「驚いたわ、私の本気と互角だなんて……」
まだ出てる煙の中から声が響く。
その声を聞いた夢子は、驚きで呆けていた意識を戻して安堵と共に急いで声のもとへと駆け寄った。
「神綺様、ご無事ですか!?」
夢子の声を聞き、笑顔で向き神綺は無事を知らせた。
「ええ、いたって無事よ。心配かけちゃった?」
「はい、本当に焦りましたよ。それでさっきの者は?」
神綺は夢子の問いに「さあ?」と答えようとしたとき、奥の煙の方から声がした。
「オレも、いたって無事だぜ?」
そこには無傷の無亡の姿があった。
「本当に驚いた……私と戦って無傷なんて…」
「こっちだっていきなり攻撃してくるんだもんな、結構驚いたぜ?」
たいして驚いてもいない素振りでそういう無亡に神綺は「攻撃は同時だったじゃない」と小声で言った。
「しっかしさ、何で急に攻撃してきたんだ?オレ、お前になんかしたか?記憶が正しければ初対面だよな?」
「当たり前よ?私もあなたのこと知らないもん。何で攻撃したかだっけ?う~ん………楽しそうだから?」
「何で疑問計なんだよ……」
さっきまで、戦ってたとは思えない談笑している光景に夢子はまたも呆けてしまう。
「ま、何よりも自己紹介必要よね?私の名前は神綺。この魔界を創った神よ」
「名乗られたし、こっちも名乗っとくよ。オレは無亡。ま、何を創ったとかは……まだないな」
「ないなってなにか創る予定なの?て言うか、無亡って本名?」
「いや、違うよ?」
そう言って自分の名前を否定する無亡に疑問を覚えて不思議そうな顔をする神綺。
「そんな顔するなよ。もともと、オレに名前何てないんだ」
「名前がないのに無亡って名乗ってるの?」
「お前結構ぐいくいくるな。まぁ、いいかな。詰まらない話だ、適当に聞け」
「無亡ってのはオレに付けられた、通り名ってとこかな?」
「通り名?」
「そう、オレは人を殺すとかそういう仕事をしてたのさ」
少し悲しそうな顔をしながら話を続けた。
「どんな策略も、万全な対策もすべて無かったかのように全てを亡きものにする。無謀で無亡な存在ってことで通称『無亡』。ちょっとした都市伝説にもなってたんだぜ?」
「そう。ってことは、さっき使ってた能力とかで?」
「あー、いや違うよ。そうか、あの事も話しとくか……」
「えーと、神綺?お前口固いか?」
「喋るなって言われたらしゃべらないわよ?」
「そうか、……あ。後ろのやつは?」
そう言って夢子に聞くと、突然当てられて少し驚きながら自己紹介も兼ねて話す。
「すいません、名乗るのが遅れました。私は夢子と申します。私も、他言はいたしません」
「そうか、なら大丈夫か。オレは一回死んでさ、神により転生されたんだよ。その時にさっきの能力とかもらった」
「「転生!?」」
「そう、転生したあとよくわからんがこの世界にきたって訳。面倒なのはもともといた世界の時間とはまったく違うらしいってとこかな?」
神により転生された話を聞いて驚きながらその話を神綺たちは聞いていた。
神綺は何か思い付いたのか無亡にあることを話した。
「ねぇ、無亡ちゃん?」
「ん?」
「つまるところ、名前って結局無いんだよね?」
「だから、そう言ってるだろ?有るのは通称だけだよ」
それを聞いた神綺の眼は、キュピーンと光った。
「ってことは私が考えてもいいんだよね?ないから問題ないよね?」
「は?いや。まー、いいけど?てか、さっきまで戦ってたやつに普通名前つけるか?そんな猫に名前つけるみたいな感覚でさ」
それを聞いた神綺は 、ひどく悲しそうな顔をし始める。
「そんな、戦ったんだからもう友達だと思ったのに………」
「はー……、わかったよ。あまりひどくないのにしてくれ」
「おっけー!」
そう言って真剣に考える神綺を見て無亡は
(赤の他人のためによくそこまで真剣になれるな)
といった感じで見ていた。
「えーと、無亡って無しと亡きで……ありとあらゆることを亡きものにする………神殺し………う~ん…」
「そこまで真剣じゃなくてもいいんだが……」
~10分後~
「あっ……。決まったよ‼」
「まったく、やっとか」
神綺は、胸を張りながら高らかに発表する。
「終咬 亡《ついがみ なき》だよ‼」
「終咬 亡ねぇ……」
「ええ、全に咬みついて終わらせて無かったことにもとい、亡かったことにする」
「ふーん、いいんじゃないか?オレは嫌いじゃない、それにこれ一字かえると神を終らせ、亡きものにするって意味になるし。って言うか、こっちが本命だろ?」
それを聞いた神綺は、思わずニヤッとする。
「やっぱりきずいた?」
「きずかせてるだろ?まーさ、親友の証としてこれから名乗らせてもらうとするよ」
「親友?」
「親友じゃないのか?それとも、嫌なのか?悲しいな」
それを聞いた神綺は、あわてて否定する。
「嫌じゃないよ!すごく嬉しい」
「ならいいな」
「そういえば、これからどうするの?」
「魔界の外にでも行って旅しようと思うよ」
「そう、じゃあもういくのね?ゲートは開く?」
そう言って魔界と魔界の外を繋ぐゲートを開けようとする神綺に亡はこういった。
「必要ない、オレは能力があるからな」
その言葉を聞いた神綺は、一つ疑問を聞いた。
「そう言えば、亡ちゃんの程度の能力ってなんなの?」
「ん?えーと……そうだな、ありとあらゆる能力を創る程度の能力…かな」
「その能力でどうなってでるの?」
「オレの創った能力の中の好きな時間好きな場所に行ける程度の能力があるからそれを使って、魔界の外の同じ位置の場所に移動するよ。という訳で、早速行くよ。じゃあね、最強の創造神」
それを聞いて神綺も夢子も手を振る。
「またね、神殺しの人外」
神綺がその言葉を言い終えたと同時に、終咬 亡は魔界から消えた。
かなりゆっくりな投稿ペースですが、メンタルは豆腐以下なので多目で見ていただければ幸いです。