暗殺教室 with 黒羽零士《凍結》   作:grey

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何とか間に合いました。期末テスト編です。念のため、零士の中間の成績を載せておきます。

英語100点
国語100点
社会100点
理科80点
数学80点
総合460点 学年15位

中間テストの時、零士はA組だったので変更されたテスト範囲を浅野理事長から教わりました。その結果がよく現れている結果です。

さて、今回のテストはどうなるのか?そして、初めてのテストとなる優希はどうなるのか?


期末の時間

「ヌルフフフ。皆さん、1学期の間に基礎がガッチリ出来てきました。この分なら期末の成績はジャンプアップが期待出来ます」

 

 殺せんせーはまた、自慢の分身でマンツーマン以上で教えている。

 

「殺せんせー。また今回も全員50位以内を目標にするの?」

 

「おい、渚。お前ら中間そんな事してたのかよ……。道理で急にテスト範囲が変わったわけだ。理事長の奴が張り切ってたからなぁ」

 

「で、その理事長に教わってた零士は俺よりも点数が低かったわけだ」

 

「うるせぇカルマ。テメェと違ってこっちはガチで殺し屋兼中学生やってたんだよ。それに、お前や浅野とは違って数学モンスターじゃねぇんだよ」

 

「へぇ。流石中間15位。言い訳もトップクラスだねぇ」

 

 とりあえず、イラついたから殺せんせーにナイフを刺す。まぁ当たる事はなく、そのナイフは取り上げられ、数学の参考書に差し替えられる。

 

「零士君。確かにこの間は先生、失敗しましたが、いい経験が出来ました。そこで今回は……この暗殺教室にピッタリな目標を設定しました!」

 

 俺や他のみんなが一斉に殺せんせーの方を見る。

 

「だ、大丈夫! 寺坂君にもチャンスがある目標ですから!」

 

 殺せんせーの分身総勢3人による慰めと言うなの傷への塩塗り。竜馬が可哀想た。そして、この間の事件の後、俺らは下の名前で呼び合う事になった。しかも、あいつは俺に個人レッスンまで頼んで来た。これは楽しみだ。

 

「さて、前にシロさん達が言った通り、先生は触手を失うと動きが落ちます」

 

 そう言うと、BB弾入りの銃で自分の足を破壊した。

 

「一本減っても影響は出ます。御覧なさい。全ての分身が維持しきれず、子供の分身が混ざってしまった」

 

「「「「「(分身ってそういう減り方するモンだっけΣ!)」」」」」

 

 俺達の心が一致した瞬間だった。

 

「さらにもう1本減らすと……。

 御覧なさい。子供分身がさらに増え……親分身が家計のやりくりに苦しんでいます」

 

「何か、切ない話になってきたな……」

 

「もう一本減らすと、父親分身が蒸発しました。母親分身は女手ひとつで子を養わなくてはいけません」

 

「「「「「重いわΣ!」」」」」

 

 ホントこの先生、こういうドラマになりそうな話、好きだよな。

 

「さらにもう一本」

 

 いつの間にか、クラス中がどうなるのか注目している。そういう俺もその1人だ。この先生は、ホント見てて飽きない。

 

「子供の一人がグレます。目つきが悪くなり、言葉遣いは荒くなり、喧嘩っ早くなって、黒猫みたいになります」

 

「へぇ…………ってそれは俺じゃねぇかΣ!」

 

「「「「「自覚あんのかよΣ!」」」」」

 

 思わずツッコんでしまった。あのタコ、ニヤニヤしてコッチを見てやがる……。絶対殺す。

 

「と、冗談はさておき。色々と試してみた結果、触手1本につき、先生は20%運動能力を失います。……そこで、テストについて本題です。前回は総合点で評価しましたが……今回は皆さんの最も得意な教科も評価に入れます」

 

 殺せんせーはそこで言葉を切った。

 

「教科ごとに学年1位を取った者には、()()()()()()()()()1()()()()()()()()()()()()()()()!」

 

 クラス中に戦慄が走る。つまり、総合と5教科トップを全部取れれば最大6本。

 

 今回のテストは、いつも以上に気合入れねぇとな。

 

 

「なぁ優希。お前はどうよテスト。いけそうか?」

 

