暗殺教室 with 黒羽零士《凍結》   作:grey

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まさか…前原の回を2つに分ける事になるなんて……。それ程重要でもないと思ってたのに…。

前原「どういう意味だΣ!」

おっ、前原。だってさアニメでもやってなかったしさ。

前原「まぁ、そうだけどさ。」

零士「安心しろよ陽斗。そんな事言ってるけどちゃんと2つに分けてやってくれるから。」

早く零士のオリジナル回やりたいなぁ。

零士「陽斗の回なんてやる必要ないだろー!早くオリジナル回やれー!」

前原「おいコラΣ!
あぁ、もういい!とにかく本編スタート!」



湿気の時間

 

今は雨の季節である6月。殺せんせーの暗殺期限まで残り9ヶ月

 

「(大きい)」

「(大きいぞ)」

 

「「「「「(何か大きいぞ)」」」」」

 

殺せんせーの頭が何かよく分からないがでかくなっている。

 

「殺せんせー。33%程巨大化した頭部についてご説明を。」

 

律がみんなの疑問をぶつけてくれた。彼女が仲間になると暗殺以外でもとてもありがたい。

 

ていうか33%でかくなってんだ…。

 

「ああ。水分を吸ってふやけました。湿度が高いので。」

 

「生米かよΣ!」

 

零士は思わずツッコむ。零士はこのE組に来て約1ヶ月が経った。いつの間にか渚と並んで“E組ツッコミ二大巨頭”となっていた。

 

「雨粒は全部避けて来たんですが、湿気ばかりはどうにもなりません。」

 

マジでアンタ、どんな体してんだよ。前から思ってはいたけど……。

 

「ま…E組のボロ校舎じゃ仕方ねーな。」

 

雨漏りもしている為、机の間にはバケツを置いている。

 

「はぁ、全教室エアコン完備だったA組が恋しい……。」

 

零士の中にあったちょっとした感情が出てきてしまった。

 

「ふざけんなー!」

「テメェまだ反省してねぇのか!」

「裏切り者!」

「拉致監禁快楽犯~w!」

 

教室が一時、零士へのブーイングで荒れる。そしてカルマはここぞばかりに弄る。

 

「あぁもう!悪かったよ!もうそんな事言わねぇよ!

それとカルマ!俺はそこまでしてねぇよ!」

 

「ごめんごめん。ただ人質をとっただけだよね~。」

 

零士はやはりいつものように凹む。

 

「だ、大丈夫だよ零士君!私は気にしてないよ!私は零士君が本当に優しい事知ってるから。ね!」

 

倉橋がわざわざ奥田の後ろの席まで行って慰める。最早お決まりなので殺せんせーも何も言わない。

 

「そういえば殺せんせー、帽子どうしたの?ちょっと浮いてるけど…。」

 

零士への慰めを終えた倉橋が殺せんせーの小さな変化に気づく。

 

「よくぞ聞いてくれました。先生ついに生えて来たんです。髪が。」

 

「「「「「キノコだよΣ!」」」」」

 

誰がどう見ても髪ではなくキノコだ。そして殺せんせーはそのキノコを食べた。

 

「食べんのかよ。髪を………。」

 

「だよね~。」

 

零士とカルマが後ろで話しているのは気にせず話す。

 

「湿気にも恩恵があるもんですね。暗くならずに明るくジメジメ過ごしましょう。」

 

「明るくジメジメって……。矛盾してるだろ…。」

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

「零士君、一緒に帰ろ〜!」

 

倉橋が岡野を連れて話しかけて来た。

 

「いいよ、陽菜乃。おっ、珍しいな、ひなたも一緒か。」

 

「うん。雨降ってて自転車使えないからね。」

 

「おう、じゃあ帰ろうぜ。」

 

 

 

 

零士達が帰っていると渚達を見つけた。

 

「渚、先に帰ったんじゃなかったのか?」

 

「あれ見てよ。前原君が他校の女子といるんだ。」

 

「あっそ。あの女たらし…。」

 

岡野が思わず呟く。それを聞いた零士達は苦笑いをせざるを得ない。

 

「一緒にいるのは…C組の土屋果穂とか言ったっけな。あいつもよくやるなぁ。まぁ、陽斗も人の事言えないけどな。」

 

「ほうほう。前原君、駅前で相合い傘…と。」

 

殺せんせーがレインコートを着て何やらメモをしている。

 

あれって…修学旅行の時の“ゴシップメモ”(※零士命名)じゃん。

 

「相変わらず生徒のゴシップに目がねーな、殺せんせー。」

 

杉野が呆れ顔で言う。

 

「ヌルフフフ。これも先生の勤めです。」

 

んなわけねぇだろ、この下世話な汚職教師!

