これはゾンビですか? ~いいえ、彼は問題児です 作:白ウサギ@FGO
第一話 俺の親戚がゾンビになりました
俺が転生して、大体十五年がたった。
転生したときは少し……いや、かなり驚いた。まさかの赤ん坊スタートだったからな。
ちなみに俺の親は二人ともいないぜ。まあ、金はあるがな。
それで今俺が住んでいるのが親戚の家だ。その親戚というのが、
「おーい神無、一緒にコンビニ行こうぜ」
こいつだ、相川歩。まあ悪いやつではないな。
「おう、今行く」
そう言って俺は歩と一緒に外に出た。
それで俺達はコンビニに着いた。その間は特に何もなかったな。
「おい、神無」
「あ?何だよ」
「見ろ、あそこ」
そう言って歩が指を指してる方を向く。
「……。なんかのコスプレか?」
「そうじゃない。あんなに可愛い子がいるって言ってるんだ!」
確かに歩が言うとおり、そいつは可愛いかった。
銀髪で鎧と籠手という格好で、整った顔立ちをしている。
「確かに可愛い。が、それがどうかしたのか?」
「あの子と話がしたい」
「へー、だったら行ってこいよ」
「待て!何かアドバイスとかないのか?」
「アドバイス?……そういやあ前に織戸が突飛な言動は、女を惹き付けるんだ。とか言ってたな」
「そうか……よし、行ってくる」
「おう、行ってこい」
さて、歩はあの子に何て言うんだ?
「すみません、もののけ姫を信じますか?」
おいおい、突飛すぎるだろう。女の子の方も顔背けてるし。
そして歩は突然走りだし、側転する。……あいつ、何やってんだ?
ぐきっ。
「ぎゃああああああっ!足首がああああっ!」
ほんと、何やってんだ?
「おい、大丈夫か?……大丈夫じゃなさそうだな。あんたも悪かったな」
ちらりと少女の方を見るとメモを持っていた。
『ううん 面白かった』
マジか。さっき顔を背けてたのは面白くて笑ってたからか。
『あなた達は何者?』
「ただの親切なお兄さんだ」
「いや、どう見ても怪しいバカだろ」
「うるさい。元はといえば神無があんなこと言ったのが悪いんだろ」
「いやいや、突飛すぎだろ。普通あんなこと言わないぞ」
「ぐっ」
その後俺達は、たわいのない話をした。
結局彼女は何もしゃべらなかったが、右手はとてもおしゃべりだった。
かなりの時間、話していた。
俺達は適当なところで話を切り上げ、家へ帰ることにする。
「じゃあ、またな」
「じゃあな」
『待って』
どうやら俺に何か用があるようだな。
歩には先に帰ってもらう。
「それで俺に何の用だ?」
『あなた 何者?』
「それはどういう意味だ?」
『あなたから魔力を感じる』
「魔力だと?」
もしかして神様が何かしたのか?
俺がそんなことを考えていると、
『来て』
「あ?どこにだ」
『来て』
そんなふうにもう一度同じ紙を見せてくる。
「……質問を変える。なぜだ?」
『あなたと一緒にいた人が 危ない』
「なに?」
彼女に言われ、ついてきた場所はとある家。
「窓に血がついてるな。こりゃ何かあったか?」
とりあえず、中に入るか。
「邪魔するぞ」
そう言って鍵の開いているドアを開ける。ドアを開けた先の廊下には、血を胸から流した歩が倒れていた。
「おいおい、マジかよ。洒落にならねえぞ……」
近くには髪の長いやつがいる。十中八九、こいつが犯人だな。
しばらくして、そいつは闇に溶けるように消えた。
『助ける方法ならある』
「ほんとか?その方法は?」
『彼を ゾンビにする』
まさかのゾンビ。ゾンビってあれだろ?腐ってて、人を襲うやつ。
だが、それしか方法がないのなら……
「分かった、それでいい。俺は何をすればいい?」
『人気のない場所に 彼をつれていって』
「任せろ」
そう言って俺は倒れている歩と、ついでに彼女を持ち上げる。
『私は 持ち上げなくていい』
「どうせなら早くついた方がいいだろ?それじゃあ、行くぜ」
そう言って俺は、二人に影響がでない程度のスピードで走る。
『すごく早い』
「もっと出せるぜ」
そんな会話をしていると、すぐに墓場についた。
「ここなら問題ないだろ」
『生き返らせるから 離れて』
彼女にそう言われ、離れる。
しばらくして、歩が起き上がった。
「成功したみたいだな」
「神無……俺は、生きてるのか?」
「いや、死んだぞ」
『彼の言うとおり あなたは死んでる』
「お前がやったのか?」
『そう 私が 死なないようにした』
「じゃあ、何か?俺はゾンビにでもなったってのか?ネクロマンサーかお前は」
歩にそう言われた少女はしっかりと頷いた。
「マジかよ……」
「まあしょうがねえよ。こういう不思議なことも世の中にはあるってことだ」
『たぶん 姿を見られたと思って また狙われるかもしれない』
「だったらどうするんだよ。命を狙われるなんて、俺は嫌だぞ」
『心配ない 私が一緒に居る』
ってことは……
「お前はこれから俺達と一緒にいるってことか?」
『そう でも私はお前じゃない 私の名前はユークリウッド・ヘルサイズ』
こうして俺達は、銀髪の少女。ユークリウッド・ヘルサイズと出会ったのだった。