さて、そんなこんなで次の日、悠里さんは教室の中央に立ってクラスの気合を入れていた。
「さて、今日は模擬店に関しては最終日よ。みんな気合入れるわよ!!」
「「「おうっ!!!」」」
最終日は部活の発表会みたいなものなので模擬店自体は二日間で終了だ。僕の隣の姉さんが伸びをする。今日もチャイナ服だ。
「さーて、頑張りますか。親父たちまた来るらしいし」
「え、そうなの? 僕の方はじーさんたちは来なくて幼馴染たちが来るそうで」
じーさん、僕の文化祭があるからって無理して出かけてたらしい。うれしいけど無理しないでほしかったなぁ。
「そっかぁ、ちょっと残念かな」
「そういえば、雁夜さん取材に来るって」
確か雁夜さんライターの仕事が入ったとかでウチの学園祭見に来るって言ってた気がする。
そのことを言ったら姉さんの顔が嬉しそうになった。
「よし、頑張るか」
「変わり身早すぎだよ」
姉さんのタイプって着物が似合って包容力のある人だもんね。完璧に当たってるや。
☆
午前中は僕らのシフトだ。準決勝の相手は何故か居なかったため不戦敗ってことになった。なんでだろう? そこに士郎がやってきた。
「兄さん」
「お、士郎いらっしゃいま……せ」
後ろを見て思わず固まった。
「何で固まってるのよ?」
「どうかしましたか?」
「アキヒサ、どうしたの?」
凛に桜ちゃん、それにイリア姉も居た。うん、なんと言う女子ハーレム、羨ましいなって思ったりもするけどそれ以上にマズイって感じが物凄くした。ちょっと胃が痛くなりそう。
「……士郎、悪いこと言わないからウチのクラス入っちゃダメ」
「は?」
士郎がぽかんとする。まあ、その反応が正しいんだけどさ。
「うん、みんなと他の出し物見てきなさい」
「いや、何でだよ」
説明しようかどうしようか悩んでいた時に、
『『『『異端者だぁぁぁぁ』』』』
どうやら女の子と仲良くしているクラスメイトが居たらしい、お前らいい加減にしてほしいんだけど? 昨日は結局、回転の問題であまり稼げなかったから悠里さんが凹んでたって言うのに。
『なんでこうなるんだ』
あ、日向君か 確か彼女いたはずだし、それかな? その後ろから数名の男子が出てくるんだけど一人子供混ざってる?!
『なあ、何の騒ぎだよコレ?! 日向、お前いっつもこういう目に遭ってるのか?!』
『あはは、面白いですねー』
『レオ笑い事じゃないぞ』
それを追いかけていく覆面集団、ウチのクラスの男子の評価って一部を除き最底辺な理由が丸わかりだよね。
『奏者?!』
『『センパイ?!』』
『ちょ、どうなってるのよこの学校?!』
『理解不能です』
『マジでごめんな』
多分、彼らの連れであろう女子の声がした。とりあえず、と士郎たちの方を向く。
「……わかってもらえたかな?」
「あ、ああ」
分かってもらえてなによりだよ。マジでこの学校はリア充にとって危険地帯なんだ。
「てか、どうなってるのよこの学校」
「さぁ?」
「ごめんね……色んな意味で」
あんなのがクラスメイトとか泣きたくなってきた。
☆
シフトで教室で接客していると見知った人が声をかけてきた。
「あ、明乃ちゃん。遊びに来たよ」
「あ、雁夜さん! いらっしゃいませ」
今日はパーカーなんだ。逆に新鮮だなぁ。
「うわぁ、結構いい設備だね」
「まあ、Aクラスですし」
元々はね、それをぼくらがぶんどったわけですし。
「そっか、でもここまで設備が違い過ぎると苦情とか出ないの?」
「あー、出ましたね。てか、出しました」
事の顛末はこの前遊びに行ったときに話しているので割愛させてもらった。
「そうなんだ。ところでおすすめとかある?」
「なら胡麻団子とかおすすめですね。おいしいですよ。今ならセットもありますよ」
「じゃあ、それで。あと、花巻と杏仁豆腐と月餅に……」
次から次に注文が入る。早っ、てか多いよ?!
「雁夜さん、どれだけ食べるつもりですか?」
思わずそう言ってしまった。雁夜さんはきょとんとなる。可愛いけどこれとそれは別問題なわけで
「え? ああ、昔ちょっと流動食しか食べられなかった反動かな。食べれるときに食べたいなと」
「そうですか、とりあえずお茶お持ちします」
そういえば、雁夜さんは苦労してたんだよなぁと思いだしたぼくだった。
☆
士郎たちをどうにか魔窟から離れさせた後、今度は意外なお客が来た。
「あれ? 何できてるの」
僕のサーヴァント アーチャーだ。昨日もきてたよね?