「さあね。一応殺せんせーの授業は普通に出来るし、それ以上の知識もある。だけど……ここの理事長は曲者だからな。多分、あの人を殺す依頼をされたら、苦労するだろうな」

 

 優希らしい答えに苦笑いする。

 

 すると、友人に電話がかかってきたらしく、皆に目配せをした。スピーカー状態にして皆に聞かせる。

 

{俺達3年生のクラスの序列は最下層にお前らE組。横並びのB、C、D組。そして頂点に特進クラスのA組だ。そのA組が全員集結して自主勉強会を開いてるんだ。こんなの初めて見る}

 

 おいおい、ンな事やってのかよ。指導者はあの天才だな。俺の時はそんなのなかったぞ……。

 

{音頭を取る中心メンバーは、“五英傑”と言われる椚ヶ丘(うち)が誇る天才達だ}

 

 進藤は一度言葉を切った後、もう一度話し始めた。

 

{中間テスト総合2位! 他を圧倒するマスコミ志望の社会知識! 放送部部長、荒木鉄平!}

 

 ああ、あの嫌味ったらしぃクソ眼鏡か。でも……、

 

{中間テスト総合3位! 人文系コンクールを総ナメにした鋭利な詩人! 生徒会書記、榊原蓮!}

 

 ああ、あの毎回テストの度に国語の点数で勝負をしてきたチャラい奴な。でも、それよりも……、

 

{中間テスト総合5位! 4位を奪った赤羽への雪辱に燃える暗記の鬼。生物部部長、小山夏彦!}

 

 ああ、あの暗記暗記言ってるクソアゴ眼鏡の事か。だけど、それ以上に……、

 

{中間テスト総合6位! 性格はともかく語学力は本物だ! 生徒会議長、瀬尾智也!}

 

 ああ、こいつは記憶に新しいな。だけど、だけど……もう我慢できねぇ。

 

「そのノリなんだよ進藤Σ!」

 

 我慢できずツッコんでしまった。俺以外の奴等も腹を抱えて笑いを堪えていた。まぁ優希はもう大爆笑だが。

 

{その声は黒羽か。一回やってみたかったんだ、こういうの}

 

 こいつ、大物になるな。

 

{そして……俺達の学年で生徒の頂点に君臨するのが……。中間テスト1位。全国模試1位。支配者の遺伝子、生徒会長、浅野学秀。あの理事長の1人息子だ}

 

 あの化け物か……。全く、才能ってのはホント怖い。質の高い才能ってのは、息子にまで遺伝するほど強いのかよ。

 

{彼は人望厚く成績はトップ。プライドの高いA組の猛者達を纏め上げるカリスマ性。彼自身の指導力に加えて……、全教科パーフェクトな浅野各教科のスペシャリスト達。5人合わせて“五英傑”。5人合わせりゃ下手な教師より腕は上だ。ただでさえ優秀なA組が更に伸びる。このままだとトップ50はほぼA組が独占だ。杉野、奴等はお前らを本校舎に復帰させないつもりだ}

 

 進藤は球技大会で俺達が過去のE組とは違うと分かっているようだ。それゆえ、俺達を心配してくれている。

 

「ありがとな進藤。口は悪いが心配してくれてんだろ。でも大丈夫。今の俺らは……E組脱出が目標じゃないんだ。けど、目標のためにはA組には負けられない。見ててくれ、頑張るから」

 

{勝手にしろ、E組の頑張りなんて知った事か}

 

 すると、ここで優希が友人の近くに行って、進藤に向かって言った。

 

「それにしても、流石は椚ヶ丘が誇るスーパーエリート様だな。俺達に勝てるとでも思ってんのかよ。油断してると、お前も俺らの仲間入りだぜ」

 

{それは勘弁だな。白河、それだけの口がきけるんだ。点、取れるんだろうな}

 

「あたり前田のクラッカー」

 

{そうか、頑張れよ}

 

 優希、お前それどこで知ったんだよ。そんな疑問は誰の口からも出なかった。

 

 

 放課後、陽菜乃達と勉強会をする事になった。メンバーは男子が俺と優希、龍之介。女子は陽菜乃と速水に桃花だ。場所は“Assassin’s cafe”の奥の部屋。

 

「なぁ優希、こっちの計算どうやるんだ?」

 

「優希君、私にも教えて~」

 

