艦隊これくしょん -本当に何も知らない提督-   作:7seven

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01-04 呉鎮歓迎会!

食堂に入ると、艦娘がたくさんいて、みんなが思い思いの席についている。

見たことのある艦娘、見たことのない艦娘、様々だ。

そして、駆逐艦と思わしき艦娘達に囲まれている、佐伯さん。

 

佐伯さんはこちらに気が付くと、片手を上げたので俺も一礼しておいた。

その手をこいこい、と招くものだから、俺も素直にそっちに行く。

 

「しれぇ、この方は誰ですかぁ?」

「今紹介するから、いい子で待っててくれ雪風」

「はいっ!」

 

艦娘は一部きわどい服装の娘がいる。今の雪風という娘もそのひとりだ。もうちょっと色が濃くて長いワンピースを着なさいね。

 

「やぁ、鎮守府探検は楽しめたかな?」

「はい、とても」

「うんうん、それは結構。はい、全員注目!!」

 

佐伯さんがパンパンと手を打ち鳴らすと、厨房も、厨房の前で並んでいた艦娘も、席に座って談笑しながら食事していた艦娘も、みんながさっとこっちに注目した。

 

「今日からこの鎮守府で、提督候補生の教育を行う。名前は内海だ。私の仕事に同行するため、顔を覚えておくように」

「内海伊織です。よろしくお願いします」

「以上、戻ってよし」

 

佐伯さんの戻ってよしが聞こえるとすぐに談笑や調理に戻るこの鎮守府は、指令系統がしっかりしていそうだ。めりはりがあるというか、なんというか。

 

「内海さん! 私、陽炎型駆逐艦の雪風です! よろしくお願いします!」

「同じく陽炎型駆逐艦、時津風。よろしくね~」

 

佐伯さんと一緒にいた艦娘ふたり、雪風と時津風。

このふたりも姉妹なのかあ。

 

「よろしくお願いします、雪風ちゃん、時津風ちゃん。雪風ちゃんのそれは何ですか?」

「これは双眼鏡です! しれぇがくれたものなんですよ!」

「雪風は戦時中の超武勲艦でね。太平洋を庭のように駆けずりまわっていた間に、僚艦の乗員の救助から、漂流者や沈没船の乗員救助、撃墜された艦載機のパイロットの救助……色々な人間を助けているんだ。そういうことができる優しい娘になってほしいと思って、救助を求めている人を見つけられるように買ってあげたんだよ」

「へえ……いいですね。雪風ちゃん、頑張ってね」

「はい、頑張ります!」

 

俺には妹はいなかったけど、いたらこんな感じなんだろうか。

それにしてもすごいなぁ、太平洋が庭って。こんなでかい庭持ってる人初めて見たぞ俺。

 

「お疲れさまです、内海提督候補。お食事はどれぐらいにしましょうか?」

 

厨房のカウンターでは、和服に黒髪の、いかにも日本人女性といった感じの風貌の女性が、お茶碗片手に俺に問いかけている。

 

「茶碗いっぱいにお願いします」

「あらあら、ふふふ……。男性ですものね」

 

しとやかに笑って、今日のメニューであろうとんかつや、白米、味噌汁をトレーに置いてくれる。旅館の女将さんとか、こんな感じじゃないか? 旅館行ったことないけど。

 

「彼女は軽空母、鳳翔だ。最初から空母として建造された世界初の軍艦という非常に伝統のある艦で、普段はこうして穏やかだが、実戦に出ると……いやなんでもない」

「えっ」

「うふふ、ほら提督、提督候補、お食事が用意できましたよ」

 

言いかけてやめるとかひどいよな!? すごい気になる!

けど鳳翔さんの背後に何かが見えた気がして気になると言いにくい……。

というか、最初から空母としてってことは、最初は空母じゃない状態から空母にした船もあるのか? ちょっとよくわからん。

 

「ああ、それでだな内海。もう客室を見たかもしれんが、客室にはシャワールームがついている。風呂はそこで済ませてくれ。広い風呂なら鎮守府から徒歩20分くらいのところに銭湯もある」

「叢雲……は吹雪ちゃん達と一緒に艦娘用のお風呂に入れても大丈夫ですよね?」

「ああ、それについては構わん。艦娘にも裸の付き合いが必要だろう」

 

船ってもともと服なんて概念ないんじゃ……。

 

「明日から早速勉強に移る。お前は他の提督候補どもより知識が不足しているからハードスケジュールにはなるが、2か月できっちりと有象無象の提督よりも優秀な提督候補に叩き上げてやろう」

「よかったわね、いい教官ができて」

 

叢雲、背後に鬼が見える人をいい教官ってちょっとどうなんだ。

 

「まずは鎮守府内の対外活動をしているところを見に行く。明朝マルロクサンマルにこの建物の玄関入口に集合するように。叢雲も行ってくれ」

「わかったわ」

 

鎮守府内の対外活動ってなんだ。入る時のボディーチェックみたいなあれか? ボディーチェックの守衛を見に行くってどういうことなんだ?

よくわからん。それでも提督候補修習生の幕開けだ、よくわからんなりに頑張るしかない。




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