バカと冬木市と召喚戦争   作:亜莉守

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第六問

 

次の日、僕らは授業を全部使って削れた点数の補充を行った。

大方のテストが終わった後、いつものメンバーでちゃぶ台を囲む。

 

「テスト終った………」

 

南はちゃぶ台に突っ伏している。よっぽど疲れたに違いない

 

「そうじゃのう、未だに頭が痛いのじゃが気のせいかのう」

「知恵熱じゃない? 二人とも勉強してるの?」

 

僕の言葉にいち早く反応したのは南だった。

 

「アキヒサ、俺の場合問題文が読めないだけなんだからな!!」

「その言葉が耳に痛いのじゃ。昨日ばかりは勉強しようと思ったのじゃが、つい台本に目が行ってしまっての」

「そっか、演劇熱心なのはいいけど勉強もね。秀吉、英語出来るの?」

「特には出来んのじゃが」

「そっか、英語とか古典とかできたらできる役が広がりそうな感じしない? 英語をすらすら言えたら帰国子女の役とか、古典を知っていればその役だってできるだろうし」

 

何とはなしに考えただけなんだけどねと言おうとしたら秀吉は真面目に考え、はっとした表情になった。

 

「! その点は考えてなかったのう」

「……俺には縁のない話だよ」

「いや、南もそこまですらすらと喋れるなら今度は読み書きもやろうよ……こっちで生活していくなら読み書き重要だよ?」

「うっ」

 

南の表情が苦虫をつぶしたような感じになった。でもさ、南って書類とかちゃんと書けるのかなって本気で心配してるんだけど。入学式の時は「鳥田卥」とか書いてたもん。ちなみに卥って本当にある文字なんだね。思わず辞書引いちゃったよ。

そこに少し疲れた表情をした姉さんがやってきた。

 

「あれ? 何の話してるの」

「あ、姉さん。語学勉強は大事って話」

「あー、確かにね。イギリスとか嫌だ」

「そういえば高校卒業したら一年間イギリスだっけ?」

 

確かこの前そんなこと言ってた気がする。

その言葉を聞きつけた南が食いついた。

 

「え、そうなのか?!」

「そうなんだよね。勝手に決めやがって」

「やっぱりか、姉さんが海外行くなんて変だと思った」

 

言峰さんが決めたか、言峰さんのお父さんが決めたかどちらかかな?

僕らがそんなやり取りをしていると南が唐突に言いだした。

 

「俺、英語がんばる」

「いや、南はそれよりも日本語がんばりなよ。テストの点低すぎると留年とかあるし」

「うっ」

 

もう一回苦虫をつぶしたような表情の南を見て姉さんはクスリと笑っていった。

 

「まあ、島田君がんばれ?」

「お、おう」

「………これだけあからさまなのに気づかんのかお主ら」

 

                     ☆

 

次の日の朝、悠里さんが僕に言った。

 

「それじゃあ、明久Bクラスに宣戦布告してきて頂戴」

「あれ? 僕なんだ。てっきりまた姉さんかと」

 

姉さんなら例えBクラスの人が相手でも(物理で)勝てるはずだよね。

 

「明乃に関しては別の作戦のために取っておきたいのよ。Bクラスの代表が誰か知りたいし、あなたなら大丈夫でしょ?」

「うーん……了解」

 

渋々僕はBクラスに向かった。教室の前でちょっと躊躇する。

 

「いまさらながらに思った。安受けあいするべきじゃなかった」

 

そうだよね。姉さんが暴れて治まるような仕打ちが待っているわけで、武闘派じゃない僕としてはやめたい気持ちに押しつぶされそうになる。

 

「ま、考えすぎてもしょうがないか。失礼します」

 

ほぼヤケクソでBクラスに入った。いきなり入ってきた僕にクラス中の目線が集まる。逃げたくなるのをこらえて、言った。

 

「2-Fクラスの衛宮明久です。Bクラスの代表はいらっしゃいますか?」

「ここだけど。何か用事?」

 

赤紫の髪に黒の目のショートヘアの女の子がこちらへ来た。あ、サバ研の根本泰子(きょうこ)さんだ。勝負事ならどんな手でも使う外道とか言われてるけど………

 

「はい、2-Fクラスは2-Bクラスにしけ「ふざけんなよ」おっと」

 

いきなり僕に殴りかかろうとした人を避ける。その人は派手な音を立てて黒板に激突した。

 

「あー、大丈夫?」

「つまりウチのクラスに試召戦争を申し込みに来たってわけね」

 

