暗殺教室 with 黒羽零士《凍結》   作:grey

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まずはすいませんでした!前話の前半を書き忘れていました。まだ読んでいない方はこの話を読む前に読む方がいいと思います。
では本編スタート!



修学旅行の時間 四時間目

「あんな事言ったくせにやっぱり人質取られちゃ何も出来ないよな」

 

「チッ……、クソが。グハッ!」

 

「黒羽君!」

 

 零士の目線の先にはナイフを突きつけられ、怯えている倉橋がいる。

 

「おいおい、どうしたんだよさっきまでの威勢はよぉ。何とか言ったらどうだ?」

 

 不良は鉄パイプで殴ったり、蹴ったりして零士を痛みつける。

 

「もう止めて! 黒羽君…もう逃げてよ……。私は大丈夫だから…。私の為にそんな事される必要なんてないよ!」

 

「お嬢ちゃん、もうコイツはここに来ちまったんだよ。だから関係は十分にある。

 さて、どうしてやろうか…。このままお嬢ちゃんの目の前で殺してやろうか…。それともお嬢ちゃんをコイツの目の前で犯してやろうか…」

 

 倉橋はその言葉に再び怯える。

 

 ……俺は…何やってんだよ…。償いのつもりでカッコつけて来て、そんで倉橋のまえでボコられて…。ははっ、ダサ…。俺…勘違いしてたのか?自分のスキルを持ってすれば余程の奴でなきゃ負けるはずがないと思ってた。なのにこのザマかよ……。じゃあせめて……一言アイツに言わねぇとな…。

 

「なぁ倉橋、本当に悪かったな。俺…間違ってたな……」

 

 倉橋はその言葉を聞いて驚いた様な表情をした。

 

「……何でそんな事言うの? まるでこれで終わりみたいな事言って…。」

 

「……そりゃそうだろ。俺はお前を人質に取られてんだ。下手な事出来ねぇんだよ」

 

「じゃあ私の事なんてほっといてよ! 私は…誰かを犠牲に助けられても嬉しくない!」

 

「んだと? テメェ、命は大事にしろよ。それがねぇと「それは黒羽君も同じでしょ! それが嫌だったら…」」

 

 倉橋は一度そこで言葉を切った。そして再び口を開いた。

 

「『()()()()()()()()()」』

 

 この言葉……どこかで聞いた事がある…。どこで聞いたんだ?そうだ…アイツ(メアリ)だ……。アイツ(メアリ)が昔俺に言ったんだ。

 

 なぁんだ……やっと分かった。俺が…倉橋を見ててイライラした理由。アイツ(メアリ)に向かって引き金を引けなかった理由…。倉橋は…アイツ(メアリ)に似てるんだ。

 

「………やっと分かった。」

 

「あァ? テメェ、何呟いてやがる! でもまぁ、最後に話したいって気持ちは分からなくもねぇ。少しだけ話してもいい」

 

 どうやらこの不良はどこか甘いらしい…。

 

「なぁ倉橋。俺が…お前の事嫌いな理由、分かったよ」

 

「……どういう事?」

 

「お前を見てると…アイツ(メアリ)を思い出すんだ。死んだはずのアイツ(メアリ)そっくりなんだよお前。考え方とか話し方とか…。だから………見てるとイライラするんだよ! あの日……アイツ(メアリ)を救えなかった俺を思い出すんだよ! アイツ(メアリ)に守られるくらい俺は弱いって事を認識させられるんだよ!」

 

「黒羽君ってやっぱり優しいよ…。口ではあんな事言ってるのに…実際は全然違う事してるんだもん」

 

 うるせぇよ……。その表情で言うんじゃねぇよ。お前の事見れば見るほど…自分が情けなくなってくる…。

 

「なぁ、倉橋、教えてくれ。お前、俺が来た時、何で助けを求めた…。俺がボコられてる時、何で心配したんだよ」

 

 零士は暗い顔で尋ねる。倉橋はその問いに笑って答える。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()() ()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

『だって…レイ君優しいから。レイ君は……私を助けてくれたんだもん! そんな人を信用出来ない訳がないよ!』

 

 倉橋の言葉を聞いて、零士の頭に1人の少女の言葉が蘇る。

 

 …そのセリフまでほとんど同じかよ。本当に腹立つ…。二度も…同じ目にあってたまるかよ!

