もう一つの箱庭物語 『更新停止 リメイク予定』 作:煌酒ロード
上空に放り出され、湖に落下し、全身濡鼠。さいっしょっから面白い事してくれんじゃねえか。
「まさか上空に放り出されるとはね・・・」
「場合によっちゃ即ゲームオーバーのクソゲーだな・・・。どこの誰だか知らねえが手洗い歓迎をしてくれるぜ」
「もうちょっと親切でもいいと思うのだけれど」
「そんな事よりどこだよココ、呼び出されたのに説明がありませんとか笑えねえぞ」
「場合によっては即ゲームオーバーの上に説明書欠落のゲームですか・・・」
「それもう商品として成り立っていないのではなくて?」
「っつかそんな事より、だ。間違いねえだろうけどお前らにもあの手紙が来たんだろ?」
「そうね、でもまずは呼び名を訂正してくださる?私には久遠飛鳥という名前があるのよ。そちらの貴女は?」
「春日部耀です・・・好きに呼んでくれて構いません」
「そう、宜しく春日部さん。それで、どこか気だるげな貴方は?」
「気だるげで悪かったな・・・逆廻十六夜だ。十六夜でいいぜ」
「宜しく十六夜君」
仲良く談笑をする三人。
「で、本当に何処なんだココ。手紙には箱庭とか書いてあったけど」
「まあ取り敢えず動いて見なければ話にならないわ 」
「説明も無しに動くのもどうかと思いますけど」
それでもこの状況にパニックにならないあたり大したものだと俺は思うが、どうやら春日部もお嬢様も案外神経が太いらしい。
「それか・・・そこに隠れている奴に話を聞くかだな」
そう言って近くの草むらに視線を向けると、そこから驚いた様な気配が伝わってくる。あれで隠れてると思ってるのか。
「あら、気がついていたの?」
「アレを隠れると言うのなら俺は隠れん坊で一生見つからねぇな・・・」
「まあ気配とか色々漏れてますしね」
俺達三人はその草むらに冷めた視線を投げかける。するとそこから怯えたように
「や、やだなあ御三方様。そのような視線を向けられては黒ウサギはストレスで死んでしまいます。古来よりストレスと孤独はウサギの天敵。そんな黒ウサギに免じてここは穏便に話を聞いてくれると嬉しいのですよ?」
何とも言えない格好のうさ耳少女だった。
「オイお嬢様。どうやら今晩の食事には困らなさそうだぜ」
「そうね。でもウサギなんて食べれるの?」
「ドイツの方じゃあ割と一般的だぜ?以外にいけるらしい」
「そう。といっても未知の味は少し敬遠してしまうわね・・・何事も経験なのでしょうけど」
「って!黒ウサギを食材にしないでください!」
そううさ耳少女が叫んだ。しかし、
「十六夜君。あの耳は本物だと思う?」
「あ?知らねぇよ。気になるんなら引っ張ってみりゃあいいんじゃねぇの?」
「そうね。それもありかも知れないわ」
なんか嬉しそうなのは気のせいかどうかは分からないが、春日部と共にウサ耳ガーターを弄りに駆け出していく。その悲鳴を聞きながら俺は空を見上げ溜息をつき、
「アホくさ・・・」
弄りが終わるのをまつことにした。
それから一時間かけて、俺達はとりあえずコイツの話を聞こうという体制をとっていた。
「有り得ない・・・有り得ないのですよ・・・話を聞いてもらうだけなのに一時間もかかるなんて、学級崩壊とはまさにこういうことを言うのですよ」
とかブツブツ呟いていたが、俺達の速くしろと言う視線を感じたのかこちらに向き直り、
「それではいいですか、御三人様。定例分でいいますよ、ようこそ〝箱庭の世界〟へ!我々は御三人様にギフトを与えられた者達だけが参加できる『ギフトゲーム』への参加資格をプレゼンさせていただこうかと召喚いたしました!」
「ギフトゲーム・・・ですか」
「YES!既に気づいてらっしゃるでしょうが、御三人様は皆、普通の人間ではございません!その特異な力は様々な修羅神仏から、悪魔から、精霊から、星から与えられた恩恵でございます。『ギフトゲーム』はその恩恵を用いて競い合うためのゲーム。そしてこの箱庭の世界は強大な力を持つギフト保持者がオモシロオカシク生活出来るために造られたステージなのですよ!」
俺は欠伸を噛み殺しながら話を聞いていた。正直どうでもいい。どうせツマラナイんだから。
そうこうしてる間に黒ウサギの話は終わっていた。別に期待している訳では無いが取り敢えず聞いてみる。
「オイ、黒ウサギ。聞きたいことがある」
「なんでしょう?」
「この世界は・・・俺に、いや
たっぷり黙り込み、そして目の前の兎は告げた。
「YES!」
ハッ・・・上等だ。
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