オリジナル編はこの回で終了です。
元々この「護衛の時間」はなくても良かったんですが色々これからに向けて伏線を入れているつもりです。(表現出来ていない気もしますが)色々考えて見てくださるとうれしいです。
では本編スタート!
「………死なない程度で殺してやる!」
そう言い放った零士の目は獲物を狙う獣の様だった。しかしその目も殺気も以前とは違っていた。その目も殺気も言葉とは裏腹に、とにかく純粋で真っ直ぐなものだった
「…くっ……何て鋭い殺気だ…。対峙しているだけで……これほどとは…」
「こんなに威圧感があるなんて聞いてねぇぞ!」
既にこの2人は戦意を失っている。もう、零士に勝つ事など出来るはずがない
「さぁて、烏間先生にも見せた事のない、俺の100%で殺ってやるよ!」
零士はしゃがんで靴のロックを解除し、仕込みナイフが出るようにした。左手にダガー、右手にナイフを持った。ここまではいつもと変わらない
「……さぁ、殺られる覚悟は出来たか?」
零士の2つの目が黒眼から赤眼に変わる
「……目の色が……変わった…」
「ヒッヒイィィィ!」
「ハアァァ!」
その掛け声と共に零士は普段とは比べ物にならない程のスピードで2人の後ろをとり、急所を外して斬りつける
「ふぅ、久々にやったけど…何とかなるもんだな。くっ……頭が…」
ヤベェ、頭痛が酷い…。最近使ってなかったからか?もう少しやった方がよかったかな?
{ゼロ!避けろ!}
次の瞬間、零士の左肩を弾丸が貫通した
それだけではない。その後も二発の弾丸が放たれた。その二発は零士の横にいる気絶した2人の心臓を貫通した
「……っ!……一体…どこから、誰が?」
{ゼロ、また来るぞ!}
「チッ!…危ねぇ!」
次は間一髪、避けた
「ああ、くそッ!ブレット、頼めるか?」
{任せとけ。ラピス姉、ゼロの援護を!}
「了解!」
ー優希sideー
「ふぅ、そうは言ったものの位置が悪過ぎるな」
俺がいるのはゼロとの距離が約20mのビル。スナイパーがいるのはゼロとの距離が約30m。俺とスナイパーの距離は合計約50m
「スコープは使わない方がいいな」
優希はスコープから目を離し、スナイパーがいると思われるビルをじっと見る
「ビルの高さは俺の方が低い。視界も悪く、風も強い。スコープを覗いてもよく見えない。頼れるのは俺の2種類の眼だけだ」
まずは…奴のいる位置を“把握”する
「………………見えた!」
次は……実際にこの目で位置を確認
「………オーケー。こっも大丈夫だ」
狙うのは足、または肩。殺さないように急所は外す。そして逃げられない程度のダメージ。ベストなのはスコープ貫通からの肩にヒット
「………今だ!」
優希の持つライフルから一発の弾丸が放たれる。そしてその弾丸は放物線を描く様に進む。弾丸は風に煽られる事なく綺麗にスコープを貫通し、肩にヒットした
{ナイス!}
「……いや、悪い。逃げられた。まさか直ぐに撤退するとは思わなかった。足を狙ってればよかった」
{いや、今のでよかったじゃねえか。俺は助かった}
「まぁ、それで良しとするか」
ー優希sideoutー
◆◆◆
ー零士sideー
「この度は本当にありがとうございました。おかげで助かりました」
「いえ、取り逃してしまいました。それに、また狙って来るかもしれません」
正直、あのスナイパーなら殺られてしまうかもしれない
「安心しなよ。しばらくはこの私が個別で護衛するからさ。このまま“dragon party”ロンドン支部まで送ってくよ」
“dragon party”とは龍さんをリーダーとする大型殺し屋集団の事だ。正しくは支部はおろか本部もない。龍さんを慕う殺し屋達が勝手に名乗っているだけだ
「それはありがたい。そうだゼロ君。1つお願いが…」