 

「3学期までに生徒全員の恋話をノンフィクション小説で出す予定です。第一章は杉野君の神崎さんへの届かぬ思い。」

 

「…ぬー…出版前に何としても殺さねば。」

 

杉野…ドンマイ。

 

「因みに二章のアイデアはもう出ています。主人公は倉橋さんです。彼女のれ「わあぁぁぁぁぁ!」いきなり大声出さないでくださいよ。」

 

倉橋が大声を出して殺せんせーの言葉を遮る。

 

「陽菜乃、誰か好きな奴いるのか?いいじゃん、青春してるねぇ。何か俺に手伝える事あったら言えよ。出来る限りの事してやるからさ。」

 

しかし零士の言葉にみんなは零士を睨みつける。そしてそれに気づかない零士。

 

「倉橋さん、頑張ってください。」

 

「うん。ありがと、殺せんせー。」

 

倉橋は弄られるのは嫌だが零士が相手では話は別だ。猫の手、いやタコの手いやタコの触手も借りたいという状況だろう。

 

 

 

 

「あれェ?果穂じゃん。何してんだよ。」

 

あの2人に五英傑の瀬尾がやって来た。生徒会の帰りなのだろう。

 

「あっ!せ、瀬尾君!生徒会の居残りじゃ…。」

 

「あー、意外と早く終わってさ。ん?そいつ確か…。」

 

「ち、違うの瀬尾君!そーゆーんじゃなくて…。」

 

その後も言い訳を続ける土屋。

 

「あーそゆ事ね。最近あんま電話しても出なかったのも急にチャリ通学から電車通学に変えたのも。で新カレが忙しいから俺もキープしとこうと?」

 

「果穂、お前…。」

 

瀬尾は土屋に真実を尋ねる。

 

「ち、違うって、そんなんじゃない!そんなんじゃ………。」

 

土屋は一度言い訳モードに入ったが直ぐに攻撃モードへシフトした。

 

「あのね、自分が悪いって分かってるの?努力不足で遠いE組に飛ばされた前原君。それにE組の生徒は椚ヶ丘高校進めないし。遅かれ早かれ私達、接点なくなるじゃん。E組落ちてショックかなと思って、気遣ってハッキリ言わなかったけど、言わずとも気づいて欲しかったなァー。けどE組の頭じゃ分かんないか。」

 

土屋はペラペラと言葉を並べる。そして瀬尾もそれに同意する。

 

もう、黙って聞いてられない。

 

「お前な「お前なぁ、自分の事棚に上げて…よくそんな事言えるよな!」…おい、零士…。」

 

前原の言葉を遮って思わず零士は飛び出した。

 

「あれ?お前、学校サボってE組行きの“堕ちたエリート”黒羽零士君じゃん。同じA組だった者としてとても残念だよ。まだA組に戻ろうという気があると思っていたんだが、まさかE組を庇うなんてな。」

 

瀬尾は零士にも同じ様な事を言う。

 

「俺、そんな風に呼ばれてんのな。まぁいいや。お前ら、そんな事やって恥ずかしいと思わねぇのかよ!」

 

「お前だって昔はE組の事を散々バカにしてきたじゃないか。」

 

「それは…………。」

 

そう言われると零士は何も言い返せない。そして瀬戸は零士を蹴り、零士は前原ごとアスファルトに倒れた。そして近くにいた者は皆、2人を攻撃し始めた。

 

「あっ…零士君!前原君!」

 

「あいつら…。」

 

渚と杉野は思わず走り出そうとする。

 

「やめなさい。」

 

そこに到着したのは黒い車に乗った浅野理事長だった。

 

