バカと冬木市と召喚戦争   作:亜莉守

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第十問

 

「では、両名共準備は良いですか?」

 

Aクラスとの最後の戦いが始まった。立会人はAクラス担任かつ学年主任の高橋先生が務める。

 

「ああ」

「……問題ない」

 

団体戦の内容は五対五で教科の選択はこっちが三にあっちが二ってことになってる。

一騎打ち会場はAクラス。ボロいFクラスでは締まらないからね。

 

「それでは一人目の方、どうぞ」

「アタシから行くわ」

 

向こうからは秀吉のお姉さん。対するこちらは、

 

「ワシがやろう」

 

秀吉だ。実のお姉さんが相手なんだ。苦手科目や集中力の乱し方を知っているはずだし。

 

「……では、教科は何にしますか?」

「悠里、科目はどうするのじゃ?」

「科目選択権は使わないで、あとに残して起きたいの」

「では姉上、科目選択をしてほしいのじゃ」

「高橋先生、数学でお願いします」

 

高橋先生が機械を操作する。あれ、秀吉って数学できたっけ?

 

数学

Aクラス 木下優子 376点

      VS

Fクラス 木下秀吉 231点

 

意外と出来てた。古典や英語は気合入れてたから知ってたけど本当に意外だ。

 

「うそ、ここまでできるの?!」

「ワシだってFクラスの一員じゃ! 皆が頑張っておるのにワシだけが努力をしないわけが無かろうに。姉上、いざ尋常に勝負じゃ!!」

 

薙刀に袴姿の秀吉の召喚獣が鎧にランスを持った秀吉のお姉さんの召喚獣に向かっていく。戦況は秀吉の方がやや優勢かな?

 

「このっ」

「……」

 

秀吉のお姉さんはちょっと焦っているようだ。まあ、そうだよね。いつも格下に見てた弟がここまでやるようになってるんだから。

 

「!」

 

秀吉の召喚獣が勝負に出た。負けじとお姉さんがランスを振りかざして……

 

数学

Aクラス 木下優子 DEAD

      VS

Fクラス 木下秀吉 DEAD

 

同時に戦闘不能になった。初戦から白熱した戦いだ。両者ともに譲らないバトル、見ていた他の人たちの熱気も上がる。これは引き分けってことかな。

 

「では、初戦は引き分けです」

 

秀吉がとぼとぼと帰ってきた。どうしたんだろう?

 

「お疲れ様 秀吉、凄いじゃないか、Aクラスの人相手にあそこまでの立ち回りするなんてさ」

「明久か。いや、ワシは姉上に勝てなかったのじゃ……」

「勝った負けたじゃないと思うけど」

「しかし、ワシは!」

「次の方どうぞ」

 

あ、もう次なんだ。

 

「私が行きます。科目は物理でお願いします」

 

Fクラスからは・・・

 

「よし。頼んだわよ、明久」

 

え、なんでさ。

 

                  ☆

 

「えっと、僕?」

 

アキは凄く驚いた表情をしていた。まあ、いきなりの指名だもんね。

 

「頼んだわよ」

「えー」

「早くしてください」

「あ、はい……あ」

 

条件反射で返事をしたらしい。アキらしいと言えばアキらしいけど、それでいいの?

 

「勝たせてもらいます! 試獣召喚(サモン)!!」

「はぁ、なんでさ。試獣召喚(サモン)

 

互いの召喚獣がフィールドに出現した。Aクラスの人の召喚獣は割と普通の装備だね。対するアキは……え?

一瞬目を疑ってしまった。前の時は学ランに木刀というチンピラみたいな恰好だったのが黒コートに赤いマフラーという謎のスタイルに代わっている。それに肩に引っ掛けてるのは和弓? いや、弓のような形をした何か? とりあえず何なんだアレ

 

「じゃあ、よろしく」

「負けませんよ!」

 

物理

Aクラス 佐藤美穂 389点

      VS     

Fクラス 吉井明久 279点

 

点数自体はアキの負けだけどアキが負けるって正直あるのかな? そんなことを考えている間に戦況は動いた。

 

「てやっ」

「……召喚獣でもさ」

 

ドスっと何かが刺さる音がした。

 

「……うそ」

「頭とか首とかは急所になるらしいよ?」

 

物理

Aクラス 佐藤美穂 DEAD

      VS     

Fクラス 吉井明久 269点

 

勝負は一瞬でついていた。Aクラスの人の召喚獣の頭に矢が突き刺さっている。すなわち即死だ。アキって昔から射的とか「的に当てる」ことが得意だったけどここまでとはね。

 

「ありがとうございました」

 

静まりかえった教室にアキの声だけが響いた。

 

                   ☆

 

「まさかここまでとはね。正直予測してなかったわ」

「ん? そうかな」

 

とりあえず勝負を終えて帰ってきたのはいいんだけどなんかメンバーの空気が重い。

 

「Fクラスの勝利ですね。では三番目の方どうぞ」

「……………(スクッ)」

 

神海さんが立ち上がった。

 

「じゃ、ボクが行こうかな」

 

まぁ誰が来ても神海さんには勝てないだろうけど。

 

「一年の終わりに転校してきた工藤愛子です。よろしくね」

「教科は何にしますか?」

「…………保健体育」

「土屋さんだっけ?随分と保健体育が得意みたいだね?」

 

神海さんの噂ってここまできてるの?

 

「でも、ボクだってかなり得意なんだよ?……キミとは違って、実技で、ね♪」

 

色んな意味で問題発言だ!!

