バカと冬木市と召喚戦争   作:亜莉守

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システムエラー編
第一問


 

停学も休学も開けた頃、突然学園長に呼び出されたと思ったらいきなり色々と言われた。主にシステム系の話について。まあ、観察処分者だから呼び出されたんだろうけど。

 

「それにしてもシステムの新機能の試運転ねぇ」

「停学の時に調節してたらしいから多分大丈夫だろうけど何にもないといいなぁ」

 

僕と姉さんは廊下を歩く。話題はさっき言われたシステムの試運転のための試召戦争に関する注意事項だった。明日多分公表されるんだろうけどその前に言っておきたかったのかな。

二人で歩いてると反対側から黒髪に黒学ラン、茶髪に黒学ランの二人組がやってきた。

 

「よ、どうしたんだ?」

「二人とも複雑そうな顔してる」

 

広夢と日向君だ。制服が前の学校のままだから目立つんだよね。

 

「あ、広夢、日向君」

「やほー、試召システムの新機能が出来たらしくて今試運転中だとさ」

 

姉さんがそういうと二人は目を輝かせた。あ、そういえば二人はここのシステムに興味津々だもんね。魔術師(ウィザード)だって知ってからは結構納得できた。ここのシステムって科学を使った魔術の再現みたいなものだもんなぁ。

 

「え、新機能?」

「それ本当?」

 

物凄く食いつきがいい。日向君ですら食いついてるのは驚きだよ。

 

「まあね。だからしばらく試召戦争は禁止だって」

「ふぅん、そうなのか」

「新機能か……気になるな」

 

広夢がそう呟いた。頼むからハッキングだけはダメだよ。

 

「ま、お披露目はちょっと先になるよ。先生の召喚獣やこういう時用の召喚獣で試験してる真っ最中だから」

「そうなのか」

「そういうための召喚獣(NPC)ってあるんだな。衛宮や言峰を実験に使ってるからそういうものなのかと」

 

痛いとこついてくるなぁ。確かに僕や姉さんは報酬の代わりに実験に付き合ってるしね。

 

「あー、僕たちの召喚獣が色々あって超特殊化しちゃったからね。そうじゃなきゃ学園長の事だし生徒で実験してたよ」

「多分そうだよね。あの人ぼくらを嬉々として色々とお蔵入りになった召喚獣の新システムの実験台にしてたし」

 

色々と思い出すと涙が浮かぶ気がしたうわぁ。

 

「それは学園の長としてどうなんだ?」

「まあ、あの女傑っぷりを見れば頷けるけどな」

 

うん、あの人研究者に向いてるよ。確実に教員には向いてないけど。自分も割とそういうタイプだけど、あの人は徹底しているからなぁ。

 

「ま、システムがどうにかなるまでは普通に学校生活楽しもうよ」

「それもそうだよねー。ここ最近まともな学生生活送ってる気がしないし」

 

第一次試召戦争然り、清涼祭然り、前回の集団覗き然り……最後だけ物凄く不名誉な気がするのは気のせいかな?

 

「俺も同感だ」

「だな。ま、たまには学生稼業にいそしむのも悪くは無いか」

 

一応学生稼業が本分じゃないのって突っ込んだら負けかな。僕も最近その辺の区分が怪しくなってきたし。

 

                    ☆

 

教室に戻って席に着いたら、赤い長い髪をオールバックにして黒のカチューシャを付けたスタイルのいい美人、悠里さんがこっちにやってきた。どうしたんだろう?

 

「あ、明久」

「あれ? 悠里さんどうしたの、そっちから声かけてくるって珍しい気がするけど」

 

清涼祭の時はコンビ組んでたから普通に話してたけど普段だったら姉さんが間に居るとか僕が話しかけるとかだから悠里さんから話しかけてくるのは珍しい。

 

「あなたあのチケット使った?」

「あー、あれね。別に興味ないからなぁ。てか、如月グランドパークは遠すぎでしょ。いっそのことわくわくざぶーんのチケットがよかったよ」

 

最近暑いし泳ぐ方がよっぽどいい気がするんだよね。それに如月グランドパークは冬木の物凄くはずれにあるから移動も面倒だし。

 

「やっぱあんたもなのね。あたしも誘う相手が居なくて」

「霧島さんといったら? もしくは姉さん」

 

悠里さんが誘いそうな相手を上げてみるけど、悠里さんは首を横に振った。

 

「そういうわけにいかないのよ。チケットの裏見た?」

 

裏? 言われたことが気になって偶然持ってたチケットを確認してみたらとんでもないことが書いてあった。

 

「裏? うーん……え、男女ペア?」

「そういうわけ、別にこういうことに誘うほど仲のいい男は居ないしね。どうしたものかと思って」

 

どうしろってんだ。この手の物に誘えるほど仲のいい女の子は知り合いには居ないぞ。あ、姉さんとかはありかな?