「千葉君、平方完成ってどうやるんだっけ?」

 

「千葉、あんたここの問題分かる?」

 

 今は数学の勉強真っ最中。だが、数学が壊滅的な人か1人、苦手な人が3人、得意な人が2人と良くも悪くもバランスが良い。

 

「なぁ優希。何で数学がダメな奴ばかりなんだ?」

 

「ん? さあな。でも、零士が一番壊滅的だ。この間は、テスト中に数学だけ“オーバーロード”を使ったらしい」

 

「カンニングじゃないか」

 

 とにかく壊滅的な事になっている。

 

「零士、あんたに客。浅野君?って言うんだけど……」

 

 ルリが俺の事を呼びに来た。

 

 浅野だと……。

 

「どこにいるんだ?」

 

「店の一番奥の席」

 

「りょーかい。すぐ行く。悪い、俺ちょっと行ってくる」

 

 一時勉強をやめ、浅野の元へ向かう。

 

「やぁ黒羽。久しぶりだな」

 

「ホントだな。僕も君に会えて嬉しいよ」

 

 とりあえず、あの頃の作ったキャラでいく。

 

「猫を被るのはやめろ。僕は本音の君と話がしたい」

 

「……へぇそうか。つぅか、どうやってこの店を?」

 

「偶々さ。君が友人達と店に入るのが見えてね」

 

 俺はA組にいた頃から浅野を警戒していた。いつか自分の本性を暴かれると思っていたからだ。

 

「で、俺に何か用か?」

 

「黒羽。君はE組にいるべきじゃない。今回のテストで君は、A組に戻るべきだ。何を隠しているのかは知らないが、今ならまだ間に合う」

 

「……嫌だね。俺の居場所はコッチだ」

 

「君には才能がある。それ輝ける場所も指導者もA組には揃っている。あんな場所では君は輝かない」

 

 こんな短いセリフに、どうやったらここまで俺を苛立たせる言葉を詰め込めるのだろう。

 

「うるせぇ。俺は輝ける場所なんてどうだっていい。俺が輝く場所はE組だ。俺を導く指導者も揃ってる」

 

「君もバカじゃないだろう。この先、僕らと君達ではどれだけの差が生まれるのか分かるはずだ」

 

「分かんねぇなァ。俺は、敷かれたレールの上をただ進むのが大っ嫌いなんだよ」

 

 俺と浅野の間に火花が散る。互いに自分の主張を曲げない。

 

「ではこうしよう。君と僕、どちらが次のテストで順位が上なのかを競おうじゃないか。勝った方は負けた方に何でも1つ命令を下せる。実にシンプルでいいと思わないか?」

 

 こういう時の顔は、ホント理事長そっくりだ。俺は浅野の目を真っ直ぐ見て答えた。

 

 

 翌日、教室ではより面倒な事になつまていた。

 

「渚、お前がいながら何でそんな厄介事に発展すんだよ」

 

「ご、ごめん。みんなも結構ノリノリで……」

 

「まぁ過ぎた事は気にしねぇけどよ」

 

「でも、お前も浅野に賭けを申し込まれたんだろ」

 

「バーカ。ンなモン一蹴してやったよ」

 

『悪いけど、受けられないな』

 

『何?』

 

『何で俺がお前の土俵で戦わないといけないんだ。負け戦はしない主義なんだ』

 

『逃げるのか?』

 

『違うね。戦略的撤退だ。そして、次こそ勝つための布石さ』

 

『そんな負け犬の遠吠えのような事を君が言うとはね。失望したよ、黒羽』

 

『……でもよ。あんまり余裕ぶっこいてると、殺られるぜ。俺達E組は殺る気が違うからな』

 

 俺は昨日、こんな会話をした事を思い出していた。

 

「こらカルマ君! 真面目に勉強しなさい! 君なら十分総合トップ狙えるでしょう!」

 

 カルマは参考書を顔の上に乗せて背もたれに寄りかかる。

 

「言われなくてもちゃんと取れるよ。あんたの教え方がいいせいでね。けどさぁ、殺せんせー。あんた最近“トップを取れ”ばっかりで安っぽくてつまらないね」

 

 殺せんせーは何も言わない。

 

「それよりどーすんの? そのA組が出した条件って……なーんか裏で企んでる気がするよ」

 

