暗殺教室 with 黒羽零士《凍結》   作:grey

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前半は打ち上げ、後半はシリアスでいきます。ここから鷹岡まで暗めの話が続きますが、どうかお付き合いください

では本編スタート!



打ち上げの時間

 

「おーい、優希。準備はまだか?」

 

「いやーどの飴を持ってくか迷っちゃって…。それ以外は大丈夫なんだけど……」

 

終わってんじゃん、それ。ていうか飴とかどうでもいいだろ。と言いたいけど言えない。アイツは銃の手入れと飴選びに相当なこだわりを持っている。それを邪魔しようものなら容赦しないだろう

 

というわけで零士は優希が飴を選ぶのにかかった30分間、待ち続けた

 

その結果……

 

「遅いよ、零士君、優希君!みんな待ちくたびれてるよ!」

 

片岡を中心とした女子に怒られた。俺の味方をしてくれる事の多い陽菜乃も今回ばかりはそうはいかない。同情の余地がないほど、俺らは盛大に遅れていたからだ

 

「まぁまぁ、メグちゃん。そんなに怒るなよ。可愛い顔が台無しだぜ」

 

しかも元凶の優希が油を注ぎ続けているため、一向に怒りが治ることはない。そしてその怒りは全て俺に向かって来る

 

「零士君!優希君のことちゃんと見てないとダメじゃない!」

「そうだよ!アイツがマイペースなのは分かってるでしょ!」

 

「…はい。すいません」

 

殺し屋がクラスメイトに言い訳も許されず、怒られるという状況。俺は時々、自分がプロであることを忘れる

 

「メグちゃん、ひなたちゃん。そろそろ行こうよ。それに予約の時間まで過ぎたわけじゃないんだから」

 

ここでようやく倉橋から助け舟が出される。零士は内心“少し遅い!”と思ったが、ここは抑える

 

「よしっ、じゃあ行こっか!」

 

そうしてやって来たのは大型のカラオケ店。俺は優希の顔が少し青白くなっているのを無視しながら店に入る

 

どうやら女子たちが大人数でも入れるパーティールームを予約していたらしく、そこに全員入る

 

ちなみに今回のメンバーは寺坂組を除いた総勢26人(律は携帯越しの参加)。みんな仲の良い奴と固まって座っていた。

 

俺の場合は右隣に優希、左隣が陽斗だ。優希の横にはカルマ、陽斗の横は悠馬となっていてみな仲が良い

 

「食べ物、飲み物、先頼もうぜ。その方がいいだろ」

 

零士がそう言うと、みんながそれぞれ好きな物を言い始める

 

「ストップ!いっぺんに言われても分かるかΣ!」

 

「じゃあさー、飲み物は最初、零士のチョイスでいいんじゃない?みんなが出来るだけ好きなやつを何種類かって感じでさ」

 

意外にもカルマが提案する

 

「まぁ、どうせ零士にはタバスコとか色々入れるから関係ないけどね」

 

「ふざけんなΣ!」

 

ブレないカルマ。飲み物はずっと自分で持ってねぇと

 

「じゃあ食べ物も量のあるやつを何個かって感じでいいか?ピザとかポテトとかさ」

 

「いいよ」

「じゃあ頼む」

「零士のチョイス、期待してるよ」

 

みんな好き勝手言う。何で注文でセンスを問われるんだよ…

 

零士が注文し終えた所で中村が立ち上がって話す。司会的な役割なのだろう

 

「えっと、まずはみんな球技大会お疲れさまー!じゃあ男女それぞれよく頑張った!って事で今日は盛り上がっていこー!」

 

この司会中村の挨拶により球技大会の打ち上げがスタートした

 

最初に歌ったのは陽菜乃と桃花。女性2人組ユニットの曲だ。これは確か、この前見た音楽番組でも歌ってたな

 

次は悠馬。歌ってるアーティストもイケメンな曲だけどコイツもそれに負けず劣らずイケメンだ

 

そして悠馬が歌い終わったタイミングで飲み物が来る

 

「へぇ、零士意外といいチョイスじゃん」

「零士にしてはまあまあだな」

「黒羽君、そっちの飲み物とって」

「俺はそのコーラ」

「私はカルピス!」

「俺はそういう係じゃねぇΣ!」

 

なんて事もあったが無事に行き渡った

 

聞いていた感じ、渚やカルマ、茅野が上手い。それに続いて悠馬に陽斗って感じかな?

 

「よしっ、次は俺だな!」

 

「零士君頑張れ~」

「待ってました!」

 

「あっ、俺ちょっとトイレ行ってくる」

 

このタイミングで優希がトイレのために退席する

 

零士がチョイスしたのはこれもかなり有名な曲。前奏が始まり、零士への期待が高まる

 

だが、それを簡単に裏切ってくるのが零士である

 

次の瞬間、パーティールームで謎の怪奇現象(騒音)が起こった

 

「ふぅ、歌ったぁ~。俺もトイレ行ってくるわ」

 

そして、ことの張本人はトイレのため退室する。それと入れ替わる様に優希が戻ってくる

 

「ただいまーってやっぱりか。この死体…どうするか…」

 

優希の目の前には耳を抑えながら倒れている死体(クラスメイト)の姿が

 

「「「「「殺すなΣ!」」」」」

 

「優希…テメェ……逃げやがったな!」

 

「ゔゔっ……耳が………」

 

「あんなの聞いたら俺死ぬよ。耳いいんだから。それに絶対音感を持つ者としてあれは聞きたくない」

 

優希はこうなることを予想していて退室していた

 

「いいか?もうあいつに歌わせんなよ。死人が出るぞ」

 

