バカと冬木市と召喚戦争   作:亜莉守

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後140時間20分

―――第七幕とほぼ同時刻


第八幕

 

ぱら ぱら と紙をめくる音だけが部屋の中に響き渡る。

 

「……んー、見れば見るほどどれだけずさんな管理をしてるかが丸わかりだなぁ」

「マスター、夕食が……マスター?」

 

アーチャーが珍しく任された夕食の支度を終えて主である明久の部屋へ向かい、扉を開けてみると。明久が本を読んでいた……確実に日本語ではないなにかで書かれたハードカバーだ。

 

「あ、アーチャー? ごめんごめん」

 

謝りながらも本にしおりを挟み閉じる明久、その後眼鏡も外しケースへとしまった。普段眼鏡をかけている姿など見たことが無かったアーチャーは疑問に思ったことを尋ねた。

 

「視力が悪いのか?」

「ううん、何とはなしに掛けてるだけ……これも一応礼装だけどね」

「そうか、ちなみにどういった機能が?」

 

こういう代物であれば魔眼殺しか何かか? と考えながら尋ねるが明久の返答は全く違っていた。

 

「簡単な翻訳機だよ。流石にドイツ語は読めないし」

「それはまた便利な品だな」

 

普通の魔術師はそんなものを作らないと内心ツッコミをくわえる。それに何語だったら読めるんだよと実は過去に明久の義弟も同じことをツッコんでいることなどアーチャーは知らない。

 

「そうでもないけどね。さて、今日は夕飯任せてごめんね」

「構わないさ」

 

むしろなぜ毎晩自力で作っているのかを尋ねたいアーチャーだった。

その日、明久は笑顔で夕食を食べきった後、自室で何であんなに美味しいの? と嘆いた。

 

                   ☆

 

いつも通りの日常の一場面、そのはずだけど今日はちょっと違った。

 

「おはようなのじゃ」

「おはよ……う?」

 

普段通りに声をかけてきた親友の髪型は普段とは全く違っていた。何故かヘアピンではなくカチューシャで前髪を上げていた。

 

「秀吉? その髪型どうかしたの?」

「うむ、お主が一緒におった知り合い殿のマネなのじゃが……何か変かの?」

 

あー、そうなんだ。アーチャーのマネ……ねぇ

 

「ううん、珍しいなぁって思ってさ」

 

というよりも毎日ほぼ同じ髪型だよね? 髪型変えてくるのって初じゃない?

 

「そうかの? ワシとしては男らしくしてみたいのじゃが」

「せめてカチューシャを止めることを勧めるよワックスの方がいいと思う」

 

カチューシャはさらに女の子らしさを引き立てていた。多分お姉さんから借りたのかな?

そういえばアーチャーの髪型ってどうなってるんだろう? 多分士郎とおんなじ感じなのかな。そんなことを考えているなんて秀吉は露知らず僕のアドバイスを真面目に考えていたらしい。

 

「なるほどの」

 

そこへもう一人の親友の南があくびをしながら入ってくる。随分と眠そうだ。昨日も夜更かししてたのかな。

 

「おはよー………ってヒデヨシ?!」

 

秀吉のイメチェン(?)に驚く南………うん、やっぱりそういう反応になるよねー

 

「おはようなのじゃ」

「どうしたんだ? イメージチェンジか?」

「そういう所じゃ」

 

胸を張る秀吉、その様子を見ながら南は僕にアイコンタクトで話しかけてきた。

 

「(あれはどういうわけ?)」

 

ごもっともだと思う。正直何があったのかって聞きたくなるレベルだし。

 

「(強いて言うなら「男らしさ向上のための努力」ってところかな……女の子らしさを向上してるようにしか見えないけど)」

「………(ホロリ」

 

正直に答えれば、親友の努力(?)に南は涙を隠せないようだった。

 

                    





多分明久が読んでいたのは聖杯戦争の過去の記録、三回戦と四回戦のデータが中心、そのはずだったんだけどむしろ聖杯そのものの観測データに目が行っていたようです。

明久的には「翻訳こんにゃく」とか本気で作れないかなぁとか考えている……かも?
部屋はゲームの代わりに魔術礼装で埋め尽くされてる……かも?

アーチャーのステータス公開はかなり後になります。
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