 確かに、間違ってはいない。A組にはあの浅野がいる。あいつにかかれば、子供同士の口約束が立派な奴隷制度に早変わりする。

 

「心配ねーよカルマ。このE組がこれ以上失うモンなんてありゃしない」

 

 岡島がそう言い、陽菜乃も言う。

 

「勝ったら何でもひとつかぁ。学食の使用権とか欲しいな~。ねー、零士君は何かある?」

 

「少なくとも学食はいらねぇな。昼飯の度に本校舎に行かなきゃなんねぇし。そうだなぁ、毎日浅野ん家の車で送迎してほしいねぇ」

 

「ははっ、零士それ最高」

 

「何か零士君、夢ないな~」

 

 皆は俺の性格の悪い回答に苦笑いしたり、悪ノリしたりしている。

 

「ヌルフフフ。それについては先生、考えがあります。さっきこの学校のパンフを見てましたが、とっても欲しい物を見つけました」

 

 殺せんせーはうちの学校の説明会で配っていたパンフレットのとあるページを開き、その自慢の触手で指差す。

 

()()をよこせと命令するのはどうでしょう?」

 

 クラス全員そんな事、考えもしなかった。やっぱうちの先生、最高。

 

「君達は一度、どん底を経験しました。だからこそ次は、バチバチのトップ争いも経験して欲しいのです。先生の触手、そして()()。ご褒美は充分に揃いました。暗殺者なら、狙ってトップを()るのです!」

 

 

 E組はいつも以上に勉強した。そういう俺も、今までとは比較にならないほど勉強した。殺し屋としてじゃなく、3-Eの1人のアサシンとして、俺は担任(ターゲット)を殺す!

 

「あれ? 渚に莉桜ちゃん、何してんの?」

 

 本校舎のテスト会場を目指し、俺と優希は歩いていた。すると、その部屋の前で立っている渚と中村に遭遇した。何で入んねぇんだ?

 

「あ、零士君、優希君。あれ……」

 

 それは、教室の奥の席にいた。

 

「「……誰Σ!」」

 

「うん、だよね……」

 

 すると、そこへ烏間先生がやって来た。

 

()()だ。流石に人口知能の参加は許されなくてな。彼女の授業を受けた替え玉を使う事にした。交渉の時の理事長に『大変だなコイツも』……という哀れみの目を向けられた俺の気持ちが君達にわかるか?」

 

「「「「いやほんと頭が下がりますΣ!」」」」

 

「律と合わせて俺からも伝えておこう。頑張れよ」

 

「「「「はいッ!」」」」

 

 

 いよいよ始まる。本来1人で受けるはずのテストだが、今日は違う。同じクラスの仲間が、かって同じクラスだったライバルが、同じ舞台に集まる。このテストという名の闘技場で互いの武器とプライドをぶつけ合う。

 

 ー英語ー

 

「いやぁ、速いなぁ。中間とは比べ物になんねぇなァ」

 

 俺は周りを見渡す。A組では浅野と瀬尾、E組では中村と優希を中心に次々と問スターを撃破して行く。俺と渚もそれに続く。

 

「渚! 後ろ来てるぞ!」

 

「うん! それッ!」

 

 いち早く最終問題なら辿り着いた瀬尾。しかし……

 

「……倒れない? ウソだろ。満点解答の見本だぞ!」

 

 その横を中村が通り過ぎる。

 

「お堅いねぇ。力抜こうぜ優等生!」

 

 中村の一撃は問スターの急所を捉え、満点解答を叩き出す。

 

「多分読んでないっしょ。サリンジャーの“ライ麦畑でつかまえて”」

 

 次は俺らの番だ!

 

「行くぞ、渚ッ!」

 

「うん!」

 

 俺と渚も満点解答。問スターの急所を貫いた。

 

「よォ瀬尾。LAいただけじゃダメだって知ってるか?」

 

「外国で良い友達いなかったっしょ瀬尾クン。やたら熱心に本を勧めるタコとかさ」

 

「中村さん……流石にタコはいないと思う……」

 

 

 ー理科ー

 

 こちらは理科の試合会場。全員が杖を持ち、得意な魔法を駆使して問スターを撃破していく。

 

「本当の理科は暗記だけでは楽しくないです。“君が君である理由を理解(わか)ってるよ”ってちゃんと言葉にしてあげたら、この理科、すっごく喜ぶんです」

 