 

「そっちのキミ、吉井君だっけ? 保険体育で良かったらボクが教えてあげようか?もちろん実技で」

「あー、姉がジェノサイドるんでお断りします」

 

イリア姉さんは色んな意味で怖いからなぁこういうもの関連に関しては、一回士郎のエロ本が見つかった時の騒動と言ったら……思い返したくもない。

顔色が悪い僕を見て地雷だと感知してくれたらしく工藤さんはそれ以降話題に出してくれなくなった。よかった

 

「そろそろ召喚を開始して下さい」

「はーい。試獣召喚(サモン)っと」

「………試獣召喚(サモン)

 

神海さんの召喚獣は忍装束に小太刀の二刀流。

一方工藤さんは・・・

 

「なんだあの巨大な斧は!?」

 

武器は破壊力のありそうな巨大な斧。加えて腕輪までしている。

 

「実践派と理論派、どっちが強いか見せてあげるよ」

 

腕輪を光らせて巨大な斧に雷光をまとわせ、ありえないスピードで神海さんの召喚獣に詰め寄る。

 

「それじゃ、バイバイ。情報屋ちゃん」

「神海っ!」

 

斧が召喚獣を両断する──

 

「…………加速」

 

直後、神海さんの腕輪が輝いて召喚獣の姿がブレた。

 

「………え?」

「…………加速、終了」

 

ボソリと、神海さんがつぶやく。

一呼吸置いて、工藤さんの召喚獣が全身から血を噴き出して倒れた。

 

保険体育

Aクラス 工藤愛子 446点

      VS

Fクラス 土屋神海 572点

 

100点差か。流石神海さんだね。

 

「そ、そんな……!この、ボクが……!」

 

工藤さんが床に膝をつく。相当ショックみたいだ。

 

「……それから一言、私は別に保健体育に興味があるわけではなく人体や人格に興味があるだけ。勘違いはほどほどに」

 

神海さんが淡々と言って〆た。

 

                  ☆

 

「これで二対一ですね。次の方は?」

「あ、は、はいっ。わ「あたしだけど?」

 

こちらからは彩夏が出る。夢路は今回不参加のはずなんだけど?

 

「それなら僕が相手をしよう」

「やはり来たわね、学年次席」

 

あれが久保利光か。久保君は夢路に次ぐ学年総合三位の実力の持ち主で、振り分け試験を夢路とか彩夏とか鈴原さんがリタイアした今、二年で次席の座にいる男……実質学年四席? まあ、彩夏は興味のない科目の手抜きがなくなったらもっと上行くんだろうけど。

 

「ここが一番の心配どころね」

 

久保君と彩夏の実力はほぼ互角。負ける可能性は否定できないわけで。

 

「科目はどうしますか?」

「総合科目でお願いします」

「ちょっと待った!何を勝手に―――」

 

思わず突っ込みを入れてしまった。まだこちらは一科目しか選んでない

 

「構わねーよ」

「彩夏?」

 

大丈夫なの?

 

「それでは………」

 

高橋先生が前と同じように操作を行う。

それぞれの召喚獣が喚び出されて──一瞬で決着がついた。

 

総合科目

Aクラス 久保利光 3997点

       VS

Fクラス 比奈丘彩夏 5409点

 

「マ、マジか!?」

「いつの間にこんな実力を!?」

「この点数、霧島翔子を越えているぞ?!」

 

点数差1000オーバーか。やるねぇ、彩夏

 

「ぐっ……!比奈丘さん、どうやってそんなに強くなったんだ……?」

 

久保が悔しそうに彩夏に尋ねた。最近まで拮抗していた、いや下だったはずの実力がここまで離されたんだ。気になるだろう。

 

「どうやってって……ま、下剋上も悪くない。それ以下でもそれ以上でもないさ」

 

彩夏、かっこよく締めてるところ悪いけどそれ説明になってないんじゃ……ぼくのツッコミは空へと消えた。

 

                   ☆

 

「弱りましたね。まさかこうなるとは」

「「………」」

 

立会人だった高橋先生と代表二人が押し黙る。3勝1引き分けでFクラスのコールド勝ち。こっち的にはありがたいんだけどなぁ。

Fクラスの面々は嬉しそうにしている。だけどあの環境にAクラスの人を置いておいたら絶対に大変なことになりそうな気がするんだけど………

 

「どうするのさ、勝つには勝ったけどあれはちょっと……」

「まさかコールド勝ちできるなんて考えてなかったんだけど」

「……あれ、と言うのは?」

「あー、高橋先生はFクラスの学級環境を知らないんですか?」

 

学年主任はこの人だよね?

 

「いいえ、そう言ったことは教頭に全任しているので」

「だったら論より証拠です。ぼくたちが試召戦争起こすきっかけを見せますよ。神海」

「……準備は万端」

 

神海がAクラスのスクリーンにFクラスの写真を撮った画像を映した。あからさまに酷すぎる教室にAクラスの生徒の口からはFクラスはよくあんな環境に居られるなという声が出ていた。

 

「えー、実はですね。これ、意図的なんです。神海、比較って出せる?」

「……もちろん」

 

去年の写真と今年の写真、見比べてみれば環境が著しく変化したのは一目瞭然だ。

 

「これは……すぐに職員会議を招集します!」

「うーん、とりあえずなんですけど。AとFが入れ替わるとしたら、多分それは当然の結論だと思います。これはもう学習する環境なんかじゃないんですから」

「ええ、どちらにしても教室の改修は約束しましょう」

 

うし、言質再度ゲット!

こうして、第一次試召戦争は閉幕した。

 




怒涛の展開ですみません。


軽い気持ちでアンケート、閑話休題編

・どきどきデート大作戦((多分)メイン 士郎と海人) 二票
・ブロッサム先生パロ (メイン アーチャー以下サーヴァント)
・トラぶる超時空パロ (メイン 衛宮家と言峰家)
・他アイデアあったらご自由に


ついでに好きな数字を選んでください

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