「いや、そういえば君の模擬店には行っていなかったなと思ってね」
「そうなんだ」
内心冷や汗が出る。これで不味いとか言われたらおしまいだ。頼まれていたセットを用意してアーチャーが座っているテーブルへと向かう。
「胡麻団子のセットお持ちしました」
どう言うのかが気になってそのままアーチャーが食べるのを見ることにした。
胡麻団子を食べ、お茶を飲んで一言、
「ふむ、中々の味だな」
よっしゃあああと思ったのも一瞬だけでした。
「しかしだね……」
物凄いダメ出しを食らった。うぅ
「どうかしたのかね?」
「うぅ、なんでもないさ。何でウチのサーヴァントはアーチャーなのさ」
もういっそのこと
「!?」
☆
さて、午後一番 僕は内心物凄く憂鬱な気分で召喚大会の会場へ向かう廊下を悠里さんと歩いていた。
「……はぁ、何で参加してるんだろう僕」
「急にどうしたのよ」
「いや、これから起こる頭を割るような、なんでさに耐えられるかなって思って」
「なんでよ?!」
アーチャー見たら絶対驚くんだろうなぁ。そんでもって頭にガツンと響くレベルの念話で「なんでさ」って言ってくるんだよ。それを憂鬱に思わないで何を憂鬱に思えと?!
「うん、僕だって好きであの召喚獣使ってないんだよ? でも絶対になんでさってくる気がしてしょうがないんだもん。それにさぁ……」
「とりあえず帰ってきなさい」
「わっ」
悠里さんに背中を叩かれてちょっと現実に戻る。あ、鬱になり過ぎだった。
「あたしとしては翔子と決着つけられればそれでいいの、明久は木下の姉をよろしくね」
「あ、うん。じゃあガンバろっか」
「当然でしょ。あたしは翔子に勝つんだから!」
僕と悠里さんはハイタッチをした。よし、とりあえず念話は切っておこう。
☆
中華喫茶のにぎわいもちょっと薄れてきた。
「あー、そういえばこれから最終戦か」
「あ、忘れてた。アキヒサ出てるんだよな」
「そういえばそうじゃのう、見に行きたいがシフトの関係上不可能じゃし」
「……そんなあなた方に朗報(クイクイ」
いきなり袖を引っ張られた。
「!?」
Aクラス自慢の巨大モニターに召喚大会の会場がきっちりと映し出されている。
「……中継、つなげてみた」
流石神海だね。これなら仕事しながらでも見れるや。
「おお」
「凄いのう」
「これなら普通に応援できるな」
悠里とアキが立っているのが見える。ああ、なんて言うかさ。
「最終戦か……ちょっと出てみたかった気もするなぁ」
☆
最終戦の会場で僕らは向かい合っていた。実況の人が何やら言ってるけど僕たちには関係ない。
「……奇遇?」
「そうかもね、翔子」
悠里さんと霧島さんは妙にずれた会話をしている。
「はぁ、何でこんなことに」
「同情はするよ。木下さん」
でも手加減する気は無いけどね。悠里さんにも頼まれてるし。
「……悠里、一つお願いがある」
「ん? なによ」
「……私が勝ったら言いたいことがあるの」
「?」
どうしたんだろう? 聞いてみようかと思ったけど、それ以上に、
「……(じゅるり」
「?!」
妙な悪寒を感じた。なんでだろう?
そんな僕はさて置き、先生がこちらを見てくる。
「それでは両チーム準備はよろしいですか?」
「はい」
僕は答えた。頑張らないとね。
「ええ」
悠里さんも答えた。悠里さんの言い方には決意があった。
「……大丈夫」
霧島さんが答える。どこか、自分に言い聞かせるような言い方だった。
「大丈夫です」
木下さんが答えた。そう言った彼女の目に迷いは無かった。
そして全員が同時に召喚の言霊を紡ぐ。
「「「「
世界史
Aクラス 霧島翔子 467点 & Aクラス 木下優子 287点
「やっぱりAクラス、点数高いね」
「そうね。とはいえ負けられないのよ」
世界史
Fクラス 坂本悠里 346点 & Fクラス 衛宮明久 578点
点数が表示された途端、他の全員が僕を見た。なんでさ
「「「え?!」」」
「あ、言ってなかったっけ? 僕、歴史だけは得意なんだよ?」
世界史と日本史は得意中の得意です。それにテスト受けるギリギリまで復習してたもんね。
「得意とか言う点数じゃないわよそれ」
「いや、悠里さんも取れるよね一応」
そんな会話をしていると木下さんの召喚獣が突っ込んできた。
「はぁっ!」
僕は召喚獣をバックステップでかわさせる。
「っと、悠里さんは霧島さんよろしく!」
「わかってるわよ」
さて、始めるとするか!!