「何でしょうか?」
「あなたも知っているはずですが“リュミエール家”の長女の事です。彼女を探してくれませんか?あの日、彼女もロンドンに来ていたはずなんです。その後行方は分からなくて……」
「分かりました。見つけたらその時は」
こうしてラピスはマークさんを連れて、支部に向かった
「さて、俺もそろそろ荷物を纏めようかな?」
「優希、お前日本に戻るんだろ」
「いやぁ、実はさもう一個仕事あんだよね。今度はフランス。臓器売買の組織のボスの首さ」
「なぁ、まだ時間あるか?」
「ああ。お前ほどじゃねぇけどな」
「寄りたい所があるんだ。着いて来てくれるか?」
◆◆◆
零士がやって来たのは墓だった
「ここってまさか…」
「ああ。“リュミエール家”の墓で………メアリが眠る場所だ」
3年前、このロンドンでも大きな権力を持っていた“リュミエール家”が崩壊した。現当主にその妻、三女と長男は自宅で殺された。そして零士の最愛の人“メアリ・リュミエール”も少し離れた場所で銃で撃たれ、殺された
「零士、俺さ、花でも買って来るよ」
「ありがとよ」
そして零士は再び墓の方に向き直した
「メアリ、久しぶりだな。こうやって墓に来たのは初めてだよな」
『ホントだよ。私結構寂しかったんだよ』
別にそんな声が聞こえているわけではない。ただ、そういう風に言っている気がするだけだ
「あの日…本当にゴメンな」
『もういいよ。私、言ったじゃん。あなたの幸せは私の幸せ。あなたが生きてる事が私にとって最高の幸せなの』
昔から変わってない、彼女の口癖
「変わんないな、メアリは」
『レイ君は変わったね。何か、柔らかくなった。信用し合える人、見つかったんだね』
…凄いな、何で分かるんだよ
「お前に、隠し事は出来ないな。あぁ、出来たよ。最高の仲間がさ。お前にも会わせてやりてぇよ」
『もしかして…その仲間の中に好きな人とか出来たんじゃないの?』
「んなわけねぇじゃん。俺は…ただの殺し屋じゃない。殺し屋である前に、殺人鬼だ。誰も愛せないし、誰にも愛されてはいけない。どの道、俺はもう普通に恋愛は出来ねぇの」
その決意に後悔はない。3年前、その決意を破り、起こった悲劇は繰り返したくない
『……そっか。まぁ、レイ君の人生だもん。好きな様にすればいいよ』
「ありがとよ、メアリ」
零士は一度そこで会話を切った
「零士、ほらよ」
戻って来た優希が花を零士に投げた
「投げんなよ、バカ」
「いいだろ別に。
ここがメアリちゃんが寝てる所か。メアリちゃん、可愛いんだろうなぁ」
「人の彼女を変な目で見るなよ」
「はいはい」
「じゃあ、帰るか。メアリ、今度は日本にある墓で会おうぜ」
『うん、絶対に来てよ』
◆◆◆
零士がロンドンを発つ日
「じゃあな、優希」
「おう、じゃあな。そういえば、零士、お前変わったな」
優希がいきなり変な事を言い出す
「そうか?」
「ああ。今まで俺の事“ブレット”としか呼ばなかっただろ。それに今まで俺を頼るなんてなかったし」
「そうかな?まぁ、いいじゃん。」
「それもそうか」
そして2人は握手をした
「頑張れよ優希。またその内、コンビ組んで殺ろうぜ」
「おう、マジで殺ろうな。お前と組んでるとマジで楽しんだ。見てて飽きねぇんだよ」
「んだよ。人を動物みたいに…」
口ではそう言っているが顔は笑っている
「まぁ、頑張れ」
「おう、じゃあな」
そうして零士は日本に戻って行った
ヤバい……こんな主人公が倉橋と付き合えるのか?無理だろ。まぁ、彼は今までも変わって来たのだから変わってくれると信じよう
そしてしばらくオリジナル回はやりたくない。疲れる。そして駄文率が圧倒的に高くなる…
次回はビッチ先生の師匠登場!日本に戻った途端に災難に巻き込まれる零士。