バカと冬木市と召喚戦争   作:亜莉守

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第六問

 

夕方頃、人通りの少ない空き部屋に数人が集まっていた。またもやノートなどを広げている。

 

「なんでFクラスのバカが制裁されてないんだよ」

「女子が集団で移動してるって話も聞かないぞ」

「どうなってんだよ」

 

どうやら彼らは前回と同じくこの世界の展開について何か言いたいことがあったらしい。

 

「他にも転生がいるんじゃね?」

「いや、それはないだろ。それよりもどうすんだよ。これじゃあ原作通りじゃない」

「……俺たちから始めればいいんじゃね? 学年を巻き込めば原作通りだ」

 

その場に居た三人を除く全員が顔を見合わせて言った。

 

「「「それだ!!」」」

 

賛同しなかった三人、Fクラス所属の水上と吉原と沢崎は口々に言い合った。

 

「坂本の恐ろしさをしらねーからあんなことが言えんだよ」

「だな。生の鉄人の補修はきつかった」

「ああ、あんなのもう勘弁だ」

 

公開処刑は思わぬところで効果を発揮していたようだ。

 

                    ☆

 

その日の晩、女子風呂

明乃たちFクラスの女子(一部を除く)はまたもや貸切状態になった風呂を堪能していた。

 

「ふんふふーん」

「そういえば、代表は?」

 

日暮が周りを見渡す。悠里と夢路が居ない。

 

「……遊里ならシャワー」

「あーなるほど」

 

そりゃしょうがないと日暮は納得した。そこに鈴原が声をかけてくる。

 

「日暮、悪いけどシャンプーかして」

「いいぜ」

 

そこに何やら物音がした。

 

「「「?!」」」

 

一体何の音?! と全員が言い出すまで後二秒

 

                    ☆

 

衛宮明久はジジ抜きで負けてしまい、全員分のジュースを買いに行く羽目になっていた。風呂には入り終わっており、合宿所備え付けの浴衣(明久的にはこっちの方が慣れているのでこっちを着ている)に備え付けのスリッパをひっかけてぱたぱたと歩いていた。

 

「なんか少し嫌な予感するなぁ」

 

明久がぽつりと呟いた。その目の前を体育着を着た男子生徒の一団が通り過ぎる。多分、20人前後だろうか。ポカンと開けていた口に気が付いて慌てて口を閉じた後、明久は呟いた。

 

「え、なにあれ」

 

彼の後ろに人影があった。

 

                    ☆

 

昨日の一件から見回りを強化していた教員たちのところに一人の教員が慌てた様子で走ってきた。

 

「福原先生! 変態がまた徒党を組んでやってきました!」

「またですか」

 

福原は呆れた。昨日も同じようなことがあったのだ。

 

「「「うぉぉぉぉぉぉ」」」

「はぁ、いい加減にしてほしいですね」

 

一人の教員が召喚フィールドを開いた。そして教員が一斉に召喚獣を召喚する。

 

「あなた方も召喚しなさい。敵前逃亡になりますよ」

 

ずらっと並んだ教員の召喚獣、それを見て生徒たちは少し怯えたような表情になった。

 

「っ」

「Cクラスの豊崎が召喚勝負を挑みます。試獣召喚(サモン)っ!!」

 

一人が召喚獣を召喚する。そして、その召喚獣が現れたのだが、その直後に矢のようなものでその召喚獣は貫かれた。

 

「え?」

 

                    ☆

 

少し遠い所の全体が見回せる死角、そこに明久と明久の召喚獣が居た。その隣には悠里が居る。先ほど偶然にも悠里が通りかかったのだ。

 

「はぁ、いい加減にしてよ」

「そうね。それにしてもこんな能力ってチートじゃない?」

 

召喚獣の外見の問題に関してはどうにかなったのだが、能力の件に関しては解消されておらず、未だに投影しか使えないのだ。先ほどの矢は「赤原猟犬(フルンディング)」である。

 

「当てる技術がなくちゃ宝の持ち腐れだよ」

「なるほどね」

 

つまりは明久には当てるだけの技術があるということだ。

 

                    ☆

 

それから後、明久は罰ゲームの缶ジュースを買って部屋へと戻った。先ほどの出来事を話しの肴にジュースを飲む。

 

「ってことがあってさ」

「うわぁ、バカっているんだな」

「じゃのう」

 

南と秀吉が呆れたような顔をした。

 

「さすがに俺達でもそんなバカやらないぞ。……いや、やるバカは居たな。全く、紳士としてどうなんだよ」

 

須川も呆れる。日向はため息をつくだけだ。

 

「だよねー。僕はやる気すら起きないよ。ばれたらウチの女性陣が怖い」

「そうなのか」

 

日向がきょとんとした顔で明久を見た。その後、何故か話は女性談義に変わり、さらにはポーカーをやろうという話になぜか発展した。

第三ゲーム目、明久がガッツポーズをする。

 

「よっしゃ、勝った!」

 

明久が勝ったようだ。負けた他の面々が明久の方を向く。

 

「アキヒサ強いな」

「三回連続ロイヤルストレートフラッシュって……手札変えずに一発とかよくできたな」

「おぬし実はズルしとるのではないかの?」

 

秀吉が怪しいと言わんばかりの目線を向ける。明久は心外だとばかりに返した。

 

「え、なんでさ。運試し系のゲームで負けたのって滅多にないからさー」

「ずりぃ」

 

須川が羨ましそうに明久を見た。

 

「いや、負けるときは負けるよ? 姉さんとか、土壇場でとんでもないのを引くし……うん、強いよ。あの人は」

 

明久の声にはいろんな感情が籠っていた。しかし、それに気づけたのはたった一人だった。

 

「そうなのか」

「なるほどのう」

「……そうか」

 

日向が少し感慨深そうに呟く。その目はちょっとだけ遠くを見ていた。

その後も明久が大体勝ったのでこれはつまらないという話になってポーカー大会はお開きとなった。

ジュースをちびちび飲みながら、ふと明久が気になったことを尋ねる。

 

「そういえば、あの心理テストってなんだったの?」

 

結局、明久は移動の途中で抜けたので結果は知らないのだ。南はガサガサと鞄を漁って本を取り出した。

 

「あー、あれか? 緑は友達、オレンジは元気の源、青は気になる人、赤はえっと……たましいのはんりょ? なんだこれ」

 

読んだのはいいのだが一部分からない単語があったようだ。読み上げられた単語に明久はパニックになる。

 

「は、ええ?!」

「へぇ、結構合ってるな」

 

日向は納得した表情をする。明久はまだパニックに陥っていた。

 

「えぇ………うん、ないよ、うん」

 

戻るまでは時間がかかりそうだ。





幸運って大切な気がするんだ。まあ、そんな話です。

明久はどっちかというとギルガメッシュ的な感じで運がいいかなって思う。慢心しないタイプなので基本は運に甘えないし。明乃は土壇場での引き運の良さはあると思う。

それから心理テストの結果は捏造です。マジじゃないのでご注意ください。

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