西の海への航海チームを決める選抜試験があった。俺は体力、頭脳ともにギリギリ合格だった。俺の名前で広まった試験なのにほとんど最下位だった。
まあ今の実力はあまり関係ない。行けさえすればあとは努力次第だ。とりあえず喜べばいいだろう。
航海チームの高校生代表の一人として何度か取材を受けた。そこで大学生代表と話す機会があった。東大主席、スポーツ抜群の触れ込みでやってきたのは夜神月だった。
なぜ?
俺は一瞬顔を引きつらせてしまったが、なんとかこらえた。
「サトシはなんで西の都に?」
「僕自身科学が好きですし、日本としても科学大国として成長すれば豊かになれると思うんです。もちろん自然を壊すという意味ではなく」
「でも危ないでしょ。この大海賊時代に海に出るリスクは考えなかったの?」
「リスク以上の魅力を感じたんです」
「ふーん」
なんか夜神ライトに一方的に探られている感じだった。だがこちらから質問しようとは思えなかった。下手なことをして恨まれたくない。
その後も雑誌のインタビューを受けたり写真を取られたりした。図らずも時の人となってしまったが、気にしすぎないことにした。インターネットもできるだけ見なかった。悪口が書き込まれているのを見るとしんどいからだ。
大海賊時代ということもあり、軍隊(自衛隊ではない。戦争で負けてないので)で簡易な訓練を受けた。40キロ歩きっぱなしとかしんどかった。銃の撃ち方を覚えた。
そして出航の日となった。親や知り合いに別れを告げる。両親はないていた。ちょっと申し訳ない。
護衛艦が4隻、エリート集団の船が2隻。総勢1000人程。
なお、船は石油で動くが、マストもある。石油だけでは足りないほど西の海が遠いからだ。
ところで、護衛艦には基本的に軍人が乗っているわけだが、忍者や妖怪も乗っているらしい。妖怪っていたんだ。まあジャンプだからね。ぬーべーとかぬらりひょんとかいるのかもね。
シンガポール、インド、スエズ運河、パナマ運河、でちょくちょく補給しながら進んだ。現地の人間もときどき乗った。スエズ運河付近の港でLが乗り込んできた。なぜ? いや、夜神ライトが乗っているのは正解だけども。
最後にハワイで補給し、いよいよ外の世界へ。
ここからは石油の補給がないのでできるだけ風で進む。俺もマストを張るのを手伝ったりした。
さて、そうしていると俺の乗っている船に要人や戦闘のプロがかなり混じっていることに気付いた。
とりあえずジャンプキャラは、銀髪で侍の格好をしている男、坂田銀時。今はまだ若い。そして、若様と呼ばれている将軍の長男らしき男。徳川茂々だと思う。顔に特徴がないから分かりづらいが。年齢は俺と同じくらい。彼の周りに護衛の忍者がいるのだが、伊賀忍であってNARUTOとは関係ない感じがする。
なお、中川圭一も乗っており、護衛にうちはシスイ、イタチ等がついている。さすがは中川コーポレーションである。
また、アカーシャと呼ばれる赤い長髪の美女がいるのだが、彼女もVIP待遇を受けている。今回の航海者の中で唯一西の海へ行ったことがあるらしい。
さて、5日ほどして、ようやく初めの島、南の海のバテリラという島に到着した。
そこで軍人から説明があった。
「この航海は単に西の都から最先端技術を学ぶものではない! 世界政府が巨大化し、腐敗し、海賊が横行し、世界が荒れる今! 我が日本の安全を確保するために、軍事的、また情報の共有などの同盟圏を作るためでもある! 日本代表に恥じぬ行いをするように!」
茂々は同盟のために来ていたのだろうか。
まず軍人やVIPが降りていき、しばらくして、一般人も上陸を許された。ただし基本的に集団行動だ。
この島はワンピースの世界の住民が住んでいるようだ。女はほぼ半分くらいが爆乳で丸い目だった。男は情けない顔で弛んでいた。
「よ、よそ者!」
「海賊!?」
「違う違う、この人たちはユーラシアの東から来たの」