 奥田が乗っている理科が鎧を脱ぎ出し、楽しそうにスキップして行く。

 

「なぁ小山。俺もあれは無理だわ……」

 

「……黒羽」

 

 

 ー社会ー

 

「しくじったァ……!」

 

 ここ、社会には砲台のついた問スターがうじゃうじゃいる。確実に弱点を突いて、一撃で仕留めないと、こっちが殺られる。まさに荒木はそうだ。爪が甘く、奴の砲撃で撃たれた。

 

「何余裕ぶってんだ、黒羽Σ! お前も間違えているだろΣ!」

 

「……」

 

 うるせぇよ。

 

 

 ー国語ー

 

 この教科は俺の得意分野だ。ここで出来る限り点を取って、数学の分のカバーをしたい。

 

「春過ぎて 夏きるたらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山」

 

 神崎と榊原の薙刀が鎧武者型の問スターを撃破して行く。

 

「しゃがめ神崎ッ!」

 

 俺は神崎の背後にいた問スターに狙いを定めた。俺は慣れない薙刀を振りかぶり攻撃する。

 

「めぐり逢いて 見しやそれとも わかぬまに 雲がくれにし 夜半の月かな」

 

「ありがと、黒羽君」

 

「おう。後少し。頑張ろうぜ」

 

 

 ー数学ー

 

「龍之介、油断すんなよ」

 

「優希の方こそ」

 

 この2人を中心に問スターは倒されて行く。ん? 俺はどうしたのかって?

 

「大丈夫、零士君Σ!」

 

「お、おう……。何とか大丈夫だ、陽菜乃」

 

「う、うん。ならいいけど……。無理だけはしないでね」

 

「もちろんだ」

 

 

 2日間の攻防の末、全ての戦い(テスト)が幕を下ろした。暗殺、賭け(ギャンブル)。全ての結果は○の数で決まる。

 

 そして3日後。答案返却の日がやって来た。

 

「さて皆さん。全教科の採点が届きました。では発表します。まずは英語から……」

 

 このクラスでは中村を筆頭に俺や優希、渚と得意な奴が多い。

 

「E組の1位……そして学年でも1位! 中村莉桜!」

 

「「「「「おおっ!」」」」」

 

 下敷きを団扇のようにしている中村。表情は誰よりも嬉しそうだ。

 

「完璧です。君のやる気はムラっ気があるので心配でしたが」

 

「なんせ賞金100億かかってっから。触手1本、忘れないでよ」

 

「渚君、零士君、共に大健闘ですが、渚君は肝心な所でのスペルミス、零士君はリスニングですね」

 

 中村 莉桜 100点 学年1位

 浅野 学秀 99点 学年2位

 黒羽 零士 98点 学年4位

 瀬尾 智也 95点 学年5位

 潮田 渚 91点 学年8位

 

 ベスト3入んなかったか……。点は悪くねぇんだけどな。

 

「さてしかし、1教科トップを取った所で潰せるのは1本のみ。それに、A組との教科対決もありますから。喜ぶ事が出来るのは、全教科返した後ですよ」

 

 そうだった。それを忘れてはいけない。

 

「続いては国語。E組1位は2人! 1人は神崎有希子!」

 

「「「「「おおお~」」」」」

 

「そして……黒羽零士!」

 

「おっしゃぁッ!」

 

「「「「「おおっ!」」」」」

 

「がしかし、学年1位は浅野学秀! 神崎さんは大躍進ですよ。零士君は前回満点だっただけに残念ですねぇ」

 

 くそっ、ダメか……。

 

 浅野 学秀 100点 学年1位

 神崎 有希子 97点 学年2位

 黒羽 零士 97点 学年2位

 榊原 蓮 94点 学年5位

 

「では、続けて返します。社会! E組1位は磯貝悠馬97点! そして学年では……。

 おめでとう! 学年でも1位!」

 

「よっし!」

 

 クラス中で大歓声が沸き起こる。A組との賭けも2勝1敗と王手だ。

 

 磯貝 悠馬 97点 学年1位

 浅野 学秀 95点 学年3位

 黒羽 零士 93点 学年4位

 荒木 鉄平 93点 学年4位

 

 俺も結構惜しいとこまで行ったんだけどなぁ。

 

