遅くなって申し訳ありません。活動報告でも言った通り、SAOの小説も始めました。今後は暗殺教室とSAO、2作同時にやって行きます。これからもよろしくお願いします
「これが俺、“黒羽零士”、いや、“殺し屋ゼロ”の過去だ」
そう言い切った零士。それは、自分の中で“黒羽零士”はもう死んだということを表しているのだろうか
「じゃあ、俺帰るわ。殺せんせー、時間作ってくれてありがとな」
零士は早々に立ち去ろうとする。しかし、それを止めるため、零士の方には黄色い触手
「ダメですよ、零士君。まだ君は皆からの言葉を聞いていません。話を聞かせたからには、感想をもらわなければ。君は自分についての理解は深いものの、他人になると全然ダメですね。他人の感情や考えを自分で勝手に決めてしまう、君の悪い癖です」
殺せんせーに諭され、すぐに帰るのはやめた。しかし、皆の顔は暗いままだ
「ほら見ろ。誰も感想なんかねぇじゃねぇか。だったら俺は「じゃあ俺からいい?」……カルマ」
手を挙げたのはカルマだ。そういえば、このクラスに来た初日の時もコイツから質問されたっけ?
「正直言ってさ、ナメてた。お前がこんな過去を持ってたなんて考えもしなかったよ。確かに、メアリちゃんの死は辛かっただろうね。だけど、零士間違ってるよ。メアリちゃんの死はお前にそんな風になってもらうためのものじゃない。大事なことは、メアリちゃんの意志を継ぐことじゃないの?」
俺は……コイツが嫌いだ。いつものらりくらりとしてんのに、いざという時には核心をついてくる
「なぁ、零士。もう、自分を許してもいいんじゃないか?メアリちゃんはお前に“幸せ”になってほしいんだろ。だったら、1人になろうとするなよ」
ずっと優希には本心を隠してきた。本当はそんなはずはないけど、あいつに見られると全部見透かされてる気がしてならない
「零士君は……弱くなんかないよ」
そして、倉橋陽菜乃。頭がお花畑なコイツは……どこかメアリに似ていた。なぜか安心出来たのも多分メアリに似てるから。なぜかイライラするのもあの日、救えなかった自分を思い出すから
「零士君が“破壊の力”って言ったその強さ。だけど、私はそれに助けられたよ。私だけじゃない、みんなそう。初めて会った時、私を助けてくれた。修学旅行の時だって助けてくれた。律も零士君のおかげで変われた。イトナ君の時もみんなの気持ちを代弁してくれた。球技大会も勝てた。鷹岡先生の時だって!」
発せられた言葉が胸にスッと入ってくる感じ。これもそっくりだ。ホントに……イライラする!
「……うるせぇよ。んなもん、偶々だ。お前らのためじゃない。俺のためにやったことが回りに巡ってお前らが得をしただけだ」
「それでも、零士君に救われてる人はいるんだよ!それは破壊だけじゃない!救えるの!零士君はもう、誰かを救えるんだよ!」
「じゃあどうして!メアリは死んだんだ!それは俺には誰も救えない、それを現してるんじゃないのか!」
「破壊と救いは紙一重。壊せるなら救えるし、救えるなら壊せる。力ってそういうものじゃないのかな?」
……何だよそれ…………。要するに、俺が求めていたはずの強さはすぐそこにあったっていうのかよ
「んな事あってたまるかよ!じゃあどうして!俺は今まで悩んできたんだよ!“もうその力は持っていました。俺が気づいていなかっただけです。”そんなの納得出来るかよ!」
特徴的な音を出しながら、殺せんせーは近づいて来る
「その通りですよ、零士君。まさに、倉橋さんの言う通りです。君はもう、その強さを手にしていました。後は使い方だけです」
「自分が一番自分の事を分かってる!そんなはずはねぇ!」
「いいえ。人間、自分の事は一番分かっていません。不器用なくせに、プライドは高い。ある意味、魅力でもありますが大きな欠点でもあります。まずはその余計なプライドを一度捨てて、自分自身を見直してみてください。きっと、メアリさんの死も違った見方が出来ますよ」
……何も言えない。反論したいのに……何も言えない。もし、ホントにそうなら……
零士は言われた通りにしてみる。すると、今まで凝り固まっていた思考が動き出した。過去の出来事が鮮明に思い出されては消えていく。そして、メアリの死、メアリからの手紙の記憶が蘇る
あいつはホントは何を願っていたのか……。俺を庇ったのは何か別の意味があったのか……
気づくと、零士の目からは涙が溢れていた。彼女が死んでから3年。決して流れる事のなかった涙。枯れていたはずのそれが、気づかないうちに我慢していたそれが一斉に溢れ出す
「……メアリが望んでたのは……“殺し屋のいない世界”。もう、“俺たちのような子供が生まれない世界”。俺は……一体何をしてたんだよ…………」
