暗殺教室 with 黒羽零士《凍結》   作:grey

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遅くなってしまいすいません。SAOの方の調子が良くてそっちを書いてました。近々定期テストなので更新速度が落ちるかな? というか感じです。
今日から今までの話を少し修正します。内容は変えず、文頭に空白を入れたりして、見やすくなればと思ってます。


水泳の時間

「律、タイムは?」

 

「26秒08。片岡さんの自己ベストには0.7秒届いていません」

 

「ブランクあるなぁ。任せてと言った以上は万全に仕上げないとね」

 

 そう言って、片岡さんはまた泳ぎ始めた。

 

「……うーむ、かっこいい」

 

「責任感の塊だね」

 

 そこへ、一組の男女がやって来た。

 

「へぇ、やってるねぇ」

 

「零士君、茶化さないの」

 

「へいへい」

 

 零士君と倉橋さんだ。彼がクラスに自分の過去を明かしてから、2人の距離はグッと縮まった。僕らは皆、彼女の気持ちを知っているので応援しているのだが……、

 

「つぅーかさ、お前まで着いて来る事なかったろ」

 

「べ、別にいいじゃん! 私だってメグちゃんの泳ぐ姿みたいもん」

 

「……あっそ」

 

 今までとあまり変わってない。零士君が少し鈍感過ぎるのかな? 本人も少なからず意識してるっぽいんだけどな……。

 

「おーい、メグ。俺も混ざっていいか? 泳ぎには割と自信があるんだ」

 

「私に挑戦? いいよ、かかって来て」

 

 零士君がパーカーを脱いで、水着姿になる。倉橋さんがそれを見て、頬を少し赤らめているのは別の話だ。

 

「ではお二人とも、準備はいいですか?」

 

 律の声に2人は無言で頷く

 

「よーい、スタート!」

 

 勢いよくスタートした2人。最初から飛ばす零士君と自分のリズムで泳ぐ片岡さん。勝負は後半戦だ。

 

「頑張れー、零士君! 頑張れー、メグちゃん!」

 

「2人とも頑張って!」

 

 倉橋さんと茅野の応援にも熱が入る。そう言う僕も、内心、どっちが勝つか興味津々だ。

 

 そして、2人はほぼ同時にゴールした。僕たちは皆、律の声を待った。

 

「零士さん、25秒97。片岡さん、26秒00です。残念ながら、零士さんの勝ちですね」

 

「あちゃー、負けちゃったか」

 

「何言ってんだ、ブランクありで自己ベスト更新。ブランクさえなけりゃ、俺の負けだ。流石だな、メグ」

 

「ありがと」

 

 そこへ、僕らのターゲットがやって来た。まずい……今、作戦がバレてはいけない。

 

「何を任されたんでしょうねぇ。やけに気合が入ってます」

 

「殺せんせーさぁ……、巨乳女優ね田出はるこにファンレター送ったでしょ」

 

「にゅやッ! なぜそれを!」

 

「机の中見ちゃったんだ。随分書き直したんだね。確か……“あなたを見ると私の触手が元気になるのです”だっけ? 普通にセクハラだよ。先生って教師だよね」

 

「先生、私……信じてたのに……」

 

 僕に続いて倉橋さんも追い打ちをかける。

 

「渚も倉橋さんも、もうやめたげて。殺せんせー、すでに瀕死」

 

「まだあるよ。この間、うちのクラスの2人を尾行してたよね。この写真、先生だよね、撮ったの」

 

 そこには目つきの悪い黒猫と天真爛漫な女の子が2人で買い物をしている様子が写っていた。

 

「あ! そ、それ……///。私が零士君と出かけた時の写真じゃん! せ、先生……殺してやる……///!」

 

 倉橋さんは殺意と恥ずかしさで顔が赤くなっている。

 

「ひぃぃッ! く、倉橋さん。お、落ち着いて。今すぐ全部破ります! 破りますから!」

 

「ダメ! わ、私が処分するから……ぜ、全部ちょうだい……//////」

 

 恋する乙女は殺意を捨て、欲を取った。言い方はあれだが、倉橋さんの零士君への想いが伝わって来た。後、なんか悪い事したな~。

 

 そんな時、プールの方から音がした。多分、携帯の音だ。

 

「片岡さん。田川心菜さんからメールです」

 

「あーうん。分かった。零士君、携帯取ってくんない?」

 

「はいよ」

 

「ありがと」

 

 片岡さんはそのメールを確認し、プールから出る。

 

「ごめん、零士君。せっかく練習に付き合ってくれたのに。用事出来ちゃったから先帰るね」

 

「あ、ああ。それは別に構わねぇよ」

 

 

 ー零士sideー

 

