鷹岡登場!あの人嫌い…。嫌い、嫌い、大嫌い。だからこそ、ここでもうんと嫌われ役になってもらいます
原作とは違い、彼には1日長くいてもらいます。今日は1日目
では本編スタート!
『この
『別にいいよ、それでも。だってそれ、強いんでしょ』
少年はカッターナイフを男性の首に当て勢いよく横に移動させる
『うわあぁァァァァっ!』
少年の手には血塗れのカッターナイフ。足元には首を切られた男性
『こ、この
『だから…それ、最高の褒め言葉だよ』
包丁を持つ右手を大きく後ろに引き、女性に向かって突き出した
『い、いやあぁァァァァっ!』
少年の目の前には胸に包丁の刺さった女性
目の前には燃え盛る家。それは少年の家だ。彼はそれを見て笑っていた
『ハハハハハハハハハッ!最っ高の気分だ!』
少年は狂ったかのように笑い続ける
◆◆◆
「ッ!はぁはぁっ。んだよこの夢…」
零士はいきなりベットから飛び起きる
「…どうした、零士。また何か夢でも見たのか?」
「ああ。また…人を殺した夢だよ。これ禁断症状でも出てんのかね?」
零士があまりジョークにならないことを言う
「んまぁ、お前は今まで結構なペースで殺ってたからな。最近は殺せんせーだけだもんな」
「人を殺さな過ぎて魘されるって…普通じゃありえないな…」
2人はそこから準備を始め、学校へ向かう
◆◆◆
ー烏間先生sideー
「視線を切らすな! 次にターゲットがどう動くか予測しろ! 全員が予測すればそれだけ成功の確率が上がる!」
〈暗殺訓練の中間報告〉
ー4ヶ月目に入るにあたり…“可能性”がある生徒が増えてきた
磯貝悠馬と前原陽斗。運動神経が良く、仲も良い2人のコンビネーション。それに零士君から直接ナイフ術を教わっている生徒だ。おかげで飛躍的に実力をつけている
そして、2人が烏間先生にナイフを当てた
「良! 2人それぞれ加点1点!次ッ!」
ー赤羽カルマ。一見のらりくらりとしているが…その目には強い悪戯心が宿っている
ー女子は体操部出身で意表のついた動きが出来る岡野ひなたと男子並みの体格と運動量を持つ片岡メグ。最初は2人と比べて劣っていた倉橋陽菜乃は最近では戦い方が零士君そっくりになってきた。3人とも零士君の指導を受けている
ーそして…
「さぁ、烏間先生。やりましょうか」
「ああ。かかって来い!」
ー黒羽零士。最初の頃は中々クセの強い生徒だとは思ったが殺し屋としての腕は一流だ
「 ここだ!“
俺はそれを当ててこないと分かっていながら大きく避けてしまう
「…ッ! しまった!」
零士君は俺にナイフを当てる
「へへっ、今日は俺の勝ちですね」
ー今までの経験の中で身に付けて来たスキルを駆使して殺って来る。単独での暗殺で最も奴を追い詰めたこともあり期待できる
「んじゃ、俺ですね次は!」
ー白河優希。普段は俺でさえ少しふざけた奴だと思うときさえある。だが一度スイッチが入るとその変わり様は凄まじい。零士君が一点特化型なら彼は万能型。それも器用貧乏にならずどれも一流。しかし…
「とりゃっ! せいっ!」
ー近接暗殺だけはどうも苦手そうだ。スナイパーとしての援護射撃に期待したい
「そして殺せんせー。彼こそ正に、俺の理想の教師像だ。あんな人格者を殺すなんてとんでもない!」
「人の思考を捏造するな。失せろ
ー寺坂竜馬、吉田大成、村松拓哉の悪ガキ3人組。こちらは未だに訓練に対して積極性を欠く。体格だけは良いだけに…彼らが本気を出せば大きな戦力になるだろう
烏間先生は前の人との組手を終え、次の相手とのを始める
ー一部生徒は零士君や優希君との訓練の甲斐もあり己の個性をより伸ばした戦術も生まれてきている。全体を見れば生徒達の暗殺能力は格段に向上している。この他に目立った生徒はいないものの…
その時、烏間先生は何かぬるりとしたような、蛇のようなもの狙われているかのような錯覚に陥った。そして思わずその生徒を強く防ぎ過ぎてしまう
「…! すまん。強く防ぎ過ぎた。立てるか?」
「あ、へ、へーきです」
ー…潮田渚。小柄上に多少はすばしっこいがそれ以外に特筆すべき身体能力は無い温和な生徒。零士君達の訓練を受けているものの彼らからこれといった報告も受けていない。…気のせいか?今感じた得体の知れない気配は。その内2人にも聞いておこう
ー烏間先生sideoutー
◆◆◆
ー零士sideー
「それまで! 今日の体育は終了!」
「「「「「ありがとーございましたー!」」」」」
訓練が終わった。みんなはグラウンドに残り零士や優希と共に反省会
