優希回2話目です。
零士とは正反対とも言えるキャラとスタイルの優希。
書き分けは簡単。でも色々と難い。そしてウザい
では本編スタート!
「「「「「はぁ、疲れたぁ~」」」」」
全員が一斉に溜息をつく
「おいおい、お前らー。何そんなに疲れてんだよ。まだ一時間目だぜ」
「「「「「お前の所為だよΣ!」」」」」
「ありゃ?マジか」
優希によってクラス中が盛大な溜息で包まれた
「君達はまだ疲れていると思うが、次は訓練だ。特に優希君、君の実力、見せてもらうぞ」
「おう、任せてくださいよ」
◆◆◆
「では今日は1人ずつやってもらう!」
3分間の模擬戦が始まる
しかし誰1人当てる事が出来ず、俺の順番になる
「次は零士だ!」
「頑張れー!」
「頑張ってー!」
「いけー、零士くーん!」
「おう!」
零士はその声援に手を振って返す
「へぇ、人気だなぁ。じゃあお手並み拝見といきますか。本気、出せよ」
「おうよ。せっかくだし、“オーバーロード”も使うよ。飴、用意しといてくれよ」
零士はナイフを持って立ち上がる
「烏間先生。今日は相棒が見てるんで本気で行きますよ」
「ああ。君の本気を見せてくれ!」
「ふぅ、よし!“オーバーロード”!」
零士の2つの目が黒眼から赤眼に変わる
「!目の色が……」
クラス中からそんな声があがる
「零士君……君はもしかして…」
「烏間先生。人の過去、勝手に話さないでくださいよ。さぁ、始めましょう」
「…分かった。じゃあ来い!」
「行きます!」
零士はいきなり“縮地術”で後ろに回る。そして後ろからナイフを振る
「くっ…!早い。今までより格段に」
「まだまだ……行きますよ!はぁっ!」
零士は烏間先生の周りを縦横無尽に飛び回りながらナイフを振っていく
「……(まずいな…。零士君のスピードが早過ぎる。避けるだけで精一杯だ)」
烏間先生はそう言うがE組のみんなは目で追うのも精一杯である
「これで終わりだ!」
零士が烏間先生の懐から放った一発は綺麗にヒットした
「おっしゃ!当たったぁー」
「すげぇ!」
「かっけー!」
「何?今の!」
校庭は歓喜に包まれる
「驚いたな。君がこれをここまで使えるとは」
「まぁ、こんなの呪いですよ。これがあっていい事なんて1つもない。
優希!飴くれ!」
「はいよ。今日のは黒糖飴な。甘いぜ」
「…甘っΣ!ホントに甘いな……」
「でも、美味いだろ」
「ああ」
それにしても甘いな……。“オーバーロード”を使うと疲れんだよな。だから糖分が欲しくなる
これはあんまり使ってないといざという時反動がデカくて仕方ない。だから俺はあまり使わない
「零士君!すごかったよ!私、全然見えなかった!」
「おう、ありがとよ、陽菜乃。でも……こっちの方が多分驚く」
零士の目線の先にいたのは烏間先生と向き合う優希
「烏間先生、先生もナイフ使ってくれませんか?そっちの方が、俺の実力、分かると思いますよ」
烏間先生は優希の差し出したナイフを受け取り、少し笑う
「それは面白そうだ。優希君、君の実力を見せてくれ」
「当たり前ですよ。ここで俺が烏間先生に当てれば、女子からモテモテになれるかもしれませんし。じゃあ、殺りますよ!」
その言葉にクラス中の女子が引く
動機が不純過ぎる。アイツ、顔は悪くないのになぁ。まぁ、殺る気を出すならいいか。あいつの本気、烏間先生驚くぜ
「優希君も最初にナイフを回すんだね」
「ああ。俺もあいつも同じ師匠から習ったからな。ナイフは俺の方が上手いけどな」
「負けず嫌いだね……」
「事実だよ。あいつの得意分野は遠・中距離。ナイフは苦手。俺は逆。それでもあいつは対人戦に滅法強い」
零士の周りには優希の戦いを解説してもらおうとみんなが集まって来る
「はぁっ!」
勢いよく振るが、大振り過ぎて当たらない
「「「「「下手くそΣ!」」」」」
「だから言ったろ。得意分野じゃないって」