 

「倉橋…今から2つ選択肢をやる。どれか選べ。

 

 1つ目 自分を人質にとった憎らしい殺し屋の最後を見る。

 

 2つ目 この憎らしい殺し屋に仕方なく助けを求める。

 

 少なくとも…お前を助けないっていう選択肢はねぇ。さぁ、どうする?」

 

 零士は倉橋が話す言葉を一語一句聞き逃さないように耳を傾ける。そして倉橋も…自分の答えを一語一句正確に伝え様と口を開く。

 

「私は………どっちも選ばない。

 

 私は……………

 

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 零士はその言葉を聞いてニヤリと笑う。そして手を使わずに立ち上がる。

 

「りょーかい!」

 

「あァ? テメェ、こっちには人質がいるんだ! 下手な事したらどうなるk「殺れよ…。殺れるもんなら殺ってみろよ! ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()」…んだと!」

 

 零士はまるで目の前にいる不良以外にも言う様に叫ぶ。

 

「お前は人質を取ってる。って事は…殺されても構わねぇって事だよなぁ!」

 

 零士はありったけの殺気を自分と倉橋の周りの不良にぶつける。

 

「ヒィィィィ! 何なんだよテメェ! ガハッ!」

 

 零士は縮地術で倉橋にナイフを突きつけていた不良に近づき、腹を一発殴る。そして落ちたナイフを手に取り不良の首に突きつける。

 

「人質ってのはこうやんだよ」

 

「中坊が…調子に乗るなよ!」

 

「そうか……じゃあ殺っていいんだな…」

 

 零士はナイフを更に近づける。

 

「ヒィ! や、止めろ!」

 

「お前はこれと同じ事を倉橋にやったんだ。だったら…覚悟はあるだろ!」

 

 零士はナイフを首に当て、不良の首からは数滴の血が流れた。そしてその不良は気絶した。

 

「お、お前、殺したのか?」

 

 もうこの不良達に戦意はなくなった。後は…俺が少し脅すだけで十分だ!

 

「安心しろよ。お前らも直ぐ、後を追わせてやるよ!」

 

 零士から放たれた殺気により周りを囲んでいたはずの不良は泡を吹いて倒れた。

 

「く、黒羽君……もしかして…殺しちゃったの?」

 

 少し怯えた様子で倉橋は聞く。

 

 ヤベェな…少し怖がらせたか……。

 

「安心しろよ。倉橋が助けを求めたのは…殺し屋“ゼロ”じゃなくてらクラスメートの“黒羽零士”だろ。プライベートじゃ殺しはしねぇ。気絶してるだけだよ」

 

 零士は1人のクラスメートの顔になって話す。

 

「……倉橋、無事でよかったよ。怪我、どこもしてないか?」

 

「…うん。ありがと、黒羽君。

 …………うわぁぁん! 怖かったよぉ、黒羽君! 助けてくれてありがとぉ!」

 

 倉橋は緊張の糸が切れたかの様に泣き始め、零士はそんな倉橋黙って抱きしめる。

 

 いや、正しくは抱きしめようとした。そして抱きしめなかった。

 

 なぜなら…外から声が聞こえたからだ。

 

「倉橋! 大丈夫か!」

 

「陽菜ちゃん!」

 

 間も無く1班のみんなと烏間先生がやって来た。

 

「! よ、よう、お前ら…。あ、そうだ! ほらっ、前原、倉橋が泣いてるからさ、側にいてやってくれよ。俺はもう行くから」

 

 零士は自分にしがみついて泣いている倉橋を前原の方にやろうとするが倉橋は離れようとしない。

 

「バーカ。お前が助けたんだから、責任もてよ。それと、ありがとな」

 

「うん、本当にありがとう、黒羽君。おかげで陽菜ちゃんが無事だったよ」

 

「黒羽、ありがとな、本当に」

 

 そんな感じで6人が次々にお礼を言う。

 

「や、やめろよ、気持ち悪りぃ。()()()()()()()()()()()()

 

「照れてるね、黒羽。そういう所あるなんて結構可愛い所あるじゃん!」

 

「! うっせぇ岡野! 照れてねぇよ!」

 

「照れんなよ、黒羽」

 

 岡野の続き、前原も茶化す。

 

「本当にありがと、零士君!」

 

 倉橋が少し赤くなった目で、しかも上目遣いでお礼を言う。

 

 ヤバい……可愛い、理性飛びそう…。ってそうじゃなくて!

 

「お、おう…///。何ともなくて本当によかった…///」

 

 

 その後、警察がやって来たが烏間先生のおかげで俺らには何の影響もなかった。防衛省の権力ハンパねぇ…。

 

「なぁ、黒羽。やっぱり俺らってお前にとっては邪魔か?」

 

 磯貝が少し聞き辛そうに聞く。

 

「…どうだろうな。少なくとも…足手まといになる事は否定出来ない。「そうか…」でも…邪魔じゃねぇ。お前らは……信用出来る。まぁ、お前らは出来ないかも「出来るよ! 零士君、優しいもん!」お、おう。サンキュー、倉橋」

 

 あれ?倉橋…今…俺の事…。ていうかさっきも…。

 

「倉橋…お前今…俺の事…。」

 

「えっと…ダメ? 下の名前で呼んじゃ?」

 

 頼むから…その上目遣いやめてくれ…。

 

「だっ……ダメじゃ…ねぇ…けど……//。」

 

「よかったぁ! じゃあこれからもよろしくね、零士君!」

 

 そして倉橋に続いて1班のメンバーは男女問わず俺の事を下の名前で呼んだ。

 

