バカと冬木市と召喚戦争   作:亜莉守

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後131時間

―――第八幕から次の日の朝


第九幕

 

言峰明乃、本日は絶好調!

 

「おはよう!」

 

ご機嫌であいさつすれば悠里がふわりと笑った。

 

「あら、明乃 久しぶりに元気そうね」

「まあね。久方ぶりの仕事のない平日が過ごせたし、衛宮さんは相変わらず優しいし、いい人に会えたし文句なし!!」

「ん? いい人?」

 

悠里が怪しんだようすでぼくを見る。あー、説明不足だったか

 

「あー、悠里の2Pカラーみたいな人」

「いや、なによそれ」

 

くすりと悠里が笑った。まあ、そうなるよねー

 

「まあ、いい人だよ」

「そう、あんたがそういうのならばいい奴ってことね」

 

ぼくと悠里が笑っていたら、

 

「……もうそろそろで授業」

 

神海がいきなり後ろから声をかけてきた。アサシンさんも絶対にびっくりだと思う。

 

「「わっ」」

 

                      ☆

 

放課後、ぼくが帰りの支度をしていると同じクラスの女の子がそろそろとこちらへ寄ってきた。どうかしたのかな?

 

「あれ、どうしたの?」

「あ、明乃ちゃん実はね」

 

彼女が言うには校門のところにチンピラみたいな人が居るらしい、それで「嬢ちゃん」を探しているそうなのだがその特徴がぼくにそっくりなのだそうだ。

 

「チンピラって………わかった。帰るついでにぼくが見に行くよ」

「ありがとう!」

 

それにしてもチンピラって何だ? 知り合いにそんな人いないし……強いて言うならギル様か、そんなことを考えながら校門に行ってみたら

 

「チンピラってあんたのことかい!」

「お、嬢ちゃん」

 

見まごう事なきチンピラが居た。ランサーさんだ。アロハシャツを着崩していて、若干狂暴そうな狗を思い浮かべるその風貌と相まって、本当にチンピラのようにしか見えない。

 

「あーもう、何チンピラみたいな格好してるのさ」

「?」

 

ぼくがそういえばランサーさんは首を傾げる。まあ、しょうがないか

 

「しょうがない、今日空いてる? 服買いに行くよ」

 

ぼくはランサーさんを引っ張って学校から出た。

 

                   ☆

 

「あら? 明乃……って誰よあいつ」

「……知らない」

 

用事があって先に帰ろうとしていた悠里と神海は親友がアロハシャツを着た青髪の青年を引きずって歩くのを見て固まった。

 

「あ、悠里さん 神海さん……あれ、姉さんは?」

 

そこに偶然通りかかった明久が声をかける。

 

「あら、明久」

「……さっき謎のチンピラと一緒に歩いていった」

「チンピラ?」

 

流石にチンピラの知り合いは居ないはずだけど、と明久が返せば。

 

「まあ、そう見えたってだけかもしれないけど」

 

悠里も今回ばかりは見間違いよねと笑った。

 

                   ☆

 

駅をちょっと裏に入った所にある服屋へぼくはランサーさんを引っ張っていた。

 

「全くさー、そんな恰好してたらチンピラに間違われるのもしょうがないよ」

「なんか俺の恰好に文句あるのかよ」

 

がるがると地味に怒ってるランサーさん、まあ自分のセンスにケチ付けられるのは誰でも嫌だよね。でもさ、

 

「あるさ、もちろんあるとも! 大体あんたは素材がいいんだからもう少しくらいいいもの着たって誰も何も言わないよ。てかぼくが普通に見繕えばよかったかなぁ」

 

ぼくは周囲の目線なんて気にせずに歩いていた。

 

「(……あれって、アキノ?)」

「(そのようじゃの)」

「(え、隣にいる奴 誰?)」

「(うーむ、明久なら知っておるかもな)」

 

服屋に着いてさっそくぼくは服を選んだ。元々来ていた服が青だったせいか何とはなしに青色を選んでいた。

 

「よし、これに着替えてきて」

「だからな「嫌だなぁ。こっちの顔を立てるって名目もあるんだから、下手に目立たれるのはヤバいんだから色々と」……っ、しょうがねぇな。着替えてきてやるよ」

 

やりぃ、上目使い成功! こんな手我が家で使ったところで笑われるだけだしね。

他の服も選んでおこう。

 

「よし、後これと……これもでいいかな」

 

ランサーさん普通に見た目いいんだからあんなチンピラみたいな恰好しなくてもいいのになぁ。

ぼくはウィンドウを覗く知り合いには全く気が付いてなかった。

 

「(いいなぁ。アキノのコーディネートって)」

「(お主の場合はその前に明乃殿に気持ちを伝えることから始めんか)」

「(あれ、秀吉に南?)」

「(明久! アレ誰?)」

「(あれって……?)」

 

あ、ランサーさんが出てきた。青を基調としたシンプルな服装だけどうん、ぼくの目に狂いは無かったねー。アロハよりはよっぽどいいね。

 

「着替えてきたぜ」

「うん、僕の見立ては間違ってなかったね」

 

                    ☆

 

ウィンドウの中を眺めながら僕と親友二人はこそこそと会話をした。

 

「(マジで誰?)」

 

あんな青い髪の知り合い居ないよ?

 

「(お主も知らぬのか)」

「(彼氏……は無いか。タイプが違い過ぎる)」

 

タイプって言葉に反応した南がぐっと詰め寄ってきた。いや、なんでさ

 

「(え、好きなタイプとかあるの?)」

「(んー、一応聞いたことがあるのは和服が似合う包容力のある人だっけ)」

 

まあ、あれだよね。急に聞かれたからとっさに答えただけなんだろうけど

 

「(そ、そうなんだ)」

「(明乃殿も案外乙女なのじゃのう)」

「(該当しまくりな人が約一名いるけどね)」

 

うん、多分そうだよね。

 

「(誰?!)」

「(ウチのじーさん、普段から和服だし姉さんいつも甘やかしてるし多分とっさに出てきたのがじーさんだったって話だと思うよ)」

 

南が本当にorzって体勢になった。大丈夫かな?

南をちょっと心配してたら後ろから声がした。

 

「何をやってるのだね君たちは」

「?! ……ってなんじゃ知り合い殿か」

「どうかしたの?」

 

何だアーチャーか あれ、こんな所に来るようなタイプだったっけ?

 

「そんなところで君たちのような男子学生が溜まっていたら衆目も集まるぞ。かなり目立っているので声をかけたわけだが」

「あー、ごめんごめん。じゃあちょっとお暇……って南?」

 

見てみれば南が体育座りになってぶつぶつと何か言ってた。怖いよ?!

 

「恋する乙メン(おとこ)は大変じゃのう」

 

そうつぶやく秀吉、恋って誰に?

秀吉とは対照的にアーチャーはウィンドウの中の二人をじっと眺めていた。

 

「………」

「(アーチャー、どうかした?)」

 

念話で確認を取る。なんかあったら不味いし

 

「(いや、なんでもないさ)」

「(ならいいけど)」

 





もうこれは明乃さんCP確定でいいですかね? 正直このコンビで書くのが楽しい

まあ、一応南√もありますけどねー

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