終わったぁ!やっと終わった前原回。
感想でも書いていますがこの回は元A組の零士にとって意味のある回となっています。
まぁ、なくてもいいんですけど。
では本編スタート!
「へー果穂。お前、いい店知ってんじゃん。」
「コーヒーが美味しいんだよ。
パパの友達が経営してるの。私のとっておきの場所だよ。」
「そんな事言ってよぉ、昨日の前原とも来たんじゃねぇの?」
「そ、そんな訳ないじゃん!瀬尾君が初めてよ。
ゴメンね昨日は前彼がみっともないとこ見せちゃって。あんなに見苦しい人とは知らなかった。」
「あー、E組に落ちる様な奴なんて気にすんなよ。
しかし雨の中のオープンカフェも良いもんだな。ここだけ濡れてないっていう優越感?昨日の
「きゃははは、ひっどーい!」
瀬尾と土屋が笑っているとそこにおじいさんとおばあさんが来た。
「あんのー…、そこ通っても良いですかいのう。奥の席に座りたいので。」
「その足、ほんの少し引っ込めて…。」
「はァ?通ろうとすりゃ退きますよ、おじいちゃん。嫌味ったらしく言わなくても。ホラ。」
「ど、どうも。」
「…すげーな。あれが渚と茅野かよ。」
「パーティー用の変装マスクあるだろ。俺がちょいと改造りゃあの通り。」
「やっぱり菅谷を呼んで正解だった。それに零士の変装もいい感じだ。しっかり店員に成りきってる。」
零士は経緯は色々とアレなので省略するが渚達と同じ様にパーティー用のマスクで店員に変装している。彼にはこのカフェに迷惑がかからないように証拠を隠滅する役割がある。
「しかし、この向かいの民家、よく上げてくれたよな。」
「あぁ、家主を矢田と倉橋が押さえてる。ビッチ先生直伝のテク。かじっただけにしちゃ大したモンだ。」
「ヌルフフフ。首尾は上々の様ですね。では作戦を開始しましょうか。開始の合図は零士君が彼らにコーヒーを運んでからです。」
ついに
「お待たせしました、コーヒーです。ごゆっくりどうぞ。」
「お兄さん、お兄さん。この近くのトイレは100m程先のコンビニだけですか?」
「はい、確かにそこにありますよ。ですがお客様は当店のお客様なんですから当店のトイレをご利用して大丈夫ですよ。案内しますよ。」
「ありがとね、お兄さん。」
こうして
「やだ、ボケかけ。あーはなりたくないね、私達。」
「くっくっ。」
「おっ、しまっ…」
ガシャッ ガラン ガラ-ン
「いーかげんにしてよ、さっきから!」
「ガチャガチャうるせーんだよ、ボケ老人!」
「すいませんのぅ、連れがトイレから戻ったら出ますので。」
「ったく、今日は客層悪いな。」
「ごめんねぇ、普段はスマートな客ばかりなのに。」
そして2人はコーヒーを飲む。すると奥田特製“ビクトリア・フォール”が猛威を振るう。
「な、なんか、お腹痛くなってきた。」
「え…お、俺も。お前、ここのコーヒー大丈夫か?」
「バッバカな事言わないでよ。私の行きつけに。」
「お、俺トイレ。」
「あ、ズルい、私が先!」
しかし、そのトイレには
「ちょっと、店員さん!他にトイレはないの?」
「す、すいません!当店にはここだけで…。後は近所に……。」
そして
瀬尾はいち早くその事を思い出し、傘を取って外に出ようとする。
「!傘がねぇ!…あーもう!それどころじゃねぇ!」
当然、傘がないのは
続いて土屋も走り出す。
コンコン
「茅野、終わったぜ。」
「ちょっと待ってー。後10で100だからー。」
「別にいいだろ、んなモン。まぁいいや。俺は証拠を隠滅して来るよ。」
「りょーかい。」
「おっ、来た来た。ドンピシャリ。しかも傘もささずにビチョビチョだ。」
「零士が傘、ちゃんと隠したみたいだね。」
「あいつらプライド高いからな~。そこらの民家でトイレとか傘とかを借りるっていう発想はないんだよ。」