「理科のE組1位は奥田愛美! そして……学年1位は……素晴らしい! 学年1位も奥田愛美!」

 

「3勝1敗! 数学の結果を待たずしてE組がA組に勝ち越し決定!」

 

「やった!」

 

「仕事したな奥田! 触手1本お前のモンだ!」

 

 奥田 愛美 98点 学年1位

 浅野 学秀 97点 学年2位

 小山 夏彦 95点 学年4位

 黒羽 零士 85点 学年15位

 

 まぁ理科は得意じゃねぇし仕方ない。……次は……うん、ダメだ。

 

 

「流石にA組は強い。5教科総合は7位まで独占。E組の総合は彼を除けば竹林君、片岡さんの同点8位が最高でした」

 

 木に寄りかかり、グチャグチャにしたテストを持つカルマ。

 

「当然の結果です。A組の皆も負けず劣らず勉強した。テストの難易度も上がっていた。怠け者がついていけるわけがない」

 

「……何が言いたいの?」

 

 そこから離れるカルマ。殺せんせーはその後ろ姿に追い打ちをかける。

 

「恥ずかしいですねぇ~。“余裕で勝つ俺カッコイイ”とか思ってたでしょ」

 

 カルマは顔を真っ赤にする。

 

「分かりましたか? 殺るべき時に殺るべき事を殺れない者は暗殺教室(この教室)では存在感をなくしていく。刃を研ぐのを怠った君は暗殺者じゃない。錆びた刃を自慢気に掲げたただのガキです」

 

「……チッ」

 

 殺せんせーはその反応が見れた満足したのか、その場から離れる。

 

「……零士。いるんだろ。出て来いよ」

 

「気づいてたのか」

 

「何? お前も俺をからかいに来たの?」

 

「まさか? こんな成績、誇れねぇよ」

 

 赤羽 業

 数学85点 学年11位

 総合469点 学年13位

 

 黒羽 零士

 数学69点 学年75位

 総合443点 学年19位

 

「俺達は今回、何の戦力にもならなかったんだ」

 

「どんなに訓練で好成績出しても、現役の殺し屋でも、今回はダメだった」

 

「カルマ。今度はさ、絶対に見返してやろうぜ」

 

「……分かってるよ」

 

 

「個人総合1位、いや、個人総合1位タイおめでとう、浅野君。でも、E組と何やら賭けをしていたそうじゃないか。そして、それに負けたと聞いたんだが」

 

「くっ……」

 

 理事長室で会話をする親子。だがそこに仲の良さなど感じられない。

 

「私の事を“首輪つけて飼ってやる”とか言ってたね。ありもしない私の秘密を暴こうとしたり、よくも言えたものだね。同い年との賭けにも勝てない未熟者が」

 

 浅野は歯を食いしばり、悔しさや惨めさに耐える。

 

「そういえば、君と同じ順位の彼、E組への転校生だそうじゃないか。ずっとこの学校で学んで来た君は、一体何をやっていたんだろうね」

 

「……くっ……。覚えていろ、白河優希!」

 

 英語99点 学年2位

 国語100点 学年1位

 社会95点 学年3位

 理科97点 学年2位

 数学100点 学年1位

 

 総合491点 学年1位タイ

 

 

「ハックション! 風邪かな?」

 

「噂でもされてるんじゃないの?」

 

「凛香ちゃんは……してくれてなさそうだね」

 

「そうね。でも、優希、あんたそんなに頭良かったのね」

 

 速水の腕には5枚のテスト。それは全て彼女の物ではない。そこに書いてある名前は白河優希。

 

 英語99点 学年2位

 国語95点 学年4位

 社会96点 学年2位

 理科96点 学年3位

 数学100点 学年1位

 

 総合491点 学年1位タイ




零士は数学でかなり足を引っ張りました。文系は強くても理系が弱い。彼はメアリといた頃は英語で会話していたので出来ます。日本語を一時期話せなかったので、国語は必死で勉強したので出来ます。社会は、色んな国を回ったのでいつの間にか理解出来ています。しかし、基本力技の零士に数学と理科はいらないので出来ません。
優希は逆に潜入暗殺から力技まで何でもやるので、全て完璧です。

次回は終業式。賭けの清算と実は新しいオリキャラも登場します。

お楽しみに!

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