 

 そして烏間先生が戻って来た。

 

「そうだ、零士君。もし、協力出来るのなら…防衛省は再び君に暗殺の依頼をしたい。どうだ?引き受けてくれるか?」

 

 倉橋達はみんな、零士の事を見る。

 

 そんなの…決まってる。

 

「すいません。その依頼…引き受けられません」

 

 俺は断った。その回答にみんな驚いている。

 

「そうか…では「でも…暗殺は続けます。だって俺は…E組だから」……そうだったな」

 

 烏間先生は“フッ”と笑う。

 

「零士! お前…カッコつけ過ぎだろ!」

 

「うっせぇ陽斗! 悪いかよ! これが俺だよ!」

 

「別に良いじゃん。本校舎の頃からどこかナルシストっぽかったし」

 

「えっ…そうなの? 俺って本校舎の頃からこんな感じあったの? いやそんな事はねぇと思うんだけど。なぁ、ひなた、そうだよな」

 

「言われてみればそんな感じあったよ」

 

「確かに~」

 

「言われてみればね」

 

「お前らまで……」

 

 そんな感じで1班のみんなと下の名前で呼び合う仲になった俺はコイツらと“さびれや旅館”(本当に何でこんな名前つけたんだよ…)に帰った。

 

 

「倉橋さん! 皆さん! よく無事で!」

 

 殺せんせーが零士達1斑を見つけて大声で呼ぶ。おそらくかなり心配してたんだろう。

 

「殺せんせー! ただいま~!」

 

「おかえりなさい。じゃなくて大丈夫でしたか?」

 

「うん! だって、零士君が助けてくれたから!」

 

 その事を知らない他のみんなはその事に驚いた表情をする。それもそのはずだ。だって一昨日倉橋を人質にとったのは零士なのだから。

 

「黒羽が助けたのか?」

 

「そうだよ、岡島。俺も倉橋も誰も嘘は吐いていない。まぁ、零士は恥ずかしがって自分じゃ言わないけど」

 

 うっせぇ悠馬! そういう事言うなよ。

 

「えっと……みんな。ちょっと聞いてくれ。その…あの…一昨日はゴメン! お前らの事バカにしたり、あんな態度とったりして…。本当に悪かった! 許してくれなくてもいい。だけど……よければ…俺もお前らと一緒に殺せんせーを暗殺させてくれ!」

 

 零士はしっかりと頭を下げ、誠意を込めて謝る。

 

「へぇ~、そんな簡単に謝っちゃうんだぁ~。有名な殺し屋って聞いてたけど大した事ないんだね、零士って」

 

「カルマ君……」

 

 渚もカルマの明らかなその態度に苦笑いをする。

 

 ウゼェ!

 

「あんなにプライド高そうなのにね。あ、そうだ! 許して欲しかったらさ、今から土下座しながら京都一周して来てよw」

 

 ウゼェ! とにかくウゼェ!

 

「あァ? カルマ、テメェ! 調子のんじゃねぇぞ! こっちが下手に出た途端によぉ!」

 

 思わず零士は本性を表してしまった。

 

「零士、無理して謝らなくていいんじゃないの? 実際に1班、特に一番の被害者の倉橋さんは許すを通り越して懐いているみたいだし。お前は俺らと一緒に暗殺するんだろ。遠慮なんてせずに殺す気で殺ろうよ」

 

 カルマはこうなる事を図っていたようだ。そしてそれを引き金に他のみんなも言い出す。

 

「そうだぜ、零士!」

 

「そんな堅苦しいのは無しな!」

 

「でも色々教えてよ!」

 

「ね、言ったでしょ、零士君。みんな受け入れてくれるって」

 

「俺の考え過ぎだったか…。ありがと、陽菜乃」

 

「えへへ」

 

 そんな2人の様子をイチャイチャしている様に見えたのか男子の多くが零士に向かっていく。

 

「おい、零士! テメェ羨ましいぞ!」

「お前いつからそんな関係に!」

「爆ぜろリア充!」

 

「あぁ、もう! 何なんだよ!意味分かんねぇ!」

 

 

「(今日、僕達の教室に本当の意味で仲間が加わった。名前は黒羽零士。プライドが高くて、ちょっとだけ不器用だけど根はとても優しいプロの暗殺者。これから先、彼と一緒なら殺せんせーを殺せるかもしれない)」

 

「なんか修学旅行編完結した感じあるけど後一話あるよ。いい感じにまとめた所ゴメンね、渚君」

 

「メタいよ不破さん! 今言わなくていいじゃん!」




いかかがでしたか?ようやく零士が本当の意味でE組の仲間入りをしました。これからは殺し屋“ゼロ”としてではなく中学生“黒羽零士”として暗殺をします。とはいえ殺し屋“ゼロ”として活躍する場面も数多くあると思いますので楽しみにしててください。

零士「という訳だ!これからもよろしく!感想とかお気に入り登録とかしてくれた読者の方ありがとな!」
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