「そんなものか、優希君。次は俺から行くぞ!」
烏間先生が攻撃に入る。しかしその全てを捌き、避け続ける
「…スゴイ…。全部避けてる…」
「何で出来るんだよ……」
「あいつは空間認識能力が異常な程に高いんだ。それも認識というレベルをはるかに超えて、“把握”してるんだ。だから俺らはそれを“空間把握”って呼んでる」
優希は零士が説明してる間にも捌き続ける。そんな事が出来るのもその力のおかげだ
「じゃあ…“空間把握”の能力って無敵じゃねぇか!」
岡島が聞く
「そうでもないんだよ。空間認識能力とは違って完全に目を閉じた状態で前後左右上下全てを把握できるんだ。だから周りに物体が多ければ多いほど把握出来る範囲が少ない。例えば裏山だとほとんど把握出来ない。それにリアルタイムとは約1秒のタイムラグがある」
零士が“空間把握”の致命的な弱点を話す
「じゃあ何であんなに出来るんだよ。烏間先生の動きはとても1秒のタイムラグでは見切れねぇぞ」
前原が更に聞く
「そこで役立つのがあいつの
全員が頭の上に?を浮かべる
「あいつの耳はとにかく凄い。良すぎてヘッドホンをつけて周りの音を少しでも遮断しないといけないレベルだ。でもあいつの耳の本当の強みはその“聞き分け”能力にある。音を聞いて、物体の材質や音のした方向が分かる。攻撃を捌くのには最初のモーションと方向さえ分かれば出来る」
話を聞いてようやく納得したE組メンバー。優希はこの会話の間ずっと捌き続けている
「烏間先生?もしかして当てられないんですかぁw?」
ここで挑発を入れる優希。その様子は普段のカルマを思い出す。あの2人はややタイプが違うが同類である
烏間先生の顔には青筋が立っている
「これでどうだ!」
烏間先生はまた1つギアを上げて優希に攻撃する
しかしその前に烏間先生の体は制御を失った様に前に倒れる
「!(足元にワイヤー……)」
優希はあの攻防の間にワイヤーを足元に仕掛けていた
「へへっ、俺の勝ちですね、烏間先生」
「フッ、優希君、俺としてはルール違反だ、と言いたい所だ。だが確かに俺は“ナイフを当てる”としか言ってないからな。仕方ない、今回は君の勝ちだ」
優希は烏間先生からオマケの勝利を勝ち取った
「どうよ、凛香ちゃん!見てたか?」
「ええ、見てたわよ。ちょっと反則っぽかったけどね」
「凛香ちゃん、辛口だなぁ。俺、結構頑張ったんだぜ」
速水に絡み出す優希。優希はどうやら速水がお気に入りらしい。おそらく何を言ってもドライに返されて、少し意地になっているのかもしれない
「ちょっと!しつこい!離れて、白河!」
「またまた~、恥ずかしがっちゃって~。可愛いなぁ、凛香ちゃんは~」
ウザい、その一言に尽きる
「いい加減にしてよ…///!ねぇ、黒羽!コイツ、早く剥がしてよ!」
「はァ、分かったよ。おいコラ、離れろ優希。速水が嫌がってるだろうが!しつこい男は嫌われるぞ」
零士はその口調以上にイライラしながら剥がそうとする。でも優希は速水の側から離れようとせず、逃げ続ける
「何言ってんの、零士。お前はだから“冷たい奴”って言われんだよ。もっと女の子には紳士に行かないと。それに凛香ちゃんみたいな子はグイグイ押してかないと!ね!」
速水にそれを聞く優希。というかそもそもこんな行為をする奴のどこが紳士なのだろう
「ね!じゃないわよ!じゃあどうすれば離れてくれるのよ!」
「そうだなぁ、その白河って呼び方やめてよ。下の名前で頼むよ。優希って呼んでくれたら、考えなくもないぜ」
「ああもう!分かったわよ!……優希……///。これでいい?」
速水は頬を赤らめながら優希を下の名前で呼ぶ
「!…おう…///」
そんな様子を見て、反応しないわけがない。あの2人の悪魔がやって来た
「おやおや~、優希ぃ、どうしてそんなに顔が赤いのかなぁ?」
「はやみん、そんなにツンツンしなくてもいいじゃん。もっと素直にならないと~」
