バカと冬木市と召喚戦争   作:亜莉守

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第八幕

「こんのっ」

 

フードで顔見えないけど、結構焦ってるなぁ。ナイフの軌道がぶれてきてる。

 

「……きついんじゃないの? もうそろそろ諦めたら?」

 

ぼくがそう言うけど、さらに焦った様子でナイフを振るってきた。それをかわしながら気になったことを聞く。

 

「大体さー。なんでこんなことやってるのさ」

 

するとなにやら小さな声でその人が呟きだした。

 

「原作通りに進まないと……」

「原作? なにそれ」

 

何言ってるんだこの人。もしかして、ここ最近ウチにやってくる電波とかと一緒? 内心首をかしげているといきなり声を荒げた。

 

「なんであんたみたいなイレギュラーに令呪が宿るのよ」

「イレギュラー? は?」

 

やっぱりわけが分からないよ。それにしても今声聞いて気が付いたけどこの人女の人だ。てかこの声聞き覚えが………。

 

「なんで、ここはフェイトの世界じゃないの? それにこんな学園知らない!」

「………は?」

 

いや、この学園に来てるのに知らないってないでしょ。呆れていると、クナイ振りかざして再度襲い掛かってきた。

 

「あんたが、あんたがいなかったら!」

「…………」

 

叫びながら襲い掛かってくるの無言で避けていく。

 

「あたしがマスターになって!」

「……」

 

やっぱり聖杯戦争は知ってたんだ。さらに斬檄と叫びは続く。

 

「みんなを助けて」

「……」

 

ああ、なるほどね。

 

「愛されて」

「……だけ?」

 

うん、

 

「え?」

「言いたいことはそれだけ?」

 

ぼくは取り出した黒鍵を彼女に突きつける。

 

「!」

「君のそれって、ただ単にちやほやされたいだけじゃない?」

 

息を呑む音がした。そんなの無視してぼくは彼女に切りかかった。

 

「っ」

「そんな半端な覚悟で、戦争に参加するとか言わないでよ」

 

まずは一本、それが彼女の服の端を床に縫い付ける。

 

「!」

「大体聖杯戦争は第四次で無期限停戦してるんだ。今更聖杯戦争を始める? ふざけんな」

 

動けない彼女にさらに僕はもう一本黒鍵を使い肩口を床に縫いつけた。

 

「あっ」

「あの終わり(じごく)を続けてたまるか。わたしはあの終わりでもう終わったんだ」

 

あの()()()終わり(じごく)をもう一回なんて許さない。それも個人の身勝手な理由でなんて、本当に許せない。ただそれだけなんだ。

 

「ぼくらの世界(いばしょ)を奪うな」

「はひ」

 

さらにもう一本の黒鍵を彼女の首筋に当てて凄めば彼女はたちまち気絶した。

 

「ふぅ……ちょっと熱くなっちゃったかな」

 

興味本位でフードを外してみれば、そこにあったのは少し前に教会と遠坂家にやってきた魔術師の女の子だった。よく分からないけど電波の一種なのかな?

 

「術者はどうにかしたけど、どうにもなりそうにないなぁ」

 

周りを見渡す。みんな見事に気絶してる。

 

「基点を探さないと……」

「………あきの?」

 

か細くだけど悠里の声がした! 悠里の方を見てみれば起き上がってぼうとこちらを見てる悠里の姿があった。

 

「! 悠里?!」

「明乃、あんた今……」

「っ」

 

まさかとは思うけど見られてた?! ぼくがどもってると悠里がにやりと笑う。

 

「いいわ、あんたが秘密にしたいなら言わなくても」

「悠里………」

 

悠里がそんなこと言ってくれるなんてうれしいよ。ちょっと感動してたら悠里がキッとこちらを睨みつけて殴りかかってきた。

 

「なんていうかと思ったか。ばかぁぁぁぁぁ」

「うわっ、ゆ、悠里?!」

 

慌ててかわして、避けたことで倒れ掛かった悠里を抱きとめる。すると悠里はぼくを抱きしめてきた。

 

「心配するに決まってるじゃない! あいつなんか変な弾飛ばしてくるし、ナイフ使ってるし、一発でも当たったらあんたが怪我するんじゃないかって……」

「ごめん、ごめんね、悠里」

 

回された腕の強さでどれだけ悠里が心配してくれてたのかがよくわかった。

 

「?!」

 

じーんとまた感動してると教室の扉が開いた。敵襲かと思って構えたけどそれは全然必要なかった。見慣れた青い髪に少し見慣れているようでいない全身タイツのような概念礼装、それから赤い魔槍。

 

「よ、嬢ちゃん」

「ら、ランサーさん?」

 

なんでこの人ここに居るんだ?

