艦隊これくしょん -本当に何も知らない提督- 作:7seven
復旧も早かったのですが、やはり作者も作中提督もおこです。
その気持ちをE1と2章2話に込めてお送りします。
あ、そういえば叢雲改二は107レベで素対潜72ですとステマしておきます。
「ふむふむ、綾波型9番艦……。綾波ちゃん達の妹なんだな」
「そ。まぁ、ある意味では叢雲の妹でもあるけどね」
建造された漣への鎮守府案内もそこそこに、佐伯さんからいただいた資料で漣という艦娘のことを調べていた。
綾波ちゃんの艤装と近く感じたのは、綾波ちゃんの妹分だからで間違いなかった。
「叢雲の?」
「ニンゲン達が決めた縛りはよくわかんないんだけど、漣や綾波たちは、特Ⅱ型駆逐艦で、叢雲は特Ⅰ型駆逐艦なの。あと暁たち特Ⅲ型の3つ全部を合わせて、特型駆逐艦って言うの。その特型駆逐艦の19番艦が漣だよ」
ふむふむ、そういえば呉鎮にいた頃、暁ちゃんが特Ⅲ型、もとい暁型について詳しく説明してくれたな。
てことは叢雲は特型駆逐艦の5番艦で、特Ⅰ型駆逐艦の5番艦なのか。確かに妹だ。
俺が資料にマーカーを引いている間に、漣はきょろきょろとあたりを見渡して、ぽつりとつぶやいた。
「それにしても、今はご主人さまと叢雲しかいないんだね」
「……寂しいか?」
「ちょっとだけね」
少しだけ眉尻を下げて視線を逸らす漣に心が痛くなってくる。
いてくれたら彼女が寂しくなくなる艦娘……というとやっぱり大戦中に一緒に第七駆逐隊を組んだ曙や潮、朧といったところだろうか。そこまで欲を言わなくても綾波型。
となるとやはり駆逐艦だな。漣の建造には元からあった資材の1割も使ってないし、もう2、3隻建造してみてもいいだろう。艦娘は多ければ多いほどいい。
「アンタ、どこ行くのよ」
早速工廠に向かおうと立ち上がった俺を止めたのは、声に棘の混じる叢雲だった。
「どこって、工廠に」
「何しに?」
「建造だろう」
呆れた、とばかりに額を押さえて溜息を吐く叢雲。
……なんで呆れられるんだ?
「バッカじゃないの? 今この鎮守府にある食料で4人も5人も暮らせるわけないでしょ、ちゃんと着任して出撃して結果出さないと、大本営からお金も食料も資材も出ないわよ」
「……そういえばそうだった」
何も酔狂で初心者提督へのすゝめが置かれているわけではないのだ。
鎮守府には元々食料も資材も置いてなくて、俺の着任が決まってやっと雀の涙ほどの食料と資材が鎮守府に置かれただけにすぎない。定期的に大本営である海軍本部の科す任務をこなし、成果をあげなければ給料が出ないどころか食事ができない。
まあ、佐伯さん曰く、提督がうまいメシを食いたいがために艦娘に過重労働を強いて、轟沈を多発させる豚みたいな提督もいるらしいが。
「わかった? 今は出撃のほうが優先よ」
「ああ。漣も、着任してすぐですまないけど、叢雲と一緒に鎮守府正面海域に出撃してきてほしい」
「ええ、出撃するわ」
「駆逐艦漣、出るっ!」
敬礼して部屋を出て行く2人を見送って、俺も司令室に移動することにした。
司令室も、勿論呉鎮とは比べ物にならないくらい小さい。
でも今は俺一人が使うんだし、十分な広さだ。鎮守府近海の海図を開いて、通信機の電源を入れて、通信機のヘッドセットを頭にはめて椅子に座る。
しばらくノイズが走ったあとに、叢雲の声が入ってきた。
『こちら叢雲よ。抜錨するわ』
「ああ、いってこい」
ここからは旗艦である叢雲の現場判断で進むことになる。
この通信機は不測の事態があった時に救援を呼ぶ、あるいは報告するための装置でしかない。
現場判断であるゆえに、あまりにも大型な艦ばかりだと狭い航路は取らなくなるし、索敵力のない艦ばかりだと狙うべき敵主力艦隊とは大きく外れたところへ向かってしまう。
ま、ああだこうだ言ったところで、今この鎮守府には2人しかいないから、救援なんて呼んだところで佐伯さんに力を貸してもらうしかなくなるんだけどな!
『敵主力と思わしき艦隊と応戦したわ。数は3隻、1隻はサイズからして軽巡、あと2隻が駆逐艦。その戦闘で私は小破、漣が中破よ』
「了解、それじゃあ気を付けて帰投してくれ」
『了解』
中破か。
それなら帰ってすぐドックに入ってもらう必要があるな。
入渠用ドックという名の艦娘用浴場に湯を張り、妖精さんたちに待機してもらう。
それから食事を用意して、あれからこれから、慌ただしく動いていると、港のほうに人影が見えた。
艤装を背負っているから、叢雲と漣だとは思うが……ん?
艤装を背負った2人と、もう1人別にいる?
遠目ながらに目を凝らす。3人のうち2人は叢雲と漣に違いない。
もう1人は、黒髪を三つ編みにして、黒いセーラー服のようなものに身を包んでいる。
とりあえず叢雲たちを出迎えよう。
港の方まで出ると、疲れた様子の叢雲と漣に挟まれた、例の黒髪の女の子が初めに俺に気付いた。ああ、この駆逐艦は。
「初めまして、僕は白露型駆逐艦、時雨。これからよろしくね」
「俺は提督の内海伊織です、よろしく、時雨」
握手を交わすと、艤装も服もボロボロな漣と、服が擦り切れ頬にも擦り傷を作っている叢雲を入渠用ドックに運んだ。
時雨というのは、佐世保の時雨と呼ばれた、あの駆逐艦のはずだ。
勿論呉鎮にもいた。とはいえ呉鎮の時雨ちゃんはもう少し大人びていたけれど。
「……駆逐艦以外の艦娘も、欲しいなァ」
呉鎮修習の初日こそ小型艦艇メインの出撃だったが、勿論大和さんや武蔵さんといった大型艦の出撃も大鎮守府らしくあった。その際の彼女たちは実に圧倒的な戦果を1人で叩き出していた。
そもそも戦艦は自分の主砲の威力に耐えうる装甲を持つものらしいから、そりゃあ沈みにくい上に火力があれば強いのも当然だ。
小型艦艇は輸送任務や夜間接触には強いけど、昼はどうしてもジャイアントキリングは難しいし、敵艦隊に重巡や戦艦が出て来る前に、大型艦娘がほしい。
第七駆逐隊もほしい、大型艦娘もほしい。
とりあえず、今日の出撃成果を本部に送って、報酬の資材と食料を受け取ろう。今ある資材だけじゃ大型艦なんてできっこないんだから。
時雨がドロップしたお(^ω^)
呉の雪風・佐世保の時雨は初心者提督の夜戦では大変心強い味方ですよね。
運がシャッシャッシャッドーン!
運未改修でもカットインできるとか強すぎます。素晴らしい。