 

「……これは面倒だね。僕も居ないなぁ」

 

いや、こういう時に姉さん頼みにするのはよくないよね。そう思って呟いてみたら悠里さんが思いっきり驚いた顔をした。なんで?

 

「日暮が居るじゃない」

「は? なんでさ」

 

そういう仲じゃないんだけど。

 

「あら、仲良さそうだけど?」

「うーん、なんかこの手のもの好きそうじゃない感じが……」

 

なんて話をしていると自分の話題になったことに気が付いていたのかいないのか広夢がやってきた。

 

「よー、どうした? 学園祭以来の組み合わせじゃねーか」

「あ、広夢 副賞のチケット使って一緒に遊園地行こうって言ったら乗る?」

 

如月ハイランドのチケットを見せながら彼女に聞いてみれば。

 

「……わくわくざぶーんなら行く。あそこは行ってみたいんだよな」

「だよねー。如月グランドパークとか行くわけがない」

 

予想通りの答えが返ってきた。広夢と僕って思考回路、意外と似てるところがある気がするんだよね。如月グランドパークの名前を言うと広夢は渋い顔をした。

 

「如月グランドパークって言うとあれか『そこに行ったカップルが幸せになれる』とかいうジンクスを無理やり作ろうとしているっていうキナ臭い遊園地だろ」

 

へ? なにそれ。てか初めて聞いたよ?!

 

「え、なにそれ」

「へ? 割と有名だぜ、とは言えネットの噂だからな。どうだろうな」

「ネットか……でもそんな噂があるところには行けないわね。どうしようかしら」

 

悠里さんが本気で悩みだした。そうだよね。そんなキナ臭い所にホイホイ行く人っていないと思うんだけど。三人で頭突き合わせて考えていたら日向君がやってきた。

 

「どうした?」

「あ、良い手見つけた。ウミ、如月グランドパークのチケット要らないか?」

 

如月グランドパークの名前を出した途端に日向君の顔が疑うような顔になる。そこまで有名なんだ。

 

「如月? なんで」

「ほら、優勝賞品のアレ」

「あー……流石に無理、それよりも金券ショップで換金したら?」

 

それが出来たら苦労はしないよ。

 

「無理、プレミアムチケットだから売買禁止になってるんだよね」

「うわぁ積んでる」

 

うん、積んでるからここで話しあいしてるんだけど。

 

「いっそのこと期限切れまで待ったらどうだ?」

「いや、なんか貰ったら使っておこう精神が疼くっていうか」

「つまりもったいないと」

 

そういうことだよ。貰えるものは貰っとけ、使えるものは使え、これって大切だと思うけどなぁ。四人で話をしてたら姉さんがやってきた。

 

「どうしたのー?」

「あ、姉さん 優勝賞品のチケットどうしようかと思って」

 

優勝賞品のチケットと聞いて姉さんも思案顔になる。そこまで有名なの?!

 

「ん? チケット……如月グランドパークだっけ? そういえばギル様が行きたいとか言ってたなぁ。一枚余ってる?」

「まあ、一応」

 

聞かれた悠里さんがびっくりした顔になる。だよね、さっきの二人は渋ってたのに。

 

「じゃあ頂戴、てか二人が相談してるってことはどっちも?」

「「うん/ええ」」

 

そうなんだなよね。お互いに誘う相手が居ないからこの状況なわけだし。

 

「ならどっちも頂戴、適当に知り合いに押し付けるから」

「あ、本当? そうしてもらえると助かるわ」

「姉さんごめんね」

「いいっていいって」

 

チケット問題はどうにか片が付いた。

 





ぐだぐだ学園生活に……なるといいよね。
清水さんについては脅す材料がなくなった上に追加しようとすると消えるというホラー現象にあっているため今回は参入無しです。

それから量子ハッカーの無限の可能性を謳ってみる。
何の話かはさておきまして、ネット空間ひいては召喚フィールド内なら何でもできるんじゃね? とか思ってみたり
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