カルマと中村だ。その言葉を聞いて2人は更に顔を赤くする
「ねぇ、零士君。優希君って意外と純粋なんだね」
「まぁな。あいつ暗殺関係で恋人になる事はよくあるし、結構そういうの上手いから。惚れない女って少ないんだよね。でもこの教室はあいつが殺し屋だって事も知ってるし、速水みたいな奴も珍しいからな」
零士と倉橋が仲良く話している。優希はそれを発見する
「…な、なぁ、カルマ。零士と陽菜乃ちゃんって仲良さげじゃん。どこまで進んでんのさ」
「ん~?やっぱ優希も気になる?俺らも結構気にしてんだけどね~」
「陽菜乃は積極的にアピールしてるつもりだけど……。零士がねぇ」
「へぇ、そっか。なぁ、カルマ、莉桜ちゃん。俺の話はできる限りするからさ、零士の事、教えてくれよ。それにしても俺ら、仲良く出来そうじゃん」
「ん~、何か上手く丸め込まれた感じだなぁ」
「でも、悪くない話よね」
ここに最悪の3人組が結成された
◆◆◆
「次は射撃訓練だ。今日もいつも通りやってくれ。優希君、少しいいか?」
「あ、はい。何ですか?」
「どうだった、弾の方は?奴に命中はしていた様だが…」
どうやらライフルの弾の話らしい。実際みんなは優希の登場のインパクトが強過ぎて、殺せんせーの触手を破壊した事実を忘れている
「ああ、その事ですか。調子はいいですよ。まぁでも先端をコーティングしてるだけなんで少し軌道がブレましたね。それは今後修正していきます」
「そうか。ならいい。じゃあ今度はハンドガンでやって見せてくれ」
「うす」
優希が腰のホルスターからハンドガンを取り出す
「それは?」
「ん?ああ、コレですか?これは俺が普段使ってるのと同じモデルの銃をBB弾用にカスタマイズした奴です。ターゲットに合わせて銃は全部最初から自分でカスタマイズする、これが俺のこだわりなんですよ。よしっ、オッケー!」
優希は的の前に歩いていく
「よーし!お前ら、よーく見とけよ!殺し屋“ブレット”と呼ばれるこの天才ガンナーの射撃を見せてやるよ!」
自信家にも程がある
「本職の射撃か…。楽しみだな」
「何よ白河。随分と自信があるのね。どれ程の腕が見せてもらおうじゃない」
千葉と速水のスナイパーコンビが言う
「凛香ちゃん。白河じゃなくてゆ・う・き、だろ。頼むよ」
「もう呼ばないわよ…///!」
「え…マジ?俺、めっちゃテンション下がったぁ!
まぁいいや、俺の射撃で凛香ちゃんのハートを射抜けばいいんだもんな」
何とも言えないくさいセリフを言った優希はセーフティを外しながら右手に銃を持ち、前に出す
「零士君、優希君ってどれくらいの腕なの?」
「なぁ、渚。さっきのナイフ、見ててどう思った?」
「どうって……零士君とは違ってトリッキーだなぁ、と」
「そう。優希は近接暗殺が苦手だから他のスキルと組み合わせてフォローする。だけど得意分野の射撃だと……あいつは天才だ」
パンッ
発砲音が校庭に響く。同じ音がその後も何度も続く
「何よ、全然真ん中に当たってないじゃない。本職も所詮はこんなもんなのね」
「いや、速水、それは違うみたいだぞ。よく的を見てみろ」
それを聞いて速水も他のみんなも、もう一度的を見る
そこには……“ニコちゃんマーク”が描かれていた
「「「「「……………。遊ぶなΣ!」」」」」
「あいつ……天才なんだよなぁ。でも“バカと天才は紙一重”。まさにあいつの為にある言葉だ」
「なっ!すげぇだろ。烏間先生の前で言うべきじゃないけどさ、俺は真ん中に当てることが全てじゃないと思う。狙った所に当てる、それが大事だと思うんだ」
本人はいい事を言ったつもりだろう。実際にもいい事だ。だが……なぜかコイツが言うと胡散臭くなる
「優希、悪いけどさ、あんまりみんな、心に響いてねぇみてぇだぞ」
「ありゃ?マジかぁ。“殺せんせー”とか描くべきだったかな?」
そういう事じゃあないだろ!
