これはゾンビですか? ~いいえ、彼は問題児です   作:白ウサギ@FGO

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第四話 VSセラ

 俺が味噌汁を渡して、ご飯を黙々と食べていると、

「って、お前誰だよ!」

 ずっと黙っていた歩が声を出す。

「なあ、あんた。歩もこう言ってるし、自己紹介してくれねえか?」

「わかりました。私の名はセラフィムです」

 セラフィムって天使の名前だったな。意味は、熾天使だったか?

「それだけ?好きなものとか特技とか、趣味とかあるじゃん。あ、あんたもしかして魔法使いか!あたしを爆破するつもりだな!」

 ハルナが言う魔法使いは、かなり物騒だな。

「好きなものは秘剣、燕返し。特技は秘剣、燕返し。趣味は秘剣、燕返しです」

「なんでここにいるんだ?」

「任務です」

「任務だと?」

「ええ。ユークリッド・ヘルサイズ殿に、お力をお借りしたい」

「ふーん。つまり、お前は吸血鬼ってことでいいか?」

「その通り。私は、吸血忍者です」

 どうやら違ったみたいだな。

 話を聞くと、人の生き血を吸うことで若さと力を手に入れた忍者らしい。

 山奥でひそかに暮らしていたのだが、頭領が死んでしまい跡継ぎ戦争が勃発。百年以上も続いているそうだ。

「ってことは、今までここに来てたやつらもそうなのか?」

「そうです。彼らはヘルサイズ殿の命を奪い、その類まれな力を我がものにしようと企んでいました。それは、私の目的を阻止することと同義です。私の任務は、ヘルサイズ殿へ同行を求めることと、その命を守ることにあります。誘拐しろという強硬な考え方を持つ者も確かにいますが、私達はヘルサイズ殿のお力に敬意を払っております。出来るだけ、ご本人の意思でお越し願いたい」

 ユーにどうするか聞こうと思い、ユーを見ると、

『神無 かまわない 追い返せ』

「だ、そうだ。交渉決裂だな」

「そうですか。ならあなた達を倒せばいいんですね?」

「へえ。俺を倒せると思ってるのか……」

「ええ。ただの人間に負けるほど弱くありません」

「それじゃあ、人気のない場所にでも行こうぜ」

「ええ、行きましょう」

 どうやらセラフィムもやる気みたいだな。

 こうして俺達は、人気のないところに向かった。

 ――人気のないところといえば、あそこだな。

 

 

 

 墓場は今日も静かだった。

 ハルナとクマッチが現れたときの穴は綺麗になくなっていた。

「一つ、聞いていいか?」

「何か?」

「吸血忍者は人を襲うのか?」

「もちろん。と言っても、殺したりはしません。少し血を分けて貰うだけです」

「それは強行派の連中もか?」

「絶対とは言い切れませんが、絶対にしません」

 どっちだよ。

「だが、今から俺を殺す気なんだろ?」

「目的のためでしたら、仕方がないでしょう?」

 セラフィムがそう言うと瞳が赤く染まり、全身を覆うようなマントが現れる。

 周りにはすごい数の葉が落ちている。

「いきます」

 セラフィムはそう言って、こちらに切りかかってくる。

 ――これは、燕返しか?

 俺はその攻撃をバックステップをして避ける。

 今のは危なかったな(棒)

「見事です。私の燕返しを二度もかわすとは」

「おほめに預かり、光栄だぜ。だが、そんな攻撃は当たらねえぞ」

「それなら!秘剣、燕返し。――八連!」

 おいおい、俺を殺す気か?危うく死ぬところだったぞ。

「これで終わりですね」

 倒したと思って油断してるな。まあ、教えないが。

 とりあえず、少し力をいれて殴る。

「なっ!」

 セラフィムは俺に殴られ、近くの木に激突して止まった。

「参りました。残念ながら、あなたを倒せないようです。私の秘剣秘技をもってしても。修練が足りませんね。奥義を出す気にもなりません。新しい技を考えないと」

 もう終わりか。久しぶりの戦いでテンション上がってたんだけどな。

「それでは、私は家に帰らせて頂きます」

 そう言って、セラフィムはその場を去っていった。

 ……俺も帰るか。

 

 家のなかに入ると、玄関に一足ほど余分に靴がおいてある。

 居間に入ると、何故かセラフィがいた。

『どういうこと?』

「それは俺が聞きたい」

 どうやらセラフィムは俺の下僕になるらしい。

「私のことはセラと呼んでください」

「ああ、わかった。よろしくな、セラ」

 こうして俺達の家に、また新しい住人が増えたのだった。

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