「ダメだよ。暴力は人の心を…今日の空模様の様に荒ませる。

これで拭きなさい。黒羽君、前原君。酷い事になる前で良かった。危うくこの学校にいられなくなる所だったね、君達が。特に黒羽君、君が手を出すという事が何を意味するかしっかり理解してくれ。」

 

2人に対する心のこもっていない言葉と笑顔。今の2人は誰から見ても弱者だった。

 

そして理事長は瀬尾や土屋達に声をかけ、去って行った。続いてその2人も去って行った。

 

そしてその去り際に土屋は前原にこんな言葉を残して行った。

 

「…嫉妬してつっかかって来るなんて、そんなに心が醜い人とは思わなかった。二度と視線も合わせないでね。」

 

 

 

 

「前原!へーきか?」

「零士君!大丈夫?」

 

杉野と倉橋が声をかけてくる。

 

「お前ら見てたんかい。ていうか零士、お前まで出て来る事なかったろ。」

 

零士は倉橋が渡してきたハンカチを受け取りながら立ち上がる。

 

「…まぁな。……でも…黙って見てられなかった。クラスメートがあんな事なってのにさ。」

 

「ありがとよ。それにしても、上手いよな、あの理事長。事を荒立てず、かといって差別も無くさず、絶妙に生徒を支配してる。」

 

「そんな事よりあの女だろ。とんでもねービッチだな!いやまぁ…ビッチはうちのクラスにもいるんだけど。」

 

杉野の言葉に零士と渚は反論する。

 

「杉野。それは違うぜ。ビッチ先生の場合あれは仕事だ。ビッチする意味も場所も知ってる。」

 

「うん。だけど彼女はそんな高尚なビッチじゃない。」

 

ビッチに高尚も何もないという反論はここでは置いておく。

 

「…いや、ビッチでも別にいーんだよ。」

 

「「いいのΣ⁈」」

 

前原の気にしてないという言葉と態度に零士の渚は驚く。

 

「好きな奴なんて変わるモンだしさ、気持ちが冷めたら振りゃあいい。俺だってそうしている。」

 

「中3でどんだけ達観してんのよ。」

 

岡野がハンカチを渡しながら言う。

 

全くその通りである。

 

「けどよ…さっきの彼女見たろ?

一瞬だけ罪悪感で言い訳モードに入ったけど、その後すぐに攻撃モードに切り替わった。後はもう逆ギレと正当化のオンパレード。醜いとこ恥ずかし気なく撒き散らして。

…なんかさ悲しいし、恐えよ。

ヒトって皆ああなのかな?相手が弱いと見たら…俺もああいう事しちゃうのかな?」

 

みんな何も言えない。今は自分が弱い立場だから分からない。でも自分が逆だった場合を想像しているからだ。

 

「…俺は……多分そうだ。あの土屋と同じだよ。A組だった時はお前らの事平気でバカにしてた。アイツらに言われて痛感したよ。」

 

すると横にいた殺せんせーがバカみたいにでかくなっている。

 

「殺せんせー膨らんでる膨らんでる!」

「国家機密がバレちまうよ!」

 

渚と零士がツッコむ。

 

全く…どういう体してんだよ。

 

「零士君。君がE組をバカにしていた事を気にしているのは分かります。ですが、今の君はもうそんな事をしていない。彼らと同じなんかではありません。」

 

「そうだよ、零士君!私は今の零士君、凄く好きだよ。A組の頃のエリートみたいな零士君よりずっと!」

 

「…殺せんせー、陽菜乃…。ありがと。」

 

そして改めて前原の方を向いて言う。

 

「仕返しです。理不尽な屈辱を受けたのです。力無き者は泣き寝入りをする所ですが…君達には力がある。」

 

「…ははっ、何企んでんだよ殺せんせー。」

 

前原は何をやるのか分かりかけたのか苦笑いだ。

 

そしてみんなの目が怪しく光る。

 

「屈辱には屈辱を。彼女達をとびっきり恥ずかしい目に遭わせましょう。」

 

こうして3-Eの暗殺者(アサシン)達による極秘ミッション(仕返し)が決行される。

 




ええと、はい。前書きで前原をいじりすぎたんで後書きは真面目にいきます。

次回は前原回の2話目、“仕返しの時間”です。

その後、オリジナル回が何話か入ります。
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