時は早朝……総勢18名の逃走者は、とある村の一角に集められた。
彼らは、今から恐怖のオープニングゲームを堪能することになる。
煉馬「これから何が始まるってんだ?」
竜牙「んなもん俺達が知るかよ」
愛梨「私としては、目の前にあるボックスが気になるんですけど……」
星奈「そのボックスに繋がっている鎖も気になるわね……」
亮介「指示を待つしかない、か……」
逃走者が話し合っていると、スピーカーの音が鳴り響いた。
その音に耳を奪われた逃走者達は辺りを見渡す。
するとどこからか、3人の男性の声が聞こえてきた。
謎Ⅰ『これより、オープニングゲームを始めます。逃走者の前にあるのは、鎖に繋がれた3体のハンターボックスです。貴方達は1人ずつ前に出て、鎖を引き抜かなければなりません。鎖は全部で18本。その内1本だけが、ボックスの扉を解放するハズレの鎖。それを引いた瞬間、ハンターが解き放たれてゲームがスタートします』
謎Ⅱ『逃走者からハンターボックスまでは20m。逃走者は1人ずつ前に出て、鎖を引き抜かなければならない。その者は無事に鎖を引けば、先にエリアに逃げる事が出来る。しかし1本の鎖はボックスに繋がっており、その鎖を引いた瞬間にハンターが放出し、ゲームがスタートする。なお、全員がハズレの鎖を引かなかった場合、逃走者達に3分のエリア徘徊を与える!』
謎Ⅲ『まずは君達の近くにある箱の中に入っているくじを、それぞれ1人ずつ引いてもらいます。そのくじに書かれている番号が、自分が鎖を引く番です。これは自分の運によって決まるので、よく選んでくださいね。全員が引いたその瞬間に、このゲームは始まります。それでは、健闘を祈ります!』
そう言った瞬間、スピーカーの音はブツッと途切れた。
皆が言われた通りに箱に近づく中、文人と経久と遥希はその場で首を傾げていた。
経久「なぁ、今の声……どっかで聞いた事ねーか?」
文人「つーか、日常で聞いてるような……」
遥希「俺としては、明久に似てる気がするんだよなぁー」
文人「でも、明久は招待されてなかったぜ? その説明はどーすんだよ?」
遥希「ぅ……それは……」
経久「ここで悩んでんのもアリだけど、そろそろ引きに行かね? 引いてないの、お前らだけだぞ?」
文人・遥希「へ? ……って、いつの間に!?」
経久にそう言われ、文人と遥希は慌てて箱のある場所にむかった。……まぁ、いまさら向かっても2人分しか残っていないが。
そんなこんなで全員がくじを引き終わり、一斉に紙を開く。
書いてある番号を見て喜んだり肩を落とす者もいる中で、1人鎖に向かっている者がいた。
それは、1番のくじを引いた麻菜だった。
燐「……さすが、強運の持ち主」
澪「麻菜ーーーっ! ファイトーーーッ!」
文人「最初からハズレを引くんじゃねーぞーっ!」
麻菜「りょーかい! 任せてよっ☆」
麻菜はそう言いながら手を振ると、引く鎖を選び始めた。
麻菜「それにしても、色とりどりだなぁ……。よしっ、これにしよ!」
そう言って手に取ったのは、赤色の鎖だった。
鎖を持つ手に力を込めて、思い切り引き抜く。
麻菜「…えいっ!」
ジャラッ
シーン……
麻菜「ふぅ……。皆ーーーっ! クリアしたよーーーっ!」
透「おっ、セーフみたいだな」
奈乃「麻菜、おめでとぉーーーっ!」
そう言って麻菜が高らかに宣言すると、ほっとした表情をする者や、笑顔で返してくれる者もいた。
麻菜は皆に「頑張ってね!」と言ってからエリアへと逃げて行った。
すると今度は、逢歌が『2』と書かれたくじを見せながら、ボックスへと近づいた。
実乃里「逢歌、頑張ってね!」
竜牙「ヘマすんじゃねーぞ!」
逢歌「絶対にアタリを引くから任せときぃ!」
逢歌はそう言うと、すぐさま黄色の鎖を手に掴んだ。どうやら既に決まっていたらしい。
数回深呼吸をし、目を閉じた状態で鎖を引いた。
逢歌「ほいっ!」
ジャラッ
シーン……
逢歌「どうやっ!」
逢歌はそう言ってガッツポーズをし、颯爽とエリアへ逃げて行った。
その後、逢歌と入れ替わるようにして愛梨が前に出た。
遥奈「愛梨なの? 頑張ってね!」
愛梨「は、はいっ! 頑張りますっ!」
遥奈に応援された愛梨は胸の前で拳を作り、ボックスへと駆け寄った。
そしてしばらく鎖を見た後、透明の鎖を手に取った。
愛梨「大丈夫、きっとアタリです……。やあっ!」
ジャラッ
シーン……
愛梨「ぁ……やったぁっ!」
愛梨は満面の笑みを浮かべて喜ぶと、ゆっくりとした足取りでエリアへと逃げて行った。
鎖は、残すところ15本となった。
経久「……なんか、女子ばっか運強くね?」
透「気にするな。気にしたら負けだ」