 

「ん? あの麻婆神父が妙な結界を感知………」

 

ランサーさんの声が途中で止まる。ランサーさんを見て固まっている悠里を見つけたんだ。

 

「な、な、な」

「あ」

 

説明するのが面倒だよ。それにこの全身タイツが知り合いとか普通の人は言いたくないよね。

 

「なんなのよ。一体!?」

「悠里、耳痛い。事情は一応説明するから離して。この状況どうにかしたいんだけど」

 

どうしよう、本来って一般人には秘匿だよね。でも悠里の記憶を消すのは忍びないし。どうしろと。

ぼくが悩んでいると教室の外からこちらに生霊がぞろぞろと入ってきた。

 

「うわ」

 

どうしろと

 

「なによ、こいつら」

 

驚いている悠里の腕がゆるまる。よし、これなら逃げれる!

ぼくは悠里の腕から抜け出し、ランサーさんの横に立つ。それから黒鍵を取り出す。

 

「……ランサー、殲滅するよ」

「おうよ」

 

よし、この状況は絶対にどうにかしないと。後ろから送られる視線に気が付いて振り返る。そこには悠里が心底心配そうな顔でぼくを見ていた。

 

「悠里は下がってて」

「明乃」

 

ぼくは上手く笑えてるかなんて分からないけど一応笑って。

 

「足手纏いは勘弁願うよ。悠里、これは君とっては全く普通じゃないんだ」

「っ」

 

中学のとき、最初に不良に絡まれた時に言われたことの仕返しだ。悠里が悔しそうな顔をしながら頷いた。ランサーさんと敵の方に向き直ればランサーさんが聞いてきた。

 

「嬢ちゃん、準備はいいか?」

「もち、これでも一応シスター見習いなので」

 

思わず普段言ってることが口に出てきた。どうしよう訂正とか入れたほうがいいのかなとか思ってると。

 

「なんでかしら、凄い説得力」

「嬢ちゃんもそう思ったか」

 

なんでなのかな? それで説得できたらおかしいよね。

 

「よし、殲滅完了! ……って、これもしかして」

 

戦いながら教室を飛び出して、扉を閉めて悠里の安全を確保してから廊下にいた連中を倒しきればいつの間にか結構学園のはずれの方まで来たんだけど。そしたら何か地面に埋まっている変な鉄の輪を見つけた。

 

「ん? これは結界の基点だな」

「ラッキー」

 

これを外せば上手くいく! そう思って引き抜こうと思ったら後ろから肩を叩かれた。

 

「あれ、明乃ちゃん!」

「え、龍之介さん?!」

 

聞き覚えのある声に振り向いたらオレンジの髪に紫の上着、少し苦手にしてるアーティスト兼第四次聖杯戦争キャスターのマスター、雨龍龍之介さんだった。

 

「良かったー見つかって。はい、これお土産」

 

ほいと渡されたのは目の前にある鉄の輪と同じような気配をもったクナイだ。

 

「これ、結界の基点じゃ」

「うん、何かぶらついてたら見つけてさ。明乃ちゃんにあげるよ」

「ども……」

 

ぶらついてて結界の基点を見つけるってどうなんだろう?

 

「あれ、ちょっとまって。基点を外したのに結界が落ちてない?」

「それもそうだね。もしかしたら全部の基点を外さないと落ちない代物だったりして」

「うわぁ、心底面倒なんだけど」

「まあ、一緒にがんばろ」

 

それは心底不安です。

 





終わる気配がしないんだ。ついでに言うならぐだぐだ過ぎて読者が付いていけてない気がするんだ。

あと、新連載始めたい。いや、エタってるのどうにかしたほうがいいんだろうけどさー。ネタがないのさ。どうしよう、思いつくのは新作のネタばかり。
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