アーネンエルベの一席、そこでフラグメイカーたちの邂逅が行われていた。先に決意をしたのはシリーズ内一番まともな主人公と呼ばれたイケメン魂EXの彼だった。
「……俺、やっぱり断ってくる」
目に決意が満ちている。それを見てエロゲ主人公の方は驚いた。
「え、なんでだ?」
「……どれだけ修羅場になろうとも大切な人とのデート潰したくない。色々話聞いてくれてありがとうな、エミヤ」
颯爽と去っていく海人、その背中がすべてを物語って……いるといいなぁ。
「あ、うん……」
普通に返事をしてから違和感に気付く。
「俺、名前 名乗ったっけ?」
☆
アーネンエルベを出た俺はすぐに一番交渉が楽そうな人物に電話をかけた。
「あ、トオサカ 今、時間ある?」
トオサカリン、生徒会の副会長であり滅多なことでは暴走し……ないはずの常識人? 特技はゲリラ戦法とハッキング、強力なファイヤーウォールほど燃える根っからのハッカーだ。ついでに言うなら拝金主義者、お金とかで意外と釣れる……地味にちょろい。
『ん? どうしたのよ。あ、もしかして土曜日の件?』
「うん、その日彼女と約束があってさ……日にち変えてもらえないか?」
流石トオサカ察しがいい。このまま交渉成立するといいのだが……
『あー、流石ウミ 嫁のためならえんやらこんやってやつ?』
「まあ、そういうことで」
と言うよりもこっちに来てから初デートなんだけど。
『わかったわ。しょうがないわねー。ま、勢いで話しちゃったあたしもあたしね。生徒会のメンバーにはあたしから伝えるわ』
「え、どういうこと?」
生徒会メンバー全員か? でも普通にレオとかラニとかユリウスとかから連絡きたけど……まさか
『ん、言ってなかった? 生徒会のメンバーで遊びに行きましょうって話だったんだけど』
「……トオサカ、全然それ聞いてない。全員から連絡来て、それぞれ別の話だと思った」
『あ、そうなの? はぁ、だから誰かが代表すればいいって言ったのに』
「そういえばリップとかメルトとかエリザとかから連絡来たんだけどそれもか?」
このまま一挙解決も夢じゃないのか?! でも、物事がそう簡単に俺の期待通りに事は進むわけもない。
『え、なによそれ知らないわよ?!』
「そっか……トオサカ、俺逝ってくる」
惨殺死体になりかけたとしても、とりあえずデートには行きたいな。
『ちょ、誤字半端ないわよ?! ウミ?! ウミ!!』
☆
アーネンエルベに独り残された衛宮士郎の携帯が鳴り響く。士郎が出てみればそれはデートに誘ってきた一人、遠坂凛だった。
『あ、もしもし衛宮君?』
「ん、遠坂か?」
『今ちょっと時間あるかしら』
「おう、大丈夫だぞ」
基本的にお人好しの士郎は普通に返事をする。
『今度の土曜日の件なんだけどね』
「あ、あれか……」
今、絶賛悩み中の所を突かれて思わず暗くなる士郎、しかし凛の発言に驚いて冷静になる。
『ちょっと事情があるから無かったことにしてほしいの』
「あれ、どうしたんだ?」
『うぅ、い、色々とあったの!! そういうわけだからもう切る!!』
ブツッと乱暴に電話が切れた。切れた携帯を眺めながら士郎は呟く。
「……なんだったんだ?」
☆
教会の懺悔室、凛がぼくの携帯を使って士郎に連絡を取っていた。ちなみに凛の携帯は買った初日に爆発したらしい。なんでかな? ぼくの携帯は爆発しなくてよかった。連絡が終わったらしく凛がテーブルに突っ伏した。
「……はぁ」
「よくできました。てか、凛ってテンプレ的なツンデレだよね」
「何よそれ!」
「いやいや、何でもないよ。で、好きな人をデートに誘ってみるの?」
好きな人が誰かようやく分かったよ、と言うよりもどれくらい前から好きだったのさ。
あーうーとかやってる凛を見ながら若干にやにやしているとそこにノックもしないでランサーさんが入ってきた。
「よー、嬢ちゃんたち何話してんだ?」
「あ」
何という間の悪さ……いや、運の無さか。うん、そうだったよね。幸運のステータス塗りつぶされてたし。凛は会話を聞かれたと勘違いして顔を真っ赤にさせている。
「この、間が悪すぎよっ!!!」
「うぉ?!」
あ、ガトリングガントが飛んだ。ランサーさん上手く避けてるけど、うわぁ廊下が……誰が修理すると思ってるのさ。
「……教会で暴れないでよ」
ぼくの呟きは空へと消えた。
『遠坂凛』編終了
ザビ男こと日向海人は上手くデートてか誘いを断ってデートにこぎつけられるのか、はたまたキレた女子に惨殺死体(と言う名の再起不能なまでのベコベコ)にされるのか、こうご期待。
士郎に関してはどうしたらいいのさ。士桜も捨てがたいし士剣も捨てがたいんですけど
弓凛も好きですが今作では無いかな。うん、無いんです。
どうでもいい話、中の人的には主剣とか主狐とか主桜とかも好き。弓女主は微妙なんだよね。ま、本命は主剣ですが
何が言いたいかって? こっちが優柔不断なのでカップリング希望募集します。そういうことです。