小さい子が俺達をとても警戒していた。対して大人はやけに親しかった。なんでも、この島はかつてゴールド・ロジャーが何度か訪れており、海軍からは隠し子がいるのではないかと疑われていたそうだ。そのため、若い女達はくまなく調べられ、ある者は犯され、ある者はその後殺されてしまったらしい。男達は復讐に燃えており、世界政府を寄せ付けない屈強な軍隊を持つ俺達の大陸に期待しているようだ。
1日休んだ後、島で住民と共同訓練をすることになった。やはりワンピースの住民らしく、人外の体力を持つ男が何人かいた。こちらも忍者や妖怪など人外がいるが。
軍人が銃や大砲の威力を見せると、男達は大喜びで欲しがった。こちら側も前向きに交渉していた。
そうして3日滞在した。1度小規模な海賊がやってきたが、軍人が銃で簡単に押さえつけた。
そして、再び出航する。島民に訓練を指導するため、2人教官役を残して。
その後も同じような流れで航海を続けた。海賊を撃退したり、海軍とにらみ合ったり危ないこともあったが、結局俺の船の人間は一人も死ななかった。
3ヶ月ほどして、ようやくレッドラインに辿りついた。しかし一番の問題はここだった。
グランドラインに入るだけならば海流に任せて山を登ればいい。それでも岩にぶつかって半分くらい死ぬらしいが。
しかし俺達は山の頂上からグランドラインに降りるのではなく、西の海へ降りる。
この方向転換、さらには山を降りる時の推進力が必要になる。
作戦はこうだった。
山の頂上までは水の流れに任せる。山の頂点で一瞬船が浮く。その浮いたときに風を受けて飛び上がり、西の海へ降りる海流へ着地する。これを忍びの風遁などで行う。着水してからは石油を贅沢に使ってスクリューで突き進む。
前世では考えられないとんでもなさ苦戦だろう。しかしNARUTOの忍者ならばこれくらいできる、と首脳陣は考えているようだ。
先に護衛艦の1つが登っていった。約一時間後、巨大なカラスっぽい妖怪が伝令で帰ってきた。両手で大きく丸を作った。成功らしい。
この調子で1つずつ登って行った。護衛艦2、エリートの船1、エリートの船2、護衛艦3、護衛艦4の順。
俺はエリートの船2に乗っていたのだが、実際のところとんでもなかった。まず水流が思ったより速く、降りるような速さで山を登った。そして頂上のところで不意に体が軽くなる。宙ぶらりんの状態。その瞬間にからゴウゴウと風が吹きつけ、船首が90度回転する。何かにのしかかり、グライダーのように飛び、程なく着水する。そこからはスクリュー全開で降りる。
生きた心地がしなかったが、一応成功した。その後も護衛艦3、4も成功した。しかしいずれの船もどこかしら故障しており、修理が必要だった。
修理と言っても代えの部品と入れ替えるだけだ。新しく部品を作るのもどこかに発注して作ってもらうのも難しいから、代えの部品はそこそこ持ってきていた。そして再び出発。
さらに約半年後、ようやくドラゴンボールの大陸の東端にたどり着いた。まだ終わりではない。西の都は大陸の西側にある。
そこから3ヶ月後、出発から実に1年後、今度こそ西の都に到着した。
これがRPGなら船が進む度に敵に遭遇してレベルアップしまくっているだろう。しかし俺は軍隊式のトレーニングをしていたのみ。成長期のために体が大きくなり筋力も上がったが、プロスポーツ選手ほどではない。せいぜい高校野球の県大会で注目される程度だろう。しかしそんなことは重要ではない。ここからの成長が重要なのだ。ドラゴンボールの気を理解し、気弾を撃てるように、いやさ舞空術で空を自由に飛べるようになりたい。
到着を祝って船員全員入り乱れてのパーティがあった。そこで暁の長門と小南の見つけてしまった。なぜ?
さて、現地でいろいろと調査して、高校生は勉強重視のCCハイスクールか運動部重視のレモンハイスクールか妖怪歓迎の妖怪学校を選ぶことになった。俺は宇宙船で逃げることやブルマの科学力を生かしてトレーニングすることを重視しているのでCCハイスクールを選択した。