『これまでか……日向、先に逝くわね……』
その艦は、妹を庇い、沈んだ。どこかもわからぬ海で、沈んだ。
暗い暗い海底へ…沈んでゆく。
後悔はなかった。妹を守れたし、戦いの中で沈んだのだ。実験でもない。転覆事故でもない。自沈でもない。軍艦としての役目を果たし、沈んだ。
だが、奇跡というのは稀にある。
それが重なる事も………
ーどこかの砂浜?ー
「ここは……どこだ?…普通に布団で寝ていたはずだが……変な夢を見ていた………体が沈んでいく、それだけの恐ろしい夢を、まるで身体中に蟲が湧き出るような恐怖を………ってなんか声高くないか?あーあーあー」
おかしい、俺はこんなに声が高くない。むしろ低い方だった。そのせいで声だけ聞くとおっさんとか中学校から言われ続けた。それが今はまるで女性だ、幼くはない。大人の女性の声だ。
「ん?この声…どこかで………ヌムムムム、思い出せん。とりあえず状況を把握しよう。」
近くに湖があった。というか、視界も少し低くなっている。そして胸が重い、格好もおかしい。てかスカートだ。軍刀(本物)を帯刀しているし、靴も普通の靴ではなかった。
ー湖ー
「ふぅ……いつもと違うせいか体より心が疲れた。」
確実に男ではない。息子がいない。
そういって俺は湖に顔を近づけ、反射を利用して顔を確認する。
「………伊勢じゃねーか!」
うん。確かに思い入れはあった。
初戦艦だったし、初めて改造した艦でもあった。
俺は艦これを初期からやっているわけではない。むしろ最近始めた方だ。
アニメが始まる少し前と言ったらわかりやすい。
元々兵器に興味があって某笑顔動画で艦これのプレイ動画を見たのが始まりだった。
「不思議と落ち着いてきた。てか島でスタートとか稀によくある話だろう。」
そして口調をその艦娘に合わせるのも稀によくある話だ。
「だがまだ慣れない。暫くは男口調になるな。」
兵装を確認してみた、
スロット 1 35.6cm連装砲
スロット 2 14cm単装砲
スロット 3 対深海棲艦軍刀
スロット 4
これは………まぁ、うん。頭を抱えておこう。
「色々とおかしい……ここから出る準備をしよう。確実に日本本土ではない。」
食料は………探そう。
数分後
「ふむぅ………果物とキノコ、それに海藻か………まともに食べられそうなのが果物だけか……」
海藻はハエがくっついてたから途中で捨てた
キノコはベニテングタケを参考に。
果物は……なんかそれっぽいやつです。
「食べてみよう!………酸っぱい!酸っぱい!酸っぱぁ〜い!」
なんか………レモンを5倍酸っぱくして少し砂糖をかけた感じ………喉が…………
「ん?……あっ………」
寝ていたところに袋があったことに今気づいた。
「な、中身は……」
中身
非常用固形食料
非常用飲料水
非常用燃料
非常用弾薬
ナイフ
ロープ
「ここから出られる………じゃん…」
骨折り損のなんとやら、どっと疲れた。
「一回砂と汗を落としてから出よう……はぁ…」
ん?待てよ……湖に入らなきゃ砂と汗は取れない……裸になれと?精神だけは立派に男な俺に裸になれと?いや、裸になるのは別に問題ない。問題は精神が無事かどうかだ。
考えても始まらぬ!脱ぐ!
結論
気絶しかけた。
「目を瞑りながら体を洗うのは難しいです。特に湖だと溺れかける。」
体についた水滴をなぜだか持っていたタオルで拭き取る、胸に違和感あり。そして着替える。
「………よし……戦艦 伊勢 出るッ!」
次回予告(実際の第2話とは異なる場合があります)
戦艦 『伊勢』出撃
「危ないっ!」
主砲をぶっ放し、雷の音と聞き間違えるような轟音と共に弾が飛んで行き、異形に突き刺さり、貫通する。
「大丈夫!?ここは私が引き受けるから!後退を!」
装弾中の主砲から14センチ砲に切り替え、異形に向かい牽制用の砲撃を行う。その異形を倒し得る威力はないが…足止めには最高だ。
主人公の艦これ歴は私とは違います。と言ってもアニメが始まる5〜6ヶ月前からだけども。そしてその割には弱いです。原因はWar Thunderにハマってたせいです。ではまた次回。3日〜1週間以内の投稿を目指して。まぁ、もう2話の8割できてるんですけどね。