人外'sの飲み会   作:憂鬱な者

4 / 5
【三杯目】朱音と望の出会い〜中編〜

彼女が去り、夜が明けた

 

「はぁ、服がボロボロの血塗れだぜ、こりゃ職質されそうだな

後で仕返ししてやらねぇと」

 

そう言い彼は帰っていった

 

 

 

 

 

その晩

 

「……」

 

彼は戻って来ていた

 

道路のど真ん中に仁王立ちをして、何かを待っている

 

服は綺麗なものに取り替え、コンディションは良好だ

 

彼のものか、そばの路地裏の側に大きいバッグが置かれている

 

そこに1人の少女がやって来た

 

長い黒髪に赤い瞳

 

暁 朱音だ

 

「ふふ、また来るなんてね…」

 

「おう、やられたらやり返すタチなんでな」

 

「今度は昨日みたいに行かないから!!」

 

そう言い、彼女は刀を腰に持って行き、構えた

 

「(居合か、牙突といい、あの太刀筋といい相当な腕だ)」

 

「こい!!」

 

「そうさせてもらうよぉ!!」

 

そう言うと彼は腰の後ろから何かを取り出した

 

「!!銃!?」

 

「刃でこいつを防げるかなぁ!?」

 

直後、彼は彼女目掛けて発砲した

 

しかし

 

「見切った!!」

 

彼女の刀が一閃した

 

「マジかよ…」

 

彼女の後ろの壁に2つの穴が出来ていた

 

「たかが銃

弾道とタイミングさえ見切れば防ぐことなど動作も無い!!」

 

「おいおい…

(こいつ、俺のS&WM500をベースに改造したマグナムを初見で見切り、メタルジャケット弾を綺麗に両断しやがった

ただ斬ったんじゃねぇ

斬った瞬間に刀身を動かして切り口をこじ開け

両断した弾丸の弾道を大きくズラしやがった!!

普通に斬ったら2つに分かれた弾丸が当たるが

切り口の角度を広げたことでそれを防ぎやがるなんて

どんな反応速度なら出来んだよ!!)」

 

「今度はこっちの番!!」

 

「ちっ!!」

 

彼女は一気に間合いを迫てきた

 

「シングルアクション連射!!」

 

彼は後ろに飛び退きながら五本指で撃鉄を起こしながら同時に発砲した

 

「甘い!!」

 

彼女はそれを全弾刀で弾いて避けた

 

「ちっ!!

ドラァ!!」

 

彼は防がれた直後、すぐさま彼女に向かってミドルキックを放った

 

「ふん!!」

 

彼女はすぐさま立ち止まり、刀を盾にした

 

「うっ!!」

 

彼はそれを察知し

紙一重のところで蹴りを止めた

 

「(こいつ!!

斬れることをわかってて刃を盾に!!)」

 

「もらったぁ!!

必殺!!兜割り!!」

 

彼女は体重をかけた一振りを彼の脳天目掛けて振った

 

「おぉぉぉぉぉ!!」

 

バンッッ!!

 

「な!?」

 

「白刃取り

俺はパワーだけじゃないんだよ!!」

 

そう言い放ち

彼は刀をぶん取り上げ

 

無防備になった彼女の腹を目掛けて膝蹴りを放った

 

「ぐっ!!」

 

彼女は腹筋に力を込め、何とかダメージを軽減させたが

10mもふっ飛んでいった

 

「危ねぇ危ねぇ、危うく頭をカチ割られるところだった」

 

彼はそう言いながら銃に弾を込める

 

 

「くっ…凄い力…

でも…私は不死身だ!!」

 

「うっ!!もう回復したのかよ!?」

 

「ははははは!!百鬼丸は不死にするだけじゃない!!

取り込んだ魂を消費することで回復を高めることも出来る!!」

 

そう言い、彼女は刀を手元に引き寄せた

 

「ちぃ!!」

 

彼はすかさず彼女に銃を向けた

 

「ははは!!銃は私には通用しない!!」

 

「それはどうかな」

 

「え?」

 

彼は冷静な顔つきになり、銃を彼女に向けて撃った

 

彼女はそれを刀で防いだ

 

筈だった

 

「な、なに…これ…?」

 

彼女の右腕が上腕部から千切れて宙を舞っていた

 

「ふぅ…

銃の弾種は1つじゃないぜ」

 

「な…に?」

 

「タングステンベリリウム合金

現在世界最高の強度を誇る合金

その刀に斬られた時にわかった

その刀は何でも斬れる魔法の刀じゃないってことを

確かに切れ味は凄まじいが

硬すぎるものは切れなかったな」

 

彼女は弾丸を斬ったつもりだった

 

しかし弾丸は切れずに弾かれ、彼女の腕に命中したのだ

 

「くっ…!!」

 

千切れた腕を押さえる

 

「治癒するとはいえ時間がかかる!!

そこに畳み掛ける!!」

 

「くそ!!」

 

彼女は落ちた腕から刀を取り、構えた

 

「うおらぁ!!」

 

「……」

 

彼は彼女の顔面目掛けてブローを放った

 

直後

 

「ニィ……」

 

「!?」

 

彼女は笑っていた

 

そして、気づくと彼の振りかぶった腕が切断されていた

 

「なっ!?」

 

同時に彼女は彼の後ろにいた

 

「(なんだ!?