根本さんがさらっと言う。意外だ。こういう時って上手く戦争を回避する方法を探しそうなイメージがあるのに。

 

「まあ、そういうことで」

「はぁ、気は進まないけど上位クラスの宿命か。受けてたつわ」

「ありがとうございます」

 

あっさりと交渉は終了した。ホッとしつつ教室を出ると数人のBクラスの男子生徒に囲まれた。

 

「おい、ちょっと待てよ。てめぇはここでボコボコにされるのが常識だろうが」

「おう、ちょっと面かせや」

 

なんか今、頭の中でぷちっと音がした気がする。ふぅん、この人たちも『由緒正しい』魔術師と同類なんだ。そうなんだ

 

「ふーん、底辺クラスの人間には人権はないって言うことかな。そっかそっか、Bクラスってそういう社会的な常識がない人間の集まりなんだ。へぇー」

 

僕が挑発するように言えば取り囲んでいる人たちは顔を真っ赤にさせて叫ぶ。

 

「んだと」

「どういう意味だよ」

 

言った通りの意味じゃないか

 

「大体さ、自分たちに不合理なことが起こったからって末端である使者をどうこうしたところで意味あるの? あ、そっか。ストレス発散のためか。そうなんだぁ。ま、僕にはそんな気はぜんぜんありませんが? 君たちのところの代表は竹を割ったような性格してて結構いい人って思ったけど下にいるのが君たちみたいな人じゃねぇ。それに普通にこれマスメディアとかに持っていけば大騒ぎだ。問題が露呈しないように工作するなら、まず問題を起こすなって話だよね、普通は。ま、別にこの学校のあり方に文句つける気はないけどさ。それでもここにいる人のあり方には文句をつけたいよ。一般常識くらい守れよ、お前らは人間なんだからさ。それとも人の皮を被った別の種族だったり? 成績がいいってことが正義だと思うなよ」

「「「………」」」

 

むかついた僕はそのままそこを去った。

 

                    ☆

 

Fクラスへ向かう廊下をとぼとぼ歩く。あーあー、やっちまった。と後悔しているところで肩を叩かれた。

 

「よ」

「日暮さん?」

 

そこには新学期から一緒の学年になった日暮広夢さんが居た。僕の顔を見てにやにやと笑っている。

 

「さっきの啖呵俺としては格好良かったぜ?」

「そんなことないよ。思ったことそのまま言っただけだし、ぜんぜん理論とかない感情だけだから」

 

本当に只、感情をぶちまけただけなんだよね。多分、論理的に矛盾しているところを見つけるのなんて簡単だと思うし。

 

「そこがいいんじゃないか? 『成績がいいことが正義じゃない』あれはこの学校の連中にとっては驚きというか盲点じゃないか。俺みたいな外部の人間は普通にそう思うけど、昨日一昨日、学校を見せてもらったがこの学校はそういう風に考える人間が大多数だろ。それを考えたらお前の発言が一石を投じたと言ってもいいんじゃないか?」

「どうも、とりあえず行こうか」

 

立ち話もなんだしと二人で廊下を歩く。日暮さんはにっと笑っていった。

 

「おう、俺、実は代表に頼まれてお前の様子見にきたんだよ。下手やって怪我してないか確認してこいだとさ」

「それはどうも、そういえば日向君って何してるの?」

 

日暮さんとはよく喋ってる気がするけど日向君とはあんまり喋ってない気がする。

 

「まあ、色々か 向こうの生徒会の仕事も忙しいみたいだからなー」

「え、日向君って生徒会なの?」

「おー、俺もな。雑用係だけど」

「へぇ、そうなんだ」

 

それは凄いことだと思うんだけど。

そういえば、ウチって生徒会とか……ないな

 

                     ☆

 

キーンコーンカーンコーン

その日の午後、昼休み終了のベル。すなわちBクラス戦開始の合図。

 

「よし、行ってきなさい!目指すはシステムデスクよ!」

「「イェス マム!」」

 

今回の作戦はまず敵を教室に押し込むことが目的なので、渡り廊下戦は絶対に負けられない。僕達は廊下へと駆け出した。

 

「Bクラスの連中は生きて返さないように!」

「プランAで行くぞ」

「「了解!!」」

 

今回、僕と南は前線部隊隊長だ。前回の戦闘結果と今回の教員の配置的問題でこうなったらしい。

渡り廊下に着くと、戦闘が開始される。

Fクラスのは勢いはいい。でも、戦力差が半端じゃなく、第一陣がことごとくやられていく――――ことは無かった。

 