☆
投影した双子剣を使いながら木下さんの召喚獣の攻撃をいなしていく。でも一つ一つのダメージが大きい、風圧だけでどうしてそこまでの点数削れるのさ。だけど、召喚獣勝負には慣れている僕が負けるわけにはいかないし。
「強い」
「当然じゃない。伊達に観察処分者やってないよ?」
「観察処分者? バカの代名詞じゃないそれ」
あ、木下さんもそんなこと言うんだ。いい加減にしてほしいよなぁ。そういう人、昔からいたよ。僕はバカだって決めつける人とか、それを思い出したせいかな。ちょっとイラッときてキツイ言い方になってしまう。
「は? なんでさ、噂で人を判断するとか天下の優等生様もただの人ってやつだね」
「なによ! だったら、観察処分者って何なのかを説明できるの?!」
あれか、バカには説明できないはずとか思ってるわけ?
「はぁ、学校の実験に付き合う代わりに特殊能力を持った召喚獣を使役できる特殊称号、これで分かる?」
分かりやすく説明しましたが何か? 木下さんは驚いた。
「うそ、そんな内容だったの」
「うん、名前だけで避けるような貧弱には興味ないんだとさ。さて、もうそろそろ畳み掛けるとするかぁっ!!」
ちょうどよく投影精度も溜まったしね。木下さんの召喚獣のランスを双子剣で弾き飛ばす。
「え、あ」
「鶴翼三連っ!!」
Fクラス 衛宮明久 408点
VS
Aクラス 木下優子 DEAD
「どうだっ!!」
召喚獣が負けて木下さんは呆然としている。
「負けた………」
「当然でしょ。一年間の雑用は無駄じゃなかったんだから」
僕の労苦は無意味なんかじゃないさ。
☆
一方、こちらは坂本悠里対霧島翔子
「……っ」
「はっ」
戦闘面に置いては一日の長がある悠里が少しだけ有利なようだ。
追い込まれつつも霧島は悠里を見据えて一つ尋ねる。
「……一つ、聞いてもいい?」
「なによ翔子、心理戦でもするつもり?」
悠里がいぶかしげに彼女を見た。そんな悠里を見て、霧島は首を横に振る。
「……違う、悠里今幸せ?」
「ええ、当然でしょ」
「……そう」
悠里の召喚獣が止めを刺そうとするが、霧島の召喚獣は抵抗をしない。すると、急に悠里の召喚獣の動きが止まった。
「ま、でも」
「?!」
そのまま悠里の召喚獣は後ろへと飛びずさった。悠里が笑う。
「アンタも一緒に居てくれたらもっと幸せかしら」
「!」
悠里と召喚獣の動きが完璧にシンクロしている。悠里も悠里の召喚獣もにやりと笑った。悠里が叫ぶ。
「来なさい。翔子! 今は過去も関係ない、あたしは正々堂々勝負したいのよ」
「……うん!!」
拳と刀による一進一退の攻防が続く、しかしそれもずっと続くわけでは無かった。霧島の召喚獣が突き出した刀を悠里の召喚獣は横に避け、そのまま刀を横から叩き、霧島の書簡中のバランスを崩した。
「これで、最後ぉっ!!」
「……!」
悠里の召喚獣の拳が霧島の召喚獣に突き刺さった。
Fクラス 坂本悠里 3点
VS
Aクラス 霧島翔子 DEAD
こうして試験召喚大会は衛宮・坂本ペアの勝利で終わった。
がんばったよね……ぱとらっしー(ヽ´ω`)
うん、正直怒涛の展開過ぎたんだ。もう少し余裕を考えてやれば良かったなと思った。ぶっちゃけ後悔済みだよ。
ちなみにネタの時点ではUBWっぽい何かが発動してたはずだった。なのに普通の技になったんだぜ。なんでさ
個人的にはあの技のモーションは好きだよ。でも自分、EXTRAもCCCもアーチャー√真面目にプレイしてないんだ。すまん、アーチャー
閑話休題アンケート
『明久が実験で試薬を混ぜようとしています。どっちを混ぜる?
試薬A 四票
試薬B 一票
』