艦隊これくしょん -本当に何も知らない提督- 作:7seven
お久しぶりです。大和型長門型アイオワ(全員90レベル超え)と加賀で4-5いって3回ともラスダン失敗しています。
それでは本編どうぞ。
佐伯さんの表情に、なんと声をかけていいかわからない俺と叢雲を救ったのは、執務室に現れた黒髪で眼鏡な子だ。セーラー服みたいなものを着ている。
「失礼します。提督、司令室の方にー」
佐伯さんへ用があって訪れたようで、言いかけて途中で俺と目が合う。
目が合った瞬間綺麗なお辞儀をした。小学校とかでお手本にしてもいいぐらい綺麗なお辞儀だ。
「初めまして、内海提督候補。連合艦隊旗艦、大淀です。この鎮守府では主に出撃している艦娘との通信、司令伝達を受け持っています」
「初めまして、大淀さん。内海伊織です」
「内海、この大淀は潜水艦隊指揮を運用目的に建造されたた軽巡洋艦だ。索敵活動用の偵察機を積むための格納庫と、発艦用の大型カタパルトを持ち合わせている。……まあ、その偵察機の出来が芳しくなくて、実際には潜水艦隊旗艦を務めたことはなかったようだが」
ほう。つまり最初の建造目的通りの使われ方はしなかったのか。可哀想だ。大淀も困った顔で、笑っている。
「しかし潜水艦隊旗艦を任せる予定だった軍艦だ、載せている通信機と通信係は非常に能力が高い。その通信能力を買われて、帝国海軍最後の連合艦隊旗艦を務めることになったんだ」
「それはすごい。……ああ、もしかして今ここで艦娘との通信や司令伝達を担当しているのもそれが理由ですか?」
「ああ。だから艦娘が出撃や遠征に行っている間は通信室を兼ねた司令室に入り浸ってもらっているんだが……どうかしたのか?」
俺の存在が話の本腰を折ってしまっていたようだ。
大淀さんについての解説に区切りをつけた佐伯さんは、大淀さんの方に向き直った。
「はい、輸送船の護衛任務にあたっている呉五駆の暁から、通信が入りました。4時の方向、かなり遠いですが大型艦の反応が複数あったそうです」
「詳細な距離は?」
「わかりません。かなり遠い、反応しただけ奇跡じゃないかとのことです。周辺鎮守府に出撃中の大型艦艇はいるか確認したところ、ありませんでした」
大淀さんの話を聞きながら立ち上がって執務室を後にしようとする佐伯さんに、俺は着いて行っていいのだろうか。司令室ってかなり重要な場所なんだろ? たぶん……。
もたもたしていると、佐伯さんから早く来い! と怒られた。すみません今行きます!!
***
機械だらけだ、迂闊に転んだらそれだけで何かを壊しそうだ。
以上、司令室というものを初めて見た感想。
司令室ってなんかこう、会議室みたいなものかと思っていて、まさかこんな何の機械ともわからないものが壁一面を覆い尽くし、床に機械の巨塔を乱立させているとは思っていなかった。
「ここの機械についての説明は後だ。内海、これを付けて黙って聞いていろ」
俺より先に司令室に入っていた佐伯さんは頭にマイク付きのヘッドホンのようなものを付けている。俺に投げ渡されたのはマイクが付いていないことを除けば佐伯さんの着用するヘッドホンと同じものだ。突然投げられたので慌ててキャッチした。
見る限り普通のヘッドホンを付けると、突然幼い女の子たちの声が聞こえた。
「な、ななな!?」
「静かにしていろと言っただろう。これは艦娘の通信機と繋がっている。女の子の声は暁たち呉五駆だ」
呉五駆。確かに言われてみれば同じ声だ。
司令官、どうするの? って暁さんの声が聞こえてくる。そういえば大淀さんや熊野さん、大和さんは佐伯さんのことを提督って呼ぶのに、呉五駆のみなさんや吹雪ちゃんたち姉妹は佐伯さんのことを司令官って呼ぶんだろうか。
付き合いの長い子は司令官って呼ぶのかな?