速くてわからなかった!!)」

 

「ふふ…私に左手を使わせたものは初めてよ」

 

「おめぇ…まさか…」

 

「ふふ、そう♪私は左利き♪」

 

「参ったねこりゃ…」

 

彼女の右腕は既に戻っていた

 

彼も取れた腕をくっ付ける

 

「(おいおいマジかよ

利き腕じゃない腕であの腕前かよ…

それで左腕を使うか…

どれだけパワーアップするんだ!?)」

 

「貴方って…両利きでしょ?」

 

「!!」

 

彼女は刀を撫でながら彼に近づく

 

「(こいつ、俺の癖を見抜きやがった!?)」

 

「ふふ、当たりみたいね

私は剣術使い

観察力や洞察力には自信ありよ♪」

 

「そういうことか…

なら、こっちもそろそろ奥の手を使うか」

 

「奥の手?」

 

「あぁ、お前がとっても驚く奥の手だ」

 

そう言いながら彼は路地裏のそばに置いてある大きなバッグに歩み寄る

 

「まさか使うことになるとは思わなかったよ」

 

「……何それ?」

 

彼はバッグを開け、中から1つの袋に包まれた棒状のものを取り出した

 

「お前に対抗する手段」

 

彼はその袋を目の前で取った

 

「!!それって…」

 

中から現れたのは日本刀

 

彼女の刀と同じ大きさのものだ

 

「目には目を、歯には歯を

刀には刀だ!!」

 

彼は刀を素早く鞘から抜いた

 

「む…」

 

「 『特刀・鐘斬』

今朝、お前に対抗する為に作った特別な一品

さぁ、こっからは真剣勝負だ!!」

 

「面白い、やってみろぉ!!」

 

両者とも構える

 

「(この人…私の真似を?)」

 

彼は彼女と同じ構えを取っていた

 

「ふふ、猿真似を!!」

 

彼に斬りかかる

 

「ふん!!」

 

彼はそれを刀で弾いた

 

「!!(重い!?)」

 

「ふっ、斬られた時にその刀の質量は大体わかったぜ」

 

「なに!?」

 

「まぁ、そんなことしなくてもパワー自体なら圧倒出来るがな」

 

「くっ!!ほざけぇぇぇぇぇ!!」

 

「流水斬!!」

 

「ひっ!?」

 

彼女が彼に向かって思い切り刀を振った

 

しかし、その瞬間

 

彼女の両腕が彼女の体から離れた

 

「そ、その…技は…!!」

 

「ふっ、お前から盗んだものだ」

 

「そ、そんな馬鹿な…!!」

 

「俺の特技その1!!ラーニング!!」

 

「ひぃ!?」

 

彼は容赦無く両腕を失った彼女の両脚を大腿部から切断した

 

「悪いが俺は平等主義者だ

いくら可愛い娘でも手加減しないぜ、ごめんな」

 

「ふふ、わ、私は不死身…

これくらい直ぐに治せる!!

あ、あれ?」

 

彼女は治そうとするが、一向に治らない

 

「やれやれ、対策練っといてよかったぜ」

 

頭を掻きながら言う

 

「な、何をした!?」

 

「ん〜、まぁ

ちょいと呪術をね」

 

「何!?」

 

「俺の知り合いにやかましい寺の住職がいてよ

その爺にこの刀に御呪いっつってかけてもらったのよ

『蘇生妨害』の呪術を」

 

「そ、そんな…そんな馬鹿な!!」

 

「本当だよ

まぁ、念のために刀にグリースも塗っておいたんだが

呪術の方が役にたったか」

 

「く、くそぉ!!殺せ!!」

 

彼女は先を失った手足をばたつかせる

 

「はいはい、ごめんな」

 

「くっ…!!」

 

彼女は目を瞑り、歯を食いしばった

 

しかし

 

何時まで経っても何もされなかった

 

「あ…あれ…?」

 

「は〜、やっぱ駄目だわ」

 

「は?」

 

「こんな可愛い娘を殺しちまう何てよ

俺や〜めた」

 

「な、情は無用だ!!殺せ!!」

 

そう叫ぶところ、彼は彼女の額にデコピンを入れた

 

「って!!」

 

「バーカ

そんな命を粗末にするなよ

お前はまだまだ若いし、何不自由なく生きてるんだろ?

全然幸せだぜお前

俺らのような奴らは、勉強だの仕事だの面倒くさいことやって生きてんだ(まぁ、俺は別だが)

お前なんか美少女だし、不老不死でそれが何時までも続く

その様子じゃ学校も無いだろ

もうちっと、その羨ましい人生を桜花しろぉ」

 

「う…」

 

そう言うと彼は彼女の手足を拾う

 

「さてと」

 

「え?ちょ、ちょっと!!」

 

彼は彼女を抱え上げた

 

「治しにいくぞ」

 

「は!?」

 

彼は彼女を抱えて行く

 

「この呪術も作ったあの爺なら消せるだろ

そうすれば治せるだろ?」

 

「え!!で、でも!!

治ったらまた貴方を襲うわよ!?」

 

「襲いたきゃ襲え

俺は何時でもOKだ

やりたい時にやれ、俺は別に構わないからよ」

 

「え…わ…わかっ…た…」

 

彼女は少し頬を赤くして言った

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。