優希は普段からは考えられないぐらい真面目な顔で言う

 

「ただいまー。おっ、誰も歌わねぇのか?じゃあ俺もう一回歌うな」

 

そこへ零士が戻って来る

 

「「「「「!(し、死ぬ!)」」」」」

 

優希は再び席を立つ

 

「お、俺ー、もう一回トイレに行ってくるー」

 

しかし、それは叶わない。なぜなら優希の肩を零士が掴んだからだ

 

「一回ぐらい、俺の歌、聞いてけよ、な!」

 

それを見たみんなは静かに部屋を出て、トイレに向かった。そしてみながドアの前で合掌をしたという

 

E組は思った。零士にマイクを持たせてはいけないと

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

「よしっ!最後はじゃあ優希、締めてよ!」

 

何だかんだ言って上手かった優希が最後に歌った。あまり元気がなかったが

 

歌い終わったところで丁度時間になり俺たちは店を後にする

 

「みんな、また明後日ね!」

「おう!じゃあな!」

「明日、ちょっと訓練しない?」

「ん?いいぜ。じゃあ10時な」

 

そんな感じで最後は解散。優希は“Assassin’s cafe”に行くらしく、俺は1人で家に帰る

 

「ん?手紙?珍しいな」

 

ポストには黒い手紙が入っていた。俺はそれを持って部屋に入る

 

「黒い手紙ねぇ。あんまり気分はよくねぇな」

 

俺は少し君悪がりながらも開けてみる

 

そこには外側だけでなく中身の紙さえも黒で文字は白で書かれていた

 

【黒羽零士君へ

ずっと、好きでした。初めて会った時からずっと好きでした。私があなたのことを忘れたことは1日たりともありません】

 

んだよコレ?ラブレターか?そらにしては文章が少し変な気がする

 

零士は自慢じゃないがA組時代からモテていて、この手の類は何度ももらったことがあるのだ

 

【あなたの全てが愛しい。私はこんなに愛しているのに…どうしてあなたは私を愛してくれないの?】

 

何かヤベェぞコイツ…

 

【あなたに…誰かを愛する資格なんてあるはずないのに。誰かに愛される資格もあるわけがないのに】

 

このセリフ…どこかで聞いたことがある。思い出したくない…俺の負の記憶…。それの奥底から聞こえてくる

 

零士の脈が段々と早くなる

 

【あなたは陽の当たる場所にいていい存在じゃないの。陽の当たらない真っ暗なところで血の海に浸かりながらたった1人で生きるべき存在なの】

 

やめろ…やめろ!

 

零士の左眼が赤みを帯びてくる。しかし、零士は“オーバーロード”を使っていない

 

【その手は誰かの手を握るためのものじゃない。血塗れのその手は、全てを突き放し、拒絶し、触れた者の命を奪う。あなたが触れた者の中に幸せになれた者なんて1人もいない】

 

零士の頭にはかって愛して守り抜くと決めたにも関わらず、逆に命を助けられた最愛の恋人の顔が浮かぶ

 

【“オーバーロード”、あなたはその力をどうして使わないの?弱者であるあなたが強者を殺すために必要でしょ。あなたも分かっているはず。“オーバーロード”の真の力はこんなものじゃない。力に身を任せない。そうすれば…あなたはもっと強くなれる。仲間なんて元からいないんだから…いいじゃない。力に溺れなさい。あなたはそうやって生きて来たのだから】

 

うるさい!うるさい!うるさい!黙れ!黙れ!黙れ!

 

【早く、私のことを殺してよ。8年前、その手で両親を葬ったときのように。もう一度、私を殺してよ、零士。あなたはそのために生まれたのだから】

 

「ーーーーーーーーーーッ!」

 

零士は声にならないような声で叫んだ。左眼は既に染まり切っており、右眼も普段の鮮やかな赤とは違う深紅色になっていた。

 

「なんナンだよ!どうシてテメェが…」

 

言葉にも殺気が混ざっており、時々カタコトになる

 

「あンタは…オレがコロシタはずダロ!ナノにどうシテ!シンデもオレをシバリつづけンだ!」

 

そのとき、扉が開く音がした。優希が帰って来たのだ。零士が部屋の中で暴れ回っているので当然気づく

 

「おい零士!どうした……ってその目!えっと.まずはほらっ、飴舐めろ!」

 

優希は自分の持っていた飴を零士に食べさせる

 

「ッ!はぁはぁッ!サンキュー、優希…。助かった……」

 

「何があったんだ?」

 

「…何でもねぇよ。お前には関係「何でだよ!俺はお前の相棒だろ!なのに…お前のこと、俺何にも知らねぇんだよ!」」

 

優希は訴え続ける

 

「俺も人のこと言えねぇけどさ、それでも少しは話したろ。俺は…お前とメアリちゃんのことぐらいしかお前の過去を知らねぇんだよ!前にも一回なってたけど…そん時は師匠が何とかしてて。もう少し俺を信用しろよ!」

 

もうすっかり眼の色は戻っていたがその眼から殺気が消える様子はない

 

「信用はしてるさ。俺が背中を預けられんのはお前ぐらいだ。いくらE組のみんなでもそれはだけは無理だ。でも、ゴメン。過去だけはまだ…」

 

「…分かったよ。でもそん時はお互い、全部吐き出すぞ」

 

「ああ、わかったよ」

 




零士の元に届いた謎の手紙。これが意味することとは一体。この文面を見る限り、彼にはまだ多くの闇を抱えているようです

そんな彼の次の相手はあの防衛省から来た新任教師。彼とはどんな関わりを見せるのか
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