「何で攻撃が当たらないんだよ」

「ちょ、なにやってんのよ。それあたしの召喚獣よ!」

「あ、俺の召喚獣が戦死した?!」

 

プランA 『相打ち』 つまりは敵の攻撃をかわして、別の敵に当てる。HP(てんすう)が低いなら、操作技術(テクニック)で補え。それが今回の戦闘のコンセプト……らしい。提案者は日向君、提案した後に「金の恨みは恐ろしいからな」とか言ってたけどお金関係ないよね? 日暮さんが苦笑いしてたけどあれはなんだったんだか。

 

                  ☆

 

Fクラスの教室にて、ぼくは暇を持て余していた。

 

「あー、暇?」

「何でそこで疑問形なんだ?」

「うーん、ちょっとね」

 

何となく嫌な予感がするから。よこしまな気配を感じて、日向君を引っ張り掃除用具入れの中に隠れた。その直後、誰かがどかどかと入ってくる音がした。

 

「?!」

『おー、やっぱり誰もないな』

『早くやっちまおうぜ』

 

どう考えてもウチのクラスの奴じゃないな。そう考えていると教室をごそごそと弄る音が響いてきた。やっぱりか

 

「(言峰、これは?)」

「(あー、やっぱか。Bクラスの代表はあくどい手段でも普通にする外道と評判だからな。あ、外道っても勝負事の世界においてのみだけどね)」

 

日常生活においてまで外道な親父とは全然違うよなぁ。

 

「(このまま好きにさせていいのか?)」

「(何で? ぼくと日暮君が対策を講じないとでも?)」

 

日暮君とは昨日一昨日でトラップについて語ることによって同士となったのだ。いやぁ、いつも語れる人が居ないもんだから肩身の狭い思いをしてたよ。あー、そういえば凛のとこのアサシンともよくそういう会話するなぁ。

そこにクラッカーが鳴る音がした。よっしゃ、成功!

 

「(えっと………)」

「(物理には物理でしょ。トラップなんざ常識だね。一部のメンバーに事情説明してカバンの中身を変えさせてもらったんだよ。見事に引っかかるとは)」

『おい、今なんか物音が………』

 

あ、彩夏が帰ってきた。

 

『げ』

『いや、相手は一人だ。やっちまえ!!』

 

いや、一応人への物理攻撃って禁止じゃぁ?

 

『………はぁ、試獣召喚(サモン)。お前らも早く召喚しろ、召喚しなければ敵前逃亡になるぞ?』

『ぐっ、試獣召喚(サモン)っ!!』

試獣召喚(サモン)っ!』

 

召喚獣が召喚されたようだ。召喚獣勝負になるのかな? と思っていたら。

 

『落とすぞ』

 

いきなり雷が落ちたような音がした。何事?!

 

「「((?!))」」

『ぎゃんぎゃん煩いぞおまえら』

『補習っ!!!』

『『ぎゃああああああ』』

 

見事に教室を荒らそうとした不届き者は補習室送りになった。掃除用具入れの前に誰かが立つ気配がした。

 

『明乃、そこに居るだろ?』

「さっすが彩夏だね」

『……ここか?』

 

掃除用具入れの扉が開く。ぼくらの姿を確認した彩夏がちょっと絶句した。おお、意外だね。

 

「………何やってんだ?」

「うーん、逃げ込んだらこの状況?」

 

現在ぼくと日向君はすし詰めみたいな状態になっていた。その様子を眺めて彩夏が一言

 

「はぁ、悪いな。日向、こいつが絶壁で」

「「え?」」

 

いや、何で? 絶壁が何か関係あるの?

 






えー、アンチ誠に申し訳ありませんでした。文月学園の存在や規則(ルール)は構わないけど、人個人の在り方には文句を言いたくなった……って感じですかね。

上位クラスの人間は下位クラスの使者をフルボッコにしてもいいなんて暗黙の了解にツッコミを入れてみました。

それから、根本はTS組の一人です。別にオリキャラでも何でもなくTSです。まあ、キャラがそこそこ違いますが


軽い気持ちでアンケート、閑話休題編

・どきどきデート大作戦((多分)メイン 士郎と海人) 一票
・ブロッサム先生パロ (メイン アーチャー以下サーヴァント)
・トラぶる超時空パロ (メイン 衛宮家と言峰家)
・他アイデアあったらご自由に
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