もう一つの箱庭物語 『更新停止 リメイク予定』 作:煌酒ロード
あれから少したった後、俺は黒ウサギに気が付かれないように別行動をとっていた。何でかっていうと、どうやらこの世界には世界の果てとかいう素晴らしく面白そうなフレーズの場所が存在するらしい。だからそこに向かう。感動には忠実であれ。ついでに己の欲望にもな。
「楽しそうですね」
「あん?」
後ろからの声に振り返ると、そこには春日部がいた。
「・・・オマエ、
「・・・
気づかなかったんですか?とでも言うように首をかしげる春日部。俺は少し驚いた。
「へぇ・・・・・・やっぱ面白そうだなお前」
「貴方ほどではないと思いますよ・・・、ついて行くの大変なんですから
「ハッ、軽く走ってた程度だぜ?あれでついてこれないとか言われたら困るっての」
俺がそう言うと春日部は呆れたようにため息をついて別にいいですと言ってきた。俺は正直少しガッカリした。コイツならもしかしたら
「それで、何をしに行くんですか?」
「世界の果てを見に行くんですよ、っと」
そう言ってまた俺は走り出す。その後にしっかりついてくる春日部。そして数秒後、俺達は世界の果てが見える場所に到着した。
「コイツはすげぇな・・・」
「そうですね・・・」
一言で表すなら絶景とか荘厳とかそういう言葉になるのかもしれない。そんな景色を俺達はしばらく眺める。
「世界の果てまでわざわざ来た甲斐があったぜ、一度見ておいて損は無いなコレ」
「そうですね・・・確かに見ておいて損は無いです」
俺達二人は十分に景色を堪能した後、帰ろうとする。所が目の前に、着物姿の女一人たっていた。艶のある長い黒髪を簪で纏め、白地に雅な花柄の着物を着た美しい女。町中を歩いていれば十人中十人が振り返るであろうほどの美しい女だ。
『久しいな・・・ここに人間が訪れるのは何年ぶりか・・・』
「あん?なんだお前、人間じゃねえってのか?」
『如何にも。我が名は白雪姫。この当たり一体の守り神よ』
「守り神・・・ですか」
『その通りだ、童共よ。さて、神として領域に入り込んだ貴様らには試練を与えねばならんな』
愉しそうに顔を歪ませる白雪姫の顔は確かに愉しさに歪んでいた。
「なんだそりゃ・・・試練ねぇ・・・」
俺は呆れたように聞く。
「お前が俺を試せる訳ねえだろ、喧嘩なら相手を見て売りな」
つまらなさそうに、心底つまらなさそうに聞いた。
『貴様・・・図に乗るなよ小僧ォォォォォォォォ!』
よっぽど頭にきたのか、身の丈三十尺以上の巨躯の大蛇に変貌する。
『舐めるなよ小僧ォ!神に喧嘩を売ったこと後悔するがいい!』
そう言って水の激流で俺達を押し流そうとする。
「やっぱその程度かよ・・・、クソつまんねぇ・・・」
飛び上がって激流を躱し、
「終いだクソ蛇」
白雪姫の腹部を回し蹴りで蹴り抜く。ただそれだけで白雪姫は吹っ飛んだ。
「ハァ・・・やっぱその程度かよ・・・クソつまんねぇ」
「あんなのを素手で倒す方が異常ですから。クソつまんねぇって発言はどうかと思いますけど」
「ハッ・・・シャラくせえ、
俺の挑むような目つきに肩を竦めて返す春日部。俺は舌打ちして振り返ると
「やっと見つけたのですよ!問題児様方!」
髪を緋色に染め、いかにも激怒してますと言った風の黒ウサギが立っていた。
ご意見ご感想お待ちしております