借りる事が出来なかった。

 

「しかし一夏の専用機、来るのが遅くはないか?始まるまで残り少ないぞ」

 

「今山田先生と千冬姉が取りに行ってるらしいけど……」

 

「織斑くんっ!お待たせしました!!」

 

 息を切らして真耶がやって来た。真耶に連れたれたピットには、色の無いISが置いてあった。

 

「これが俺の専用機」

 

「名前は白式だ。時間が無い為細かい調整は戦いの中でやってもらう。出来るな?」

 

「が、がんばります!!」

 

 白式に体を預けるように座る。

 

「どうだ違和感はないか?」

 

「あぁ大丈夫だ。……けど、初めて触った時とは」

 

 小さく呟くが三人の耳には届いていなかった。

 

「一夏、がんばれよ」

 

「おう!行ってくる」

 

 

 

 

「今は一夏くんがセシリアさんと戦っている頃でしょうか。貴方方もこんな私に構っているより、初の男性操縦者を観に行ったほうが良かったでしょう。そうすればここまでされずに済みましたのに」

 

 IS学園の敷地ギリギリの所でごみ拾い用のトングを片手に白夜が、周辺に倒れている数人に言い放つ。

 

「たかが男性操縦者など、貴様に比べれば価値なの皆無だ。それ程の脅威を祖国にもたらしうる」

 

「私、そこまでの事しましたかね。昨日の一件で、ほとんどの国に私が存在する事がバレてしまいましたが、ここまで対応が早いとなると対処方法を考えなければなりませんね。このトングで脚を砕いただけでは生温いですから、貴方方にはここに来たら帰れないと祖国に教えなければならないという使命あると思うのですがどうでしょうか。ここで殺したところで、既に存在を消されている貴方方なのですから問題はないでしょう」

 

 最も近い者に近づき首に手を添える。相手はガタガタと震えている。

 

「なんて冗談ですよ。生徒会長が来るまでの時間つぶしですよ」

 

「あら?私からすれば本気の様に聞こえたのだけれど白夜さん?」

 

 『嘘はダメッ!』と書かれた扇子を持った女子生徒がやって来る。

 

「貴女が今の楯無ですか。まだ経験は足りないようですね。まぁ、ウチの箒ちゃんには負けますが」

 

「確かにあの娘は凄いわね。貴方に食いついているんですもの、私ですら数秒も持ちそうにないわ」

 

「それではこの人達を連れて行きますか。偶然仕事に使おうとしていた紐もありますし、拘束に関しては問題はないでしょう」

 

 学生が青春をしている最中に、大人達は暗躍していた。

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