俺は父親からの虐待を受けているうちにいつしか、考える事をしなくなっていた。だから….分かるわけなかったんだ。ヴァイスの巧妙に隠された真意が。メアリの意志が。俺が本当にやるべき事が
「ねー、零士。もう1つだけいい?」
「いいぜ、カルマ。いくらでも言え」
「俺たち、零士が何人、人を殺してようと関係ないよ。だって、俺たち
センキュー、カルマ。おかげで決心ついたわ
「ああ、もちろん。殺せんせー、あんたの事、必ず殺すよ。卒業までなんて言わずに今すぐ。これからは容赦しない。トップギアで殺るからさ、先生の命は……
「ヌルフフフフ。素晴らしい殺意です。やれるものならやってみなさい」
俺はナイフを取り出して斬りかかる。もちろん、眼は赤くなっているし、優希からの援護射撃もある。そして、共に殺す、仲間もいる
◆◆◆
翌日
「それにしてもはやみん。昨日は良いこといったね~」
「うっさい、中村!別に……優希のためじゃないし。あいつがいなくなったら……暗殺の成功確率が下がるから言っただけ」
「ツンデレ、ごちそうさまです」
「だからうるさい!」
今日も中村は絶好調。速水のツンデレも朝から調子がいい
「ねぇ、凛香ちゃん。私も優希君の事、応援するね」
「そうそう。ねぇ、みんなでグループ作ろうよ」
倉橋に矢田も言う。そう言うと早くもグループが出来、クラス中の女子が入る
「って、その名前何?」
LI○Eのグループ名は“陽菜乃と凛香を応援し隊”
「もちろん、陽菜ちゃんもおうえんするよ。だって零士君も中々のくせ者だもん。ねーみんな!」
矢田の問いに女子たちは一斉に頷く
「お互い、大変そうね」
「だね。そうだ!凛香ちゃん、私の事、陽菜乃って呼んでよ。いいでしょー」
「わ、分かったわよ。分かったから抱きつかないで!」
急に抱きついてきた倉橋を剥がそうとしている速水。最近ホントに苦労が絶えない
「えーじゃあ私も莉桜って呼んでよ。はやみん」
「中村はいいじゃない。それに、私も下の名前で呼ばれてるわけじゃないし」
「じゃあ、はやみんはやめる。お願い、凛香!」
「……分かったわよ。莉桜」
すると“私も下の名前で”なんていう人が続出し、クラスの女子のほとんどを速水は下の名前で呼ぶことになった
そこへ、噂の彼たちが登校して来る
「おっす。みんなおはよー!」
「朝からうるせぇよ、優希。……おはよう、みんな」
相変わらずのノリの優希にどこか冷めた零士。以前の変わらない様に見えて、その表情は立派に中学生だ
「お、おはよう、優希。遅かったじゃない。そのせいで射撃の訓練、出来なかったじゃない」
「はははっ、悪い悪い。零士を起こすのに手間取っちゃってさ」
倉橋と話していた零士が不満そうに優希を見る
「まぁまぁ、いいじゃんいいじゃん。じゃあさ、今度どっか出掛けようぜ。それでいいか、凛香」
「……///。べ、別に行きたいわけじゃないけどいいわよ。あんたが行きたいんだったら……///」
「りょーかい。じゃあ、俺が行きたいから、行こうぜ」
こちらは順調なご様子だ。クラスのみんかはうんうんと頷く。そして、次の注目はもう一組へ
「おは~、零士君。体大丈夫?」
「ん?ああ、大丈夫。ていうか、一番重症なのは優希に撃たれた足だけどな」
そう言って笑ってみせる
「あれ?その胸にあるの……」
「あ、コレか?ちゃんと烏間先生にも許可もらったぜ。メアリからもらったペンダント、没収は避けたいからな」
零士は倉橋に言われて、見せた後、直ぐにワイシャツの下に戻した
「似合ってるよ。だけど、零士君私服とは合わなそうだね。零士君、基本パーカーだけで機能性重視って感じだし」
倉橋がからかうように言う。零士もそれには苦笑い
「仕方ねえだろ。そういうのよくわかんねえんだから。それに……職業柄、色々と道具が仕込める方がいいからさ」
「じゃあさ、今度一緒に買いに行く?機能性とオシャレを両立出来るの探そうよ」
「お前が一緒ならな。1人だったら別に行かなくてもいいし」
「よしっ!じゃあ決まりね!今週末開けといてね~」
「早Σ!」
でも、なんだかんだ言って満更でもない零士。彼も徐々に人の心を取り戻してきているのだろう
まぁ、いっか。コイツといるのも最近悪くないと思ってるし。むしろ心地いい。この気持ち……初めてじゃねぇな。なんか……すげえ懐かしいな
そして、零士は久しぶりにその感情を感じた。それがこの先、吉と出るのか。それとも凶と出るのか。それはまだ、誰も知らない
無事和解&零士が気持ちに気づいた?回でした
次はプール!とい行きたいところですが、その前に鷹岡編の後処理をやります。零士と優希の殺し屋タッグがあの時の疑問を解消するために動きます。そしてそこで、再登場が予想されていたあの人が登場です。誰かって?ヒントはロンドンです
ではまた次回