「いやーしかし当たらん!」
「スキなさ過ぎだぜ、烏間先生!」
「そうか?正義も岡島もその気になればやれると思うぜ。俺だって当てられるんだし」
「「お前と一緒にするなΣ!」」
木村と岡島が一斉にツッコむ。零士はその理由にイマイチ気づいていない
「せんせー! 放課後、街でみんなでお茶してこーよ!」
倉橋が明るい声で烏間先生を誘う
「…ああ。誘いは嬉しいが、この後防衛省からの連絡待ちでな」
そんな倉橋の誘いも烏間先生は真面目に断る
「…私生活でもスキがねーな」
「…っていうより…私たちとの間に壁っていうか、一定の距離を保っているような」
「厳しいけど優しくて、私たちのこと大切にしてくれてるけど。てそれってやっぱり…ただ任務だからなのかな?」
矢田と倉橋が少し残念そうに続ける
「そんな事ありません。確かに彼は先生の暗殺のために送り込まれた工作員ですが、彼にも素晴らしい教師の血が流れていますよ」
◆◆◆
「悪い、ちょっと俺ら烏間先生んとこ行ってくるよ。これからのプランを相談して来る」
零士と優希が職員室に向かう
「なぁ、零士。渚のことどう思う?」
「…すごいよあいつは。多分…磨けば俺もお前も敵わない。何で…俺らじゃなくてあいつなんだ、って思ったよ」
「嫉妬か?」
「……まぁそうかな?」
職員室の扉の前に2人は来た
入ろうとしたそのとき、扉が開き、小太りの男が出てきた
「やっ、俺の名前は鷹岡明。明日からここで働くことになった。よろしく、“ゼロ”、“ブレット”」
…コイツ、俺らのことを知ってる?
「どうした?俺の顔に何かついてるか?」
優希が黙ってこの男を見ている。ってことは観察してるんだよな。じゃあ、俺のやることは決まってる
「いえ、何も。ここで働くってことは…防衛省の方ですか?」
その質問に答えたのは鷹岡先生ではなく、烏間先生だった
「ああ。彼は俺の同期でな。教官としては俺よりも優秀だ。明日からの訓練は彼に一任することになった」
「どうした?不満そうな顔だな。安心しろ、“ゼロ”。邪魔さえしなかったらお前の居場所は取らないさ。それに……お前が本当はさつじ「やめろ!」…」
零士が急に大声を出す
「鷹岡先生、アンタどこまで知ってやがる!」
「どこまでって…全部さ。お前の最初の殺しから最後まで。生い立ちも学校での様子も。もちろん、“ブレット”、お前もな。おっと、勘違いすんなよ。俺はお前のことを評価してるんだ。きっと暗殺もお前なら成功できると思ってるさ」
そう言うと鷹岡先生は職員室から出た
「烏間先生。いいんですか?俺らの訓練、あれに取られて」
優希が烏間先生の目を見て聞く
「あいつの方が教官としては上だ。それに上からの指示だ。仕方ない」
「そうですか。では俺らはここら辺で」
結局2人は本来の目的を果たすことなく家に帰った
◆◆◆
「なぁ、優希。鷹岡って男、どう感じた?」
「…あの男、上っ面だけだ。見てていい気分はしない。ああいう奴は危険だ。それに俺らの過去を知ってるみたいだしな」
「だな。舞に頼んでみるか」
零士は携帯で舞にかけるが出ない。仕方なく龍牙にかける
{よう、どうしたレイ}
「龍さん、舞に頼みたいことがあるんだけど…」
{悪いな。アイツ、明日の朝まで他のバイトなんだ。戻って来たらですぐやらせるから。何だ、伝えるぜ}
「防衛省の鷹岡明、コイツを調べてくれ」
{…分かった。言っておくよ。じゃあ「待ってくれ」 どうした?}
「俺さ、ココにいていいのかな?アイツらに俺は何も話してない。それに…俺、殺し屋だしさ」
零士は少し弱気な声で言う
{いいんじゃねーか?お前は昔から…同い年の奴らと何かするなんてなかっただろ。中学最後の一年位、楽しめよ}
「そっか、ありがとな。じゃあ、鷹岡の件、頼むよ」
零士はそこで電話を切った
「どーだった?」
「ん?舞のやつ、今いないんだってよ。まぁ明日朝一番でやってくれるってよ」
「そっか。それにしても何か、清々しい顔してるな」
「そうか?まぁ少しはそうかな?」
「明日、何かあったら俺らで何とかしようぜ」
「おう」
別にいいよな。みんなに俺の過去を話してなくても。俺がどんな過去を抱えてようとみんなは受け入れてくれるよな。 俺が“黒羽零士”として生きる最後の一年、3月まで、楽しみたい。このクラスでたくさんの思い出を作りたいな
卒業したら“ゼロ”として生きて、自分の生きたいように生きる。そうやって、死んだら…メアリ、お前にもう一度会いたいな
零士のささやかな願いは叶うのか?
次回、鷹岡回2日目、では、また次回