「零士みたいなプライドなら良いのにね。」
「最近あいつが殺し屋だって事忘れる時あるけどな。」
「カルマに思いっきり弄られてるしな。」
瀬尾と土屋の走る先の脇の木の上にはレインコートに身を包んだ3人組。
「まぁとにかく、その安いプライドを…サクッと殺りますか。」
その手にはナイフが握られている。
そしてタイミングを見計らって一斉にナイフを枝に向かって振り下ろす。
バサバサバサッ
勢いよく、切られた枝は瀬尾と土屋に向かって落ちる。
「ひっどい、何コレ!ヒャアア、毛虫!」
「誰だこんな…ってやっぱこんな事よりトイレだ!」
そして2人は何とも無様な姿でコンビニのトイレに向かった。そのコンビニでも醜い争いがあった事はまた、別の話。
「はは。状況を把握する余裕もないだろうね。」
「ま…少しはスッキリしましたかねぇ。汚れた姿で慌ててトイレに駆け込む。彼らには随分な屈辱でしょう。」
殺せんせーは満足気な様子だ。俺らも久々にスカッとした。正直俺もイライラしてたからな。
「ありがとな。ここまで話を大きくしてくれて。」
「まだ、自分が平気で弱い者をいじめられる人間だと思いますか?前原君、零士君。」
先に話したのは零士だ。
「俺は……どうなんだろう。両方の立場を知ってるからさ、分かるんだ。俺らにもちゃんと言い分はあるけど、あいつらにも言い分はある。あいつらはいつも何かに追われてて、余裕がない。だから誰かを見下す。実際、俺がどうなるかは……全然分かんねぇや。」
そして前原も口を開く。
「俺は……今のお前らを見たらそんな事出来ないや。
一見お前ら強そうに見えないけど、皆どこかに頼れる隠し武器を持っている。そこには俺にはない武器も沢山あって…。」
「そういう事です。零士君の言う通り、君達だけでなく彼らにも事情はある。前原君の言う様に強い弱いは見た目では分からない。それをE組で暗殺を通して学んだ君は…この先弱者を簡単に蔑む事はないでしょう。」
やっぱり殺せんせーはいい事言うなぁ。
「ですが、それは前原君の場合です。「はい?」零士君、君の場合は先生、少し心配です。前科もありますし。」
ゔっ……耳が痛い。
「でも、一先ず君はこれらの事に気づいただけ成長した、という事にしておきましょう。まぁ、△で部分点がもらえたって所でしょうか?ちゃんと卒業までには○がもらえるようになってくださいよ。」
「………りょーかい。」
零士は大分不満そうだ。
「殺せんせー。零士は…弱者を見下さないと思うぜ。」
前原がそんな事を言う。
「だって…メンタルの弱いコイツが今の仕返しを見た後に同じ事出来るわけないだろ。」
それを聞いたみんなは零士を除いて全員笑う。
「おいコラΣ!テメェら!俺がメンタル弱いだと⁈」
「弱いじゃん、零士君。」
倉橋も参戦した。
「んだと、陽菜乃!どういう意味だ!」
「零士君さ、私の事人質にしたじゃん。私、すっごく怖かったな~。」
倉橋がわざとらしく言う。
ゔっ………。
「本当マジですいません。許してください、許してください。お願いします。」
そんな零士を見てまた、みんなは笑う。
結局、零士にはもう弱者を蔑むだけの根性はないという判断になった。まぁ、零士は不満そうだが零士以外に異論を唱える者はいなかった。
これで全て丸く収まった。
はずだった。
「あっ、ヤバ!俺これから他校の女子と飯食いに行かねーと。じゃあみんな、ありがとな、また明日!」
せっかくのムードが一瞬で白けた。
「あいつ、変わってなくね?」
「…先が思いやられます。」
因みに雨の後、
次回は書きたかったオリジナル回。
舞台は日本を飛び出し海外へ!となればどこか分かりますよね。何回かこの小説内でも出ている場所です。
となれば何度も名前だけ出ているあの人も出ます。
次回もお楽しみに。