「今から足の速い戦艦、巡洋艦、空母をそちらに送る。詳細な編成は後ほど連絡する。周辺の索敵に努めてくれ」
『了解よ、司令官』
話をやめた佐伯さんはヘッドホンを外し、部屋の中に設置されたマイクのスイッチを入れてマイクに話しかける。
「緊急招集! 以下の艦娘は直ちに司令室へ」
金剛、榛名、鈴谷、熊野、翔鶴、瑞鶴。
あ、なんとなく金剛って聞き覚えあるかもしれない。どこで聞いたんだっけ。
しばらくすると、サラサラストレートの長い銀髪のお姉さんと、黒髪をツインテールにしたお姉さんが司令室の門を叩いた。そのすぐあとに、熊野さんが水色のサラストの女の子と。そして最後に、金剛デース! と声高に入ってきた、茶色いシフォンヘアの金剛さんと、黒髪サラストのお姉さん。
……佐伯さんがわざとやってるんじゃないかってぐらいサラサラストレートヘア、略してサラストが多い。
「よし、揃ったな。内海、右から金剛型巡洋戦艦の金剛、榛名。最上型重巡の熊野と鈴谷。そして翔鶴型航空母艦の翔鶴と瑞鶴だ」
ほうほう。よくわかんないけど全員足の速い艦ってことだけはわかる。そして彼女らがおそらく……。
「本日マルキューマルマルから航路2-3にて輸送船護衛任務にあたっている呉五駆から、遠方に大型艦の反応ありと通信が入った」
登場の仕方がいかにもお調子者っぽかった金剛さんや鈴谷さんも、きりっとした顔つきで佐伯さんの指示を直立姿勢で聞いている。これが大鎮守府の非常事態か……。すごいな。
「周辺鎮守府にはこれに該当する出撃艦娘はなく、当鎮守府はこれを敵影と判断した。よって、旗艦金剛、以下榛名、鈴谷、熊野、翔鶴、瑞鶴の臨時艦隊で呉五駆に合流し、敵影を撃破、護衛任務を完遂せよ」
「旗艦金剛、了解ネー」
金剛さんの敬礼と、その敬礼を解いた瞬間5人の艦娘がびしっと同じタイミングで敬礼し、同じタイミングで解く。まるで軍隊だ。いや海軍の艦隊だから略して軍隊かもしれないけど。
「よろしい。出撃用意が終わり次第抜錨してくれ」
佐伯さんの言葉で一瞬にして散開し、司令室を出ていった6人の艦娘たち。
あの改造巫女服や和服、制服姿の女の子が海の上で戦うというのか……。丸腰じゃないか。
「暁、聞こえるな? そちらに金剛を旗艦として、榛名、鈴谷、熊野、翔鶴、瑞鶴を送る。現在、その大型艦はどうしている?」
『あまり足が速くないみたい。私たちとの距離は狭まっていないわ』
「了解。金剛たちが到着し次第、臨時連合艦隊とし、艦隊指揮は金剛に一任し、大型艦との接触、排除をしてくれ」
『了解よ、司令官!』
そもそも女の子が戦うって話をしたら暁さんや響ちゃん、雷ちゃん、電ちゃんもそうじゃないか。……深海棲艦とやらがいなくなって、彼女たちが戦う理由がなくなってくれればいいのにな。
だってどう考えてもおかしいじゃないか。しかも、出撃だって聞いて嫌な顔ひとつしない彼女たちは明らかに間違っている。男の俺だって戦場に行けって言われたら嫌だ。
『テートクゥ! 臨時艦隊、抜錨するネー!』
ヘッドホンに突然、金剛さんの朗々とした声が入る。うだうだ考えていた俺には青天の霹靂。
佐伯さんが抜錨! と掛け声をすると、金剛さんや熊野さん、それに多分榛名さんたちと思わしき声が抜錨! と復唱した。
……ん? なんで金剛さんたちは出かけるんだ? 暁さんたちだけで対処すればいいじゃないか。
俺が素直に思ったことを言うと、佐伯さんは大きく息を吐き出したあと頭を抱えたし、大淀さんの笑顔が引き攣ったことをお伝えしておこうと思う。
誰が出て来たか覚えられないって?
安心してくれ、書いてる本人も過去話チラ見しながら書いている。