「君の腕は中々ですねぇ、優希君。実際、先生の触手も破壊してるのですから。これは…これからの暗殺が楽しくなりそうです」
殺せんせーが優希の撃った的を見ながら言う。そもそもいつからいたのだろう
「屋根の上にいたと思ったらもうここかよ。すげぇ、スピードだな、殺せんせー」
「ヌルフフフフ。やはり君の目は誤魔化せませんね」
「まぁでも、楽しくはしてやるよ」
優希はもう一度銃を構える。そして木に向かって発砲する
「ほら、また外した。白河、あんた本当に凄い殺し屋なの?」
「まぁ、見てろって」
すると殺せんせーの真後ろからBB弾が飛んで来た。ギリギリ、殺せんせーは気づいたが、触手をまたしても1本失った
「にゅやッ!一体…どこから……」
「“
優希は木に向かって撃ち、それを何度も跳弾させ、殺せんせーの真後ろから攻撃したのだ
これにはクラス中が驚く。優希の本当の実力を皆が思い知る。殺し屋“ブレット”との自分たちの力の差を見せつけられた瞬間だった
「…流石ですねぇ、優希君」
「だろ。
待ってろよ、殺せんせー。俺は…いや俺たちでアンタのハート、射止めて殺るよ」
「ええ。待ってますよ」
その後も訓練は続いた
そして訓練終了後
「なぁ、優希」
「どうした、龍之介。もしかして俺に惚れちゃった?でも悪いなぁ、俺は女しか愛せないんだ。君の気持ちは受け取れない」
急にとんでもない事を言い出す
「何バカな事言ってんのよ。白河、お願いがあるの」
「ん?付き合ってくれって?仕方ないなぁ。モテる男は辛いねぇ」
とにかく優希はイカれている。これをここでもう一度確認しておこう
「ねぇ、千葉。やっぱコイツに頼むのやめない?私嫌なんだけど」
「まぁまぁ。優希は中身はともかく腕は確かなんだ。それも零士とは比べ物にならないくらい。
なぁ、優希。俺らに射撃の指導をしてくれないか?」
「龍之介、その言い方はないだろ。でもいいぜ。だけどさぁ、俺はスパルタだぜ」
「殺せんせーを殺すためなら」
千葉が言う
「アンタのスパルタなんてアンタと付き合うよりも何倍もマシよ」
速水も言う
「凛香ちゃん、そこまで言うかよ。まぁ、いいぜ。これから射撃の訓練の時間と放課後、ビシビシ鍛えるぜ」
「ああ」「ええ」
ここにスナイパートリオが誕生した
優希の回はやっぱり長くなる。文才が欲しいぃ!
速水…悲劇。優希のターゲットが殺せんせーと速水に増えた………。零士とは逆に恋に積極的過ぎる男、白河優希。さてどうなるのでしょうか?
ちなみに優希の特技?とも言える目と耳については後ほど設定にて説明します。また、空間認識能力についてはウィキなんとかにて調べると分かりやすいかと。耳の聞き分け能力はジャンプで連載中のワールドなんとかの菊地原のSEと同じと思ってください。
では…次回は触手を持つあいつが登場します。実はオリキャラがまた1人。何人オリキャラ出るんだよ……