「メグの奴……何つぅ顔してんだよ」

 

「うん。友達と会う割には……すごく暗い顔してた」

 

 零士の言葉に同意する様に、倉橋が答える。

 

「見に行きましょう。しっかり者の彼女の事です。何かあるかもしれません」

 

 殺せんせーの言葉を聞いて、俺と陽菜乃、渚と茅野は動き出す。

 

 

 ◆◆◆

 

 

 零士たちは片岡が入ったファミレスに向かう。隠れながら片岡の様子を探っている。

 

「ホラ、そこの文法が違うんだってば。正しくは…………」

 

「あーそっかぁ。繋がったぁ!」  期末テスト近いからさぁ!  めぐめぐ、E組だけど、私の苦手な所、出来るもんね」

 

「……ま ね」

 

 片岡は少し声のトーンを変えて話す。

 

「……あのさ、心菜。私今、やりたい事があってさ。もうクラスも違うんだし、こうしょっちゅう呼び出されると……ね」

 

「……何それ。どーゆー事? もう呼ぶなって事?」

 

「……いや、そうは…………」

 

「……ひどい。私の事、殺しかけたくせに」

 

 たがわ……ここな……どこかで……。

 

「あなたのせいで死にかけてから、怖くて水に入らないんだよ。支えてくれるよね? 一生」

 

 思い出した、あいつだ!

 

 零士は1人、片岡の方へ向かった。

 

「あ、もぉこんな時間じゃん。友達と遊ぶ約束に遅れちゃう」

 

「よぉ、メグ、田川」

 

「零士君?」「れ、零士君!」

 

 前者が片岡、後者が田川だ。

 

「何やってんの、お前ら」

 

「れ、零士君、ち、違うのこれは……ただ、めぐめぐに勉強を教えてもらってただけなの! ね、そうだよね!」

 

「う、うん」

 

 俺はメグの事を少し見てから、田川と話す。

 

「そっか。よかった。俺には何か行き過ぎてた気がしてたから。これからも、ちゃんと対等な関係でいろよ」

 

「う、うん、もちろんだよ。零士君、次のテストで絶対戻って来てよ。本校舎の女子たちが待ってるよ。もちろん私もね。じゃあね」

 

 そう言って、田川は帰った。他の濡れたメグを残して。

 

「ありがと、零士君。それと……隠れてる4人も出て来ようか」

 

 

 ◆◆◆

 

 

「去年の夏にね、あの娘から泳ぎを教えてくれって頼まれたの。好きな男子含むグループで海に行く事になったらしくて。まぁ、その好きな男子っていうのが……」

 

 メグは俺の方を見る。

 

「俺だったらしいな。やたらと絡んで来たから覚えてる。あの頃の俺は演じてたから、周りの女子には興味なかったけど」

 

 陽菜乃が俺の方を睨んでる気がするが、今は無視だ。理由も分からんし。

 

「1回目でプールで泳げるまで上達した。だけど、その後も何回も教える予定だったのに、来なくてね。案の定、海で溺れて救助された」

「いやぁ、あれはダサかった」

 

「零士君……その言い方は……」

 

 渚に言われる。だってそう思ったんだから仕方ねぇだろ。

 

「それ以来あんな感じ。テストの度に教えて、自分の苦手科目をこじらせてE組行き」

 

「そんな……ちょっと片岡さんに甘え過ぎじゃ……?」

 

「いいよ。こういうのは慣れっこだから」

 

 俺はその言葉が気になった。だからそれは違うと言おうとした。

 

「メグ、それはよ ピッ! ぞ。

 殺せんせー! 被せんな!」

 

「す、すいません! でも、今は先生に任せてください」

 

 仕方ねぇ。任せてやるよ。

 

 俺は少し不貞腐れながら黙る。それと、田川の事をダサいと言った辺りから、陽菜乃の機嫌がいい。もう、訳分からん。

 

「いけません、片岡さん。しがみつかれる事に慣れてしまうと……いつか一緒に溺れてしまいますよ。例えばこんな風に」

 

 そう言って、殺せんせーが出したのは【主婦の憂鬱】というか紙芝居とは思えない題名の紙芝居。

 

 とにかく中身があれだった。何と言うか……リアリティがある。

 

「いわゆる共依存というやつです。あなた自身も依存される事に依存してしまうのです。片岡さん。あなたの面倒見や責任感は本当に素晴らしい。ですが、時には相手の自立心を育てる事も必要です」

 

「どうすればいいのかな……」

 

 ここだけは俺が言いたい。殺せんせーには邪魔されない。

 

「決まっています。「田川を泳げるようにすればいい」いい。にゅやッ! 零士君、被せないで!」

 

「お返しだ。

 メグ、お前のそういう所、マジで尊敬してる。だからこそ、お前の才能をダメにしたくない。俺たちが力を貸すぜ。大丈夫だ。俺たちにはゴシップ好きのエロダコがついてる。何とかなる」

 

「「「(全然頼りにならなそう)」」」

 

 全員が同じ事を心の中でツッコんだ所で、作戦は開始された。

 

 

 ◆◆◆

 

 

 田川は目を覚ます。起き上がるとそこは見慣れた自室ではなかった。幻想的な泉に寝てるわけないし、人外がいる所にいる意味も分からない。

 

「目覚めたみたいだね。えーと、こ、ここは魚の国! さぁ、私達と一緒に泳ごうよ!」

 

「……あんた、めぐめぐに似てない?」

 

 本人です。

 

「……違うし。めぐめぐとか知らないし。……魚魚(うおうお)だし」

 

「何その居酒屋みたいな名前Σ!」

 

 ですよねぇ。

 

 そこですかさず、殺せんせーがフォローに入る。その間は俺たちが埋める。

 

「僕の名前は魚太(うおた)

 

 魚太()が自己紹介をする。

 

「私の名前は魚子(うおこ)だよ」

 

 浮き輪をつけた魚子(茅野)も自己紹介。

 

「魚子は魚なのに浮き輪なのΣ!」

 

 ですよねぇ。

 

「俺は魚士(うおじ)。みんなからは魚氏(うおし)と呼ばれてる。サッカーが好きな河童だ」

 

 魚士改め、魚氏()はリフティングしながら自己紹介。

 

「魚氏はツッコミ所が多いなΣ!」

 

 ですよねぇ。

 

「私は魚乃(うおの)だよ~。突然だけどね、魚って生で食べる? それとも調理する?」

 

 魚乃(陽菜乃)は魚にとっての爆弾を投下しながら自己紹介する。

 

「魚乃は物騒Σ!」

 

 ですよねぇ。

 

「そして私が魚キング。川を海を自在ち跳ねる水世界最強のタコです」

 

「「タコかよΣ!」」

 

 思わず、俺もツッコんでしまった……。つぅかタコかよ……。

 

「素晴らしい連続ツッコミ。良い準備運動になってますね。入念なストラッチ。早着替え。そして入水!」

 

「ぎゃあ!」

 

 田川が練習している間、俺と陽菜乃は少し離れた所でリフティングしながら観察していた。

 

「なんか久々に見たなー。そのリフティング姿」

 

「だな。何か最近忙しかったからな。まぁ、今はそんな事どうでもいい。今重要なのは……殺せんせーが泳げるかどうかだ」

 

 その後も観察を続ける。しかし、泳げるという証拠は一個も出て来ない。むしろ、泳げない証拠はどんどん出て来る。

 

「こりゃ、確定だな」

 

「だね~。メグちゃんの方はどうかな~」

 

 見てみると、どんどん上達している田川の姿があった。

 

「大丈夫そうだな」

 

「だね。今度、優希君にもやってみる?」

 

「はははっ、そりゃいいな。別にそれで泳げなくても面白そうだな」

 

 

 ◆◆◆

 

 

「これで彼女に責任は感じませんね」

 

 メグはあの後、田川の様子を確認しに、本校舎に行った。無事に泳げていた田川を見てしっかりと荷物を下ろせた。

 

「これからは手を取って泳がせるだけではなく、あえて手を離す時も覚えといてください」

 

「はい。殺せんせーも突き放すとにあるもんね」

 

「ああ、それと。察しの通り先生は泳げません。水を含むとほとんど動けなくなります。ですから、皆の自力も信じて、皆で泳ぎを鍛えてください。そのためにこのプールを作ったんです」

 

「でもさ、殺せんせー。あれはどうかと思うんだけど」

 

 渚が俺の方を見る。え? 何をやってるかって? それは……、

 

「ほらほら優希、まだ10mだぜ。後990mだ。頑張れ」

 

「て、テメェ! 上がらせろ!」

 

「ダメだよ~。優希はちゃんと泳げるようにならなくちゃぁ」

 

「零士、カルマ。テメェら、覚えてろ! ゲホッ、ヤベッ、溺れる! 助けてくれ!」

 

「優希。ちゃんと手、動かして」

「優希君、頑張れ~!」

 

「片岡さん。あの2人では死人が出かなません。お願いしてもいいですか?」

 

「はい! 零士君、カルマ君! 私も手伝うよ!」




優希、マジドンマイ。因みに、優希はその後、泳げるようになりました! なぁんて事はありません。カナヅチのままです。
次回は予告通り優希と速水、番外編で零士